今週のmusic time lineは「1996」でした。
Key wordは「絶頂」 そう、あのTKの時代でした。
年間シングルの1位こそ、Mr. Childrenの「名もなき詩」に譲りましたが、2位はgrobeのdepartures
年間アルバムの1位も彼らでした。
彼らを抑えて、年間artist 1位は「安室 奈美恵」
凄いですね。
TRFの強烈な印象。
時代は第3次?ボーリングブーム
仙台のボーリング場でボーリングしながらモニターに映る彼らの画像に(当時、ボーリング場にはコインを入れて、MVを再生していました)青春を見ていました。
皆さんにとっての(お気に入りの)TK(プロデュース)アーティストは誰?
本編
改変後の乳プラでは入口には
『再発 (再発と言われた方へ)』
『診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ』
『治療(乳癌の治療)』
がありますが、『診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ』の中には
「画像診断」「組織診断」「乳癌」「乳癌以外の悪性腫瘍」「葉状腫瘍」「良性疾患」が、それぞれ独立して存在して、それぞれのタブをクリックすることで、そのページに移動します。
★ 今回は、この中で「乳癌以外の悪性腫瘍」及び、「葉状腫瘍」を取り上げます。
〇 乳癌以外の悪性腫瘍
◎乳腺にできる悪性腫瘍の殆どは乳癌です。
但し、非常に低頻度ではありますが、以下のものがありますので、ここで紹介します。
悪性葉状腫瘍
(乳腺悪性腫瘍に占める頻度:0.04%~0.5%程度)
増殖及び(周囲組織への)浸潤傾向が強い
皮膚への圧迫及び浸潤により「皮膚所見を伴う」ことも多い。
葉状腫瘍はfibroepithelial tumorであり、「良性」~「境界悪性」~「悪性」までグレードがある。
葉状腫瘍については「別枠」であらためて取り上げます。
血管肉腫
(頻度は全体で0.05%程度)
以下の2つに分けられる。
原発性血管肉腫 | 頻度は0.0005%と極めて稀 何の誘因もなく発生するものをいう |
続発性血管肉腫 | 頻度は0.05~0.16%と稀ではあるが①よりは多い 乳癌(温存)術後の放射線照射が誘因と考えられる。 ※近年、乳癌温存術の普及とともに報告が増加している。 |
実際に私が遭遇した症例
放射線照射歴(乳癌温存術後)あり
皮膚所見が特徴(診断はつきずらい)
同症例のCT画像
血管腫だけあって、血流豊富(造影効果強い)
悪性リンパ腫
(頻度は文献的には0.5%弱)
但し、乳癌症例の急速な増加に伴い(相対的に)頻度は、もっと下がっている。
*治療は悪性リンパ腫に準ずる。
case. 1 当院症例
diffuse large B cell lymphoma
MMG
US
腫瘍は比較的「境界明瞭」
しかし多結節、血流豊富
当初は「葉状腫瘍?」
CELEROにて診断
腫瘍内科へ転科、化学療法(CHOP)にて完全緩解
case 2 男性の(進行した)悪性リンパ腫
〇 葉状腫瘍
≪葉状腫瘍の位置づけ≫
線維腺腫とともに、fibroepithelial tumor(線維上皮性腫瘍)と呼ばれる。
線維上皮性腫瘍とは?
乳腺は「上皮」と「(線維性)間質」の2成分でできているんだ。
その「どちらか」が腫瘍化(増殖)したものを「腫瘍」と呼ぶ。
例えば「癌」は「上皮が(悪性)腫瘍化」したものだし、「肉腫」は逆に「間質が腫瘍化」したものをいいます。
線維上皮性腫瘍とは、(その)両方が腫瘍化したものなんだ。
ただし、上皮には異型は無いことが大前提となります。(もしも上皮に異型があると「癌」との鑑別が必要となります)
なるほど。
「線維腺腫」と「葉状腫瘍」の違いは?
いい「視点」だね。謎雄君。
(上皮に異型が無いことは共通で)鍵は「間質」にあり。
(線維腺腫に比べて)葉状腫瘍の(線維性)間質は
葉状1.(間質)細胞密度が高い。
葉状2.(間質)細胞に多形性を認める。(細胞異型)
葉状3.(間質)細胞に核分裂を認める。
葉状4.(時に)周囲への浸潤増殖を認める。 注 1 )
注 1 )この「浸潤増殖」を認めると(それだけで)良性ではなく「境界悪性以上」となります。
≪葉状腫瘍の診断≫
同じ「線維上皮性腫瘍」だと、術前の(病理)診断に迷いそうだね?
そうなんだ。
術前の組織診 注 2 )では、病変の一部の採取となるので、(術前診断)線維腺腫⇒(術後病理診断)良性葉状腫瘍などとなることも多いです。
それで、画像診断で「葉状腫瘍」を疑う場合には(例え)術前組織診で「線維腺腫」と診断されても、「葉状腫瘍の可能性を疑う」センスが必要となります。
fibroepithelial tumorの診断図
①線維腺腫 ②良性葉状腫瘍 ⇒ ③境界悪性葉状腫瘍 ⇒ ④悪性葉状腫瘍
例えば術前組織診で②と診断された場合には(術後に)③と診断される可能性を考えた手術を選択すべきだし、同様に術前③と診断されても④であってもいいようにすべきなのです。
注 2 )『診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ)』の中の『組織診断』を参照のこと
≪線維腺腫の画像≫ ここは「葉状腫瘍」の場ですが、葉状腫瘍を理解するためには「線維腺腫との比較」は必須です。
典型的な線維腺腫
扁平、所謂「碁石」状
これも線維腺腫
≪葉状腫瘍の実際 グレードから読み解く≫
良性1
病理 phyllodes tumor, benign
46mm
細胞密度はさほど高くありません。
核の異型は乏しく
核分裂像を示す間質細胞は目立ちません(<5/10 HPF )
浸潤性増殖像は認められません。
良性2
病理 phyllodes tumor, benign
15mm
stromal component:
stromal cellularity low
nuclear atypia of stromal cell mild
pleomorphism of stromal cells –
number of mitotic figures, < 5/10 HPF
stromal overgrowth –
invasive growth of stromal cells –
境界悪性1
病理 phyllodes tumor, borderline
30mm
間質細胞の増殖は均一ですがやや強い
核分裂像+ 3/20HPF程度
margin invasive 注 3 )
境界悪性2
病理 phyllodes tumor, borderline
40mm
間質細胞の細胞分裂像は少なく(< 5/10HPF)
間質細胞の正常乳腺への浸潤性増殖が見られる。 注 4 )
注 3 ) 注 4 ) 間質の「浸潤性増殖」が境界悪性葉状腫瘍の条件と言えます。
悪性
phyllodes tumor, malignant
65mm
紡錘形細胞(間質細胞)は核腫大、多核 分裂像も観察
浸潤性増殖も認めるため悪性と判定
葉状腫瘍のグレード
まずポイントは「浸潤性増殖」です。
これがあると「境界悪性以上」となります。
癌は基本的に「浸潤性増殖(周囲の組織に浸潤しながら大きくなる)」ですが、その他の腫瘍(良性)は基本的に「圧排性増殖(周囲を圧排しながら大きくなる)」となります。
「核異型」や「核分裂像」が高度となると「悪性」となります。
≪葉状腫瘍の治療≫
・(初回)手術が全て
初回手術で不完全な手術を行い再発すると、とても厄介な存在(グレードが上がり、再発を繰り返す)であることは有名
・放射線も抗がん剤も効きません。
★ とにかく、(術前診断よりも「一つ上の」グレードを意識した)十分なマージンをつけた手術が必要なのです。