今朝のmusic time lineは2010でした。
AKB48のことをやっていましたが、今日は涼しいですね?
皆さんの地元では如何でしょう?
「乳プラ改変スレッド」
最近、目についたのは「病理レポートの解説」です。
たしかに、「針生検の結果」とか(術後の)「病理レポート」を見て(よくわからず)『ここに記載してある内容はなんだろう?』がきっかけで、ネットで検索し始めるパターンもありそうですね。(貴重な情報ありがとうございます)
次回のコラムには、病理レポートの実例を解説することにしました。そして、それは来る「改変乳プラ」のどこかに収めることにします。
そんな「改変乳プラ」に入れたいのが、(今回取り上げる)「転移と(自覚)症状」についてなのです。
〇 本編
『8812 首のいたみ』を回答していて…
何か症状があると、『これって転移?』という発想となる心情は理解できます。
実際には(骨転移以外には)転移による症状はありません。
「乳プラ改変」にあたって、コラムで断片的に記載していたことを、ここでまとめて、いずれ『間違いやすい症状「あるある」(仮称:名称としては平凡?)』にいれようと思います。
「あるあるQ]との棲み分けについては悩むところですが、QandAをしようとしない限り「あるあるQ]は見ないような気がするので、「勘違いしやすい症状」として独立してもいいかな?と思っているところです。
『8817 局所再発?』を回答していて…
質問者
『右側の首や鎖骨の違和感が凄くあるのですが、これはリンパがしこりで妨げられているせいなのでしょうか?』
このような『リンパ節転移に症状があるのでは?』という勘違いが、世の中に横行しています。
その勘違いを解消すべく、このコラムがあるのです。
「リンパ節転移(リンパ行性転移)」
リンパ節転移には症状は一切ありません。
勘違い「あるある」
1.鎖骨のあたりが痛い⇒鎖骨下リンパ節(レベル3)に転移?
勿論、鎖骨下リンパ節転移に症状は「全く」ありません。
ほぼ100%「乳癌告知によるストレス、(もしくは)もともと更年期により」⇒卵巣が不安定⇒ホルモンによる刺激症状
2.脇が痛い⇒腋窩リンパ節(レベル1)に転移?
勿論、腋窩リンパ節転移にも症状は「全く」ありません。
ほぼ100%(1同様に)卵巣からのホルモン刺激による「腋窩副乳」の症状です。
3.胸の真ん中(胸骨周り)が痛い⇒胸骨傍リンパ節に転移?
勿論、胸骨傍リンパ節転移にも症状は「全く」ありません。
やはり上記同様なのです。
「遠隔転移(血行性転移)」
遠隔臓器については、『今週のコラム153回目 喉がイガイガするとか咳が出る→それは風邪です。』で解説しています。
(上記コラムと一部、重複しますが)
勘違い「あるある」
4.喉がイガイガする 咳がでる。⇒肺転移?
これは100%違います。
肺転移は全く症状がありません。
正直、「これって、一つ一つも大きいし、数も多いな!」という画像所見でも「全く無症状」なのです。
肺転移が見つかる「きっかけ」の殆どが腫瘍マーカーや(たまたま撮影した)胸部レントゲンです。
★ 肺転移が進行して広範囲な癌性胸膜炎となると「体動時の咳」とか「息切れ」が出ますが、(通常の診療を受けている限り)症状が出る前に腫瘍マーカーなどで見つかる方が「遥かに」先なのです。
5.抗がん剤中の肝機能障害⇒肝転移?
これも違います。
肝転移で肝機能障害は殆ど起こりません。
それに比べると抗がん剤で肝機能障害が起こる頻度は圧倒的に高い!
肝転移が見つかる「きっかけ」も、また腫瘍マーカーや(偶然撮影した)画像となります。
6.頭痛⇒脳転移?
脳は(そもそも)脳血管バリアで守られた臓器です。
なので脳転移は(骨、肺、肝など)血行性転移が成立して、それが(薬物療法で制御できなくなり)その関門を癌細胞が破壊して初めて成立するので、いきなり「脳転移」ということは殆どありません。
脳転移は脳の占拠性病変となるので、ある特定の「脳機能障害」となるので頭痛は起きません。
頭痛は「癌性髄膜炎」となると生じますが、初発で「いきなり」それを心配する必要はないのです。
7.手術した傷の下の肋骨のあたりの痛み⇒肋骨転移?
骨転移は「そもそも」血行性転移なので、一度血管に入って体をめぐってから成立するので「(もと腫瘍が存在していた)局所の近くに骨転移」という発想は止めましょう。
皮下の血管が炎症を起こし「血管炎(モンドール)」を起こしていることが殆どです。(血管炎は腕にも起こります)