[管理番号:8817]
性別:女性
年齢:38歳
病名:右乳がん
症状:腋窩しこり、首、鎖骨、二の腕の腫れぼったい感じ
投稿日:2020年8月18日
落ち着かない日々を過ごしています。
よろしくお願いいたします。
2017.10にセルフチェックで右乳房にしこりを、二つ見つけ、針生検で陰性。
その間徐々に大きくなってきたので2018.1月に再検査、エコーで
がんの可能性が高いとのことで総合病院へ転院。
針生検で粘液がんが発覚。
2018.3全摘手術。
術後病理検査
pt1 pn0 M0 st1A
ki67 15%
19mmと5mm(拡がり65mm)
リンパ節転移 0/4
ER + PgR + HER2 –
リンパ管侵襲 0
断端 陰性
2018.5よりタモキシフェン
2018.6よりリュープリン
2020.8
右脇(センチネルリンパの傷真下)を触ったらしこりを2つ確認目視でも右脇の腫れあり
二の腕、肩こり、首、鎖骨の違和感
手がピリピリするという症状あり
エコーの結果、元々あったが見えなかったがん細胞が2年半かけて大きくなったとの事(約1cm)
現在針生検結果待ちだが、ほぼがんとの事
CT予定
①現在も右側の首や鎖骨の違和感が凄くあるのですが、これはリンパがしこりで妨げられているせいなのでしょうか。
鎖骨、または全身転移の可能性もありますか。
②元々の取り残し?との事ですが、同じ粘液がんだった場合、治療はリンパ郭清・放射線・抗がん剤でしょうか。
また抗がん剤はどのようなものになりますか?
③粘液がんはホルモン療法が効きやすいとの事で再発にショックを受けています。
薬剤を変更する事もあるのでしょうか。
抗がん剤は効きにくいそうなのですが行うのでしょうか。
④2017年に針生検をし、陰性と言われてから約半年放置されていた状態でしたが、そのせいで散らばってしまったのでしょうか。
大人しいと言われている粘液がんですが、ちっとも大人しくなく、あとどれくらい生きられるのか不安でたまりません。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「2017.10にセルフチェックで右乳房にしこりを、二つ見つけ、針生検で陰性」
⇒さりげなく、書いてありますが…
自覚する腫瘍を針生検で外すなど、とんでもない事態!!(その医師には猛省していただきたい!)
「二の腕、肩こり、首、鎖骨の違和感
手がピリピリするという症状」
⇒これを「リンパ節転移などと結びつけていますか???」
1000%誤り。
間違いなく女性ホルモンによる刺激症状です。『今週のコラム111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』★を熟読ください!
ピタリと質問者に当てはまります。
ご安心を。
「①現在も右側の首や鎖骨の違和感が凄くあるのですが、これはリンパがしこりで妨げられているせいなのでしょうか。」
⇒リンパ節転移に症状は絶対にありません。
8月23日に掲載予定のコラムで取り上げることにしました。
上記★の通り、ホルモンによる症状です。
「鎖骨、または全身転移の可能性もありますか。」
⇒少なくとも症状とは10000%無関係
ご安心を。
「②元々の取り残し?との事ですが、同じ粘液がんだった場合、治療はリンパ郭清・放射線・抗がん剤でしょうか。」
⇒まずは「きちんと」リンパ節郭清することです。
それ以外の治療は、あくまでも術後病理で考えましょう。(節外浸潤している場合には放射線すべき、大人しければ抗がん剤は不要など)
「また抗がん剤はどのようなものになりますか?」「抗がん剤は効きにくいそうなのですが行うのでしょうか。」
⇒サブタイプに変化なければ(ルミナールAなら)抗がん剤は不要では?(術後病理で「個数」なども参考にして考えるべきことです)
「③粘液がんはホルモン療法が効きやすいとの事で再発にショックを受けています。
薬剤を変更する事もあるのでしょうか。」
⇒これは勘違い
「取り残しに対する効果を期待」してはいけません。
「④2017年に針生検をし、陰性と言われてから約半年放置されていた状態でしたが、そのせいで散らばってしまったのでしょうか。」
⇒それよりは、初回手術時のセンチネルリンパ節生検の精度の方が問題となるでしょう。