◎乳腺にできる悪性腫瘍の殆どは乳癌です。
但し、非常に低頻度ではありますが、以下のものがありますので、ここで紹介します。
悪性葉状腫瘍
(乳腺悪性腫瘍に占める頻度:0.04%~0.5%程度)
増殖及び(周囲組織への)浸潤傾向が強い
皮膚への圧迫及び浸潤により「皮膚所見を伴う」ことも多い。
葉状腫瘍はfibroepithelial tumorであり、「良性」~「境界悪性」~「悪性」までグレードがある。
葉状腫瘍については「別枠」であらためて取り上げます。
血管肉腫
(頻度は全体で0.05%程度)
以下の2つに分けられる。
①原発性血管肉腫
頻度は0.0005%と極めて稀
何の誘因もなく発生するものをいう
②続発性血管肉腫
頻度は0.05~0.16%と稀ではあるが①よりは多い
乳癌(温存)術後の放射線照射が誘因と考えられる。
※近年、乳癌温存術の普及とともに報告が増加している。
実際に私が遭遇した症例
放射線照射歴(乳癌温存術後)あり
皮膚所見が特徴(診断はつきずらい)
同症例のCT画像
血管腫だけあって、血流豊富(造影効果強い)
悪性リンパ腫
(頻度は文献的には0.5%弱)
但し、乳癌症例の急速な増加に伴い(相対的に)頻度は、もっと下がっている。
*治療は悪性リンパ腫に準ずる。
case. 1 当院症例
diffuse large B cell lymphoma
MMG
US
腫瘍は比較的「境界明瞭」
しかし多結節、血流豊富
当初は「葉状腫瘍?」
CELEROにて診断
腫瘍内科へ転科、化学療法(CHOP)にて完全緩解
case 2 男性の(進行した)悪性リンパ腫