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今週のコラム 250回目 診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これってシコリ?」と感じた方へ)vol. 6 良性疾患

皆さん、こんにちは。

今日も暑くなりそうです。

今日のmusic time lineは「1976」でした。

夜明け前に走っているんですが、今日は本当に暑かった!

ということで、(聴きながらだったけど)内容があまり頭に入っていない。

新宿ロフトの話はしていたね。(結構おしゃべりな「おじさん」が)

荒井由実の第1次黄金期でした。

それにしても、今回の「良性疾患」volumeがあって大変でした。

テニスに行くために、ここは早く終わりにします。

 

 

今回は 診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ)  ♯「入口の一つ」です。

の中の「画像診断」「組織診断」「乳癌」「乳癌以外の悪性腫瘍」「葉状腫瘍」「良性疾患」の中の「良性疾患」を取り上げますが、これは多岐にわたります。

良性疾患

目次

1.嚢胞

2.乳腺症

3.線維腺腫(良性腫瘍の代表)

4.稀な良性腫瘍一覧

5.乳管内乳頭腫

6.乳腺炎(授乳期のうっ滞性乳腺炎、乳輪下膿瘍)

7.肉芽腫性乳腺炎

 

1. 嚢胞をクリックすると出てくる場面

〇 嚢胞

 

正常乳管が「何らかの理由 注 1 )」で閉塞して液体(分泌液)が貯留したもの

医師によっては、「水がたまった袋」と表現される。

 

 

注 1 )何らかの理由:液体が濃いため乳管が詰まった/周囲の組織から圧迫された

前者は授乳期などに良く起こる(ミルクは時にうっ滞すると濃くなり固まる)

後者は乳腺症などで周囲の線維成分などが増生して、乳管が圧迫されて起こることが多い。

 

嚢胞は腫瘍ではありません。

全く「正常」なので、(私は)敢えて患者さんに『嚢胞ありますよ。』などと指摘しません。(『正常ですね。』といいます。)

 

検診エコーなんかで、結果に「嚢胞:1年後経過観察」とかなっていることあるけど…

 

 

 

嚢胞に「経過観察」など不要です。

単純に「毎年、検診を受けましょう」という記載だと理解しましょう。

 

(参考に)嚢胞内腫瘍は嚢胞ではありません。

嚢胞内腫瘍については、『今週のコラム 51回目 嚢胞内腫瘍 これは嚢胞ではありません』をご参照ください。

 

2. 乳腺症をクリックすると出てくる画面

〇 乳腺症

・ 原因

Key wordは「女性ホルモン」です。

特に「更年期」に女性ホルモンが不安定となり、(更年期でなくても「ストレス」などで不安定となります)その「増殖シグナル」により乳腺が刺激され「乳房痛」や「(乳腺の)硬結」の原因となります。

・ 画像

 

典型的な「豹門様」

白い「乳腺組織」の中に「黒く豹門様に線維化が入り込んでる」

 

多くは乳腺全体の(上記)「豹門様」所見となりますが、時に「腫瘤非形成性病変」と呼ばれる像を呈します。

≪腫瘤非形成性病変≫

以下の2つは、どちらも「乳腺症」です。

・ 鑑別

画像上、特に(上記)腫瘤非形成性病変を呈した際には「乳癌」と画像上区別がつき難くなります。

(参考に)腫瘤非形成性病変を呈する「乳癌」

乳腺症の画像診断については『今週のコラム 213回目 つまり、「乳腺症とは(全て)境界不明瞭」なのです。』をご参照ください。

 

3. 線維腺腫をクリックしたら表示される画面

〇 線維腺腫

・ 若年で発生し、(女性ホルモンにより)大きくなる。

過去には40歳過ぎでは新たな線維腺腫はできないと言われていましたが、現代女性は50歳でも大きくなっています。(ホルモン環境の変化)

今週のコラム 126回目  「40歳ではじめて指摘された(画像上)線維腺腫」それは、やはり(組織診しても)線維腺腫だったのです。』をご参照ください。

・ 画像

 

典型的な「扁平」「境界明瞭」な像

 

 

 

 

上記に比べると、やや張りがあり、周辺も「ぼそぼそ」した印象

 

 

 

4. 稀な良性腫瘍一覧 をクリックすると表示される画面

〇  稀な良性腫瘍一覧

 

まずは、分類

 

 

良性上皮性腫瘍は以下の3つに分類(癌は「悪性」上皮性腫瘍です)

4-1.adenoma

4-2.腺筋上皮腫

4-3.乳管内乳頭腫

 

4-1① ductal adenoma 乳管腺腫

・ 画像

 

・ 癌と間違われ易い代表格

・ 乳管内に発生し、乳管を埋め尽くして圧排性に増殖する。

・ 硬化性変化により浸潤様に見える「偽浸潤像」を呈する事やアポクリン化生により「細胞が大型化し、癌細胞と間違われ易い」

 

4-1② tubular adenoma 管状腺腫

・ 画像

case. 1  33y

case. 2 24y

腺腫とは一般に様々な組織(腺管や線維、脂肪など)が出鱈目な量で混じり合った組織であるが、管状腺腫は「過度な上皮過形成や間質増殖を伴わないため」pure adenomaとも呼ばれる。

臨床像

・境界明瞭、孤立性の腫瘤

・稀な疾患であり、若年(閉経前)に多い

・高齢者に起こる場合には特徴的な石灰化(濃度の高い石灰化が高密度に集簇)

病理組織的特徴

・管状構造(乳管)と腺房構造(ミルクを分泌)が密集した腺腫

・周囲の線維性間質はとても少ない

 

4-1③ adenoma of the nipple

・ 画像

乳頭部の皮膚を破壊するため、Paget’s diseaseとの鑑別を要した当院の症例

乳頭内または乳輪直下乳管内に生ずる乳頭状ないし、充実性の腺腫

Paget’s diseaseと間違われ易い

 

 

4-1④ lactating adenoma 授乳期腺腫

・  妊娠授乳時に生じる上皮成分の増生を主体とした境界明瞭な腫瘍

・  突然現れる大きなシコリとして「葉状腫瘍?」と間違われやすい

case. 1

 

case. 2

左⇒数日後に縮小⇒右

 

case. 3

 

4-2 adenomyoepithelioma 腺筋上皮腫

・ 画像

 

境界明瞭で多結節性の腫瘤を形成

周囲は線維性結合織に取り囲まれる

 

 

 

 

 

・ 乳管は「乳管上皮」細胞と「筋上皮」細胞から成るが、その内の「筋上皮細胞の増生が主体」である。

 

4-3 乳管内乳頭腫

これは、次の項(5)で独立して取り挙げます。

 

5. 乳管内乳頭腫をクリックすると出てくる画面

〇 乳管内乳頭腫

・ 乳管内に発生する乳頭状腫瘍

・ 増殖性が強く、(時に癌との鑑別のために)免疫染色を要することがある。

例)異型を伴う乳頭腫 intraductal papilloma with atypia

・ 画像

 

71y  10mm

 

 

 

 

 

 

45y 18mm

乳管内であることが、腫瘍(白っぽい)周囲の液体(黒)で想像できます。

 

 

 

 

44y  4mm

異型を伴う乳頭腫

 

 

・ 診断

① エコーで見える場合 通常の組織診(CNB / CELERO / MMTE)

② 分泌がある場合 ⇒ 乳管造影

 

乳管造影って、どんな場合に行うの?

 

 

 

乳頭分泌がある場合だよ。

ただし、「単孔性」であることが絶対条件なんだ。

 

 

単孔性って、どういうこと?

 

 

〇単孔性

 

乳管孔は十数個あり、それぞれが枝分かれしながら

独立し乳管系を作っている。

 

 

 

分泌している、その孔をブジ―で拡張し、

(拡張した乳管に)造影剤を入れるのです。

 

 

 

単孔性の意味は解ったけど、

何故、それが重要なの?(多孔性では意味がないの?)

 

 

よく、考えてほしいんだ。(物事はブラックボックスに入れちゃー、いけないよ)

腫瘍が原因である分泌(これを「乳管内病変による分泌」と呼びます)は必然的に単孔性となるよ。

 

 

えっ?どういうこと?

 

 

 

乳管内病変は乳管の1か所からできるからなんだ。

その乳管内で増殖しても「同じ乳管系の中」なので単孔性となります。

 

 

 

多孔性の場合には、それ以外の原因で分泌が起きているので気にしないようにしよう。

 

 

 

「それ以外の原因」とは?

 

 

 

1.乳腺症(に伴い、複数の乳管が閉塞したり分泌亢進で起こる)

2.高プロラクチン血症(これは分泌液性状がミルクとなります。)

どちらも、癌とは全く無関係

 

「単孔性」=「乳管内病変」ということ?

 

 

 

「単孔性」だけではなく「継続性」も重要なんだ。

一過性(2,3日出たけど、その後は出ないとか)は乳管内病変ではないね。

 

 

「単孔性」の「一過性」はどういうケースがあるの?

 

 

 

「ホルモン分泌」と関係しているケースが多いよ。

特に多いのが、「月経終盤の一過性」これは、月経に伴い「乳管上皮が剥がれて出血」するから

また、更年期の時期にはそれ(月経)との関連が解りにくくなるけど「継続しない」場合は大丈夫。

〇江戸川病院での診療風景

(江戸川外来にて)

 

半年前から分泌あるんです。

ただ(前医では)『エコーでもMRIでも所見がない。様子見るしかない』って、言われて。

 

 

了解しました。それでは診察しますね。

たしかに、単孔性ですね。

しかも量が多い。これは(癌かどうかは別として)乳管内病変だと思います。乳管造影したほうがいいね。

 

それって、どんな検査?

 

 

 

乳管を細い針金で広げて、(その乳管に)造影剤を入れて撮影します。

市川 注 5 )で(私が)土曜日に行っています。予約しますか?

 

注 5 )メディカルプラザ市川駅 総武線市川駅の向かいダイエービルの9Fにあります。

(メディカルプラザ市川駅にて)

 

痛いですか?

 

 

 

乳管の「太さ」によります。

最初から太ければ、ブジ―も軽く通るのでそれ程痛くないんだけど、

「細い」場合には、それを広げる際に若干痛みがあります。

 

ブジ―が入りました。これから少しずつ太いものへ入れ替えて拡張しますね。

 

 

(ブジ―を造影剤の注射器に入れ替えて)

これから造影剤が入りますねー。

 

 

(撮影後)

 

やはり、乳管内病変がありますね。

ここから分泌があるのです。

 

 

 

 

 

 

それって、癌なの?

 

 

 

それは、解りません。

病変が(ある程度)大きくなれば、エコーで視認できるようになるので、その場合には針生検などできます。

ただ、この段階(エコーで視認できない)で診断を確定するにはその病変を(乳管ごと)切除する乳管腺葉区域切除(手術)となります。

 

「大きくして(育てて)から、診断する」なんて、嫌だわ。

是非、手術お願いします。

 

★ 乳管内乳頭腫については下記コラムを参照してください。

今週のコラム 36回目 もしも本当に「乳管内病変が存在」すれば、「浮きの方から沈んでくれる」ので心配ありません。

今週のコラム 62回目「乳管腺葉区域切除を施行した37症例中37例(100%)で有意義な治療だったと、私は自負しています

今週のコラム 96回目 (乳管内腫瘍が疑われる以上)乳管腺様区域切除をして診断的治療注」を行いましょう

今週のコラム 110回目 その成績(2017/1月~10月 乳管腺葉区域切除手術症例 46症例)について

今週のコラム 132回目 腺葉系は、十数個が重なり合っているので、そのうち1つを摘出しても変形しないのです。

今週のコラム 157回目 病理結果によっていろいろなcaseがあるので、一概には言えません

 

6.乳腺炎(授乳期のうっ滞性乳腺炎、乳輪下膿瘍)をクリックすると出てくる画面

〇 乳腺の炎症性疾患

 

乳腺は皮膚で覆われているし、無菌なので通常は炎症は起こりません。

(良く勘違いされることに)乳房痛があります。

乳房痛=乳腺炎では、決してありません。

★ 乳房痛の原因の99%はホルモンによる刺激(乳腺症)です。

 

乳腺炎は滅多にはないことは解ったよ。

それじゃー、本物の乳腺炎を教えて!

 

6-1.うっ滞性乳腺炎

これは、授乳中(特に初産で起こりやすい)に(乳管が詰まって)乳汁がうっ滞することで起こる。

初産では、乳管の発達が悪く(細いため)詰まりやすい

・ 診断 授乳中だから明白

・ 治療 搾乳できれば、それが一番

エコーで膿瘍となっていれば切開排膿

(膿瘍がなければ)抗生剤

6-2.乳輪下膿瘍

・ 原因 陥没乳頭による乳頭部の皮膚(角質)が慢性的に詰まることによる

陥没乳頭に起因する「角質(垢)」による炎症の機序

 

これが乳頭の全体像です。

解りやすいように、以下は点線部分(乳頭)のみを拡大して説明します。

 

 

 

 

 

正常な乳頭部です。

表皮(皮膚)の細胞は(ご存知のように)毎日剥がれ落ち(垢です)、洗浄されます。

 

 

 

 

 

陥没乳頭

皮膚が陥没した状態です。

本来「外へ出ているべき皮膚」が内部に引き込まれている様子がわかります。

 

 

 

 

陥没乳頭内部での垢の「貯留」⇒「感染」⇒「炎症」

皮膚から剥がれ落ちた角質(垢)が外へ洗い流されずに「乳管出口」に詰まり「乳管閉塞」を起こします。

角質部分(垢)は感染を起こしやすく、時に強い炎症を起こします。

♯ 「臍ゴマ」を思い浮かべるといいでしょう。

 

 

 

この炎症を繰り返すことによる「慢性炎症」=(乳頭直下にあるので)乳輪下乳腺炎

この炎症により時に「血性分泌」が起こります。

 

 

6-3. 肉芽腫性乳腺炎  これは、次の項(7)で独立して取り挙げます。

 

7.肉芽腫性乳腺炎をクリックすると出てくる画面

〇 肉芽腫性乳腺炎

・ 原因 不明(自己免疫が関連していると推測されている)

・ 診断 しこりがあり炎症がある場合にはこれを疑い、組織診(MMTE)で確定診断となる。

・ 鑑別 癌との鑑別が重要

エコー像は(時に)癌と間違われやすい

典型的な肉芽像

癌に見える(間違いやすい)肉芽像

 

 

今週のコラム 21回目 肉芽腫性乳腺炎 「画像上は癌が疑わしい」し、「炎症と言っても、膿もでない」

今週のコラム 22回目 万が一、癌だったでは済まされないのです

今週のコラム 28回目 癌の診療さえできない医師よりは、「まだマシ」かもしれませんが、癌の診療しかできない医師ばかりでは困ったものです。

今週のコラム39回目 1つの病院で肉芽腫性乳腺炎の患者さんが10名を超えているなんて、日本中どこを探してもあり得ないことです。

今週のコラム 42回目 肉芽腫性乳腺炎(前医での診療~当院初診まで)

今週のコラム 43回目 肉芽腫性乳腺炎(続き、治癒へ)

今週のコラム 44回目 『これは肉芽腫性乳腺炎じゃないよ。 何故なら自分はそんなもの1回も見たことないから』

・ 治療 volume reduction(肉芽の量を減らす事)

 

どうやって、肉芽を減らすの?

 

 

 

① MMTEで削る(初回は「確定診断も兼ねて」できるだけ削る)

② ステロイド(プレドニンを初回20-30mg  漸減していきます)

 

 

炎症なのに、「切開」とか「抗生剤」は不要なの?

 

 

 

「無菌」だから、抗生剤は無意味!!

切開しても何の解決にもなりません。

 

★極めて残念なことに、世間的には、これら誤った治療を永遠と行っているのが現状(患者さんが可哀想)

当院を受診される肉芽腫性乳腺炎の患者さん達は、前医で100%誤った治療(抗生剤+切開)をされています。

「実症例」

 

地元の病院で「肉芽腫性乳腺炎」って診断されたんだけど、全然良くならないの。

「ステロイド使わないんですか?」って聞いても、『使い方が解らないから』って不満なんです。

とにかく痛いし、膿も出るし本当に困るんです。

(北関東から)通院するのは大変だけど、治してください。

 

〇月△日(day 0) しこりを自覚

2日後(day 2)     しこりに発赤が出現

day 5                            前医を受診 CNB施行される

day 14                        (CNBの結果)肉芽腫性乳腺炎と診断される 注 1 )  が、抗生物質を処方される 注 2 )

day 45      (悪化して)遂に自壊する。

day 46                         前医を再診 切開排膿 注 3 )

 

day 48(当院day 0 )当院初診時の写真

(前医で処方されていた抗生剤は中止し)プレドニン20mg開始

自壊した皮膚欠損部は「グジュグジュして浸出液が多量に出てガーゼが必要

 

 

 

day 54(当院day 6)の写真

プレドニン20mg維持

(さすがに6日しか経っていないので)皮膚欠損部の大きさは変わりませんが、浸出液は著明に減少し乾燥しています。

痛みも無くなり効果を実感しています。

 

day 75(当院day27)順調に改善も、プレドニン20mg維持

 

day 103(当院day55)プレドニン15mgへ減量

 

 

day 131(当院day83)の写真

皮膚欠損部は無くなり、症状は殆どありません。

プレドニン10mgへ減量

 

 

day 187(当院day139)の写真

前医での切開跡だけで、炎症はすっかり改善しています。

プレドニン5mgへ減量

 

 

前医で切開されたことが残念だね(最初から当院で治療していれば…)

今後はどんな予定?

 

 

プレドニン5mgを半年⇒プレドニン5mgを隔日にして半年で治療終了予定です。

 

 

 

今後1年間も治療が必要なんだね。

患者さんは大変では?

 

 

それは違うよ。

当院での治療でいえば、最初の2か月位は痛みがあるけど、あとは症状ないし薬のむだけ(通院も3か月に1回⇒半年に1回だからね)

 

肉芽腫性乳腺炎と診断される 注 1 )

⇒きちんと病理医が「肉芽腫性乳腺炎」と診断してくれるとは限りません。

(8165さんもそうですが)「肉芽腫性乳腺炎」とまで診断されずに「炎症性細胞の浸潤」としか記載しない病理医もいます。

 

抗生物質を処方される 注 2 )

⇒ここが、とっても残念なところ。

せっかく(病理医が)肉芽腫性乳腺炎と診断してくれたのだから、きちんと治療してあげないと可哀想。

肉芽腫性乳腺炎は「細菌感染ではない」のだから、全く無意味なのです。

 

切開排膿 注 3 )

⇒全く無意味。

切開した挙句に「あれっ、膿でないなー」などと言われたりします。

 

 

肉芽腫性乳腺炎「そのもの」を知らない乳腺外科医は多いし、(もしも肉芽腫性乳腺炎という病名を知ってても)正しい治療法を知らない乳腺外科医は、もっと多い。

 

肉芽腫性乳腺炎には2つの側面があります。

1.確定診断されないが故に、「癌かもしれない」という不安が継続する。(8165さんのケース)

2.(何とか、ようやく)確定診断されても、正しく治療されずに放置されてしまう。(症例提示のケース)

⇒ いつまでも「浸出液」が出たり、「痛み」に悩まされたりします。

「癌でないから、私のしったことではありません」では困りますね。

 

★当院を受診するタイミングとしては(1の段階も多いけど)2の段階の方が多数派です。