最近FMでテーマとして流れてくる話題に「元号」があります。
平成31年5月から新元号となることが確定したので、「平成を振り返る」話題がのぼり易いようです。
どうやら結論として(昭和は激動に対して)「平成は停滞」ということらしいです。
面白い事に、「同じ30年」でも昭和30年と昭和60年では街の風景が劇的に変わったのに対して、平成の30年間では「殆ど変わらない」という写真があるようです。
「なるほど!」そう言えば、何が変わったかなぁ?
私自身は子供のころに見たアニメは
「巨人の星」「タイガーマスク」「明日のジョー」
凄く、「昭和の香り」がしますね。
これらアニメの時代設定が、戦後の「復興」というよりも「混乱期」なのです。(当然、作者自身の体験記がベースにあるからでしょう)
巨人の星で登場する「ちゃぶ台」や「つぎ当てのズボン」
明日のジョーで登場する「戦後のバラック」
タイガーマスクで出てくる「貧乏や戦争孤児」
★昭和40年代、(もうすでに、そんな風景は無く)普通の時代でしたが、子供心に「ほんの少し(10年?)前には、そんな時代があったんだな。時代は変わる(良くなる)んだ。 これからの未来は(ドラえもんが描いているように)素晴らしくなるに違いない! 車が空を飛ぶのも時間の問題なんのだ!」そんなふうに(無意識に)感じていました
ただ、現実は?
平成の30年間で何が変わったのだろう?
「電話を持ち歩く」「ネットで繋がる」
確かに、これらは(子供の頃には)想像もしていなかったですが…
○西部警察の映像で石原裕次郎がオープンカーを運転しながら自動車電話をしている(良い子は真似をしてはいけません)姿に度肝を抜かれたものです
♯ ただ考えてみれば、それらの登場は平成のごく初期の話ですね?
一体、この30年は…
今回のテーマは「女性ホルモンによる刺激症状」です。
「お知らせ」で
『「生理と関係なく、胸や脇が痛い」方は、QandA「左胸と背中の痛み」をまずはご一読ください。』
と、アナウンスしていますが、その甲斐も無く(特に)「乳癌と診断された方達」が「転移と結び付けて」心配する傾向が止みません。
☆私が、今週のコラムでこのテーマを取り上げようと思った「直接のきっかけ」は、管理番号5829の「転移について」を読んだことでした。
心配している「症状」を紐解くと…
「首と肩の痛み」「体の異常なダルさ」「右肩甲骨付近が物凄く痛く」「右胸の痛み」「右胸のシクシクした痛みが続く」「1、2ヶ月は右鎖骨付近と右腕内側、右胸脇くらい、右肩甲骨付近と右肩に痛みやコリ」「右腕にこわばりみたいなものも感じていて、時々右脚付け根に痛み」
これを「骨転移」や「リンパ節転移」と結び付けていらっしゃいます。
実際は極めて「典型的」な「女性ホルモンによる刺激症状」なのです。
♯このQandAも5800!を超えました。 当然ながら「全て」を読んでいる人は「ごく少数」の「初期メンバー?」だけでしょう。(それ以外の閲覧者にとっては、見た事がなくても仕方が無いとも言えます)
ただ、それらの「QandAの達人」たちは、これらの症状についての記載が「非常にしばしば」登場していることは、お解りのことと思います。(私自身は何度も何度も回答した記憶があります)
QandAでよくあるパターンとして
「乳癌と診断」された人達は
(皆さん、以下のように感じるようです)
「そう言えば(この半年くらい)」
①「胸が時々痛かった(乳頭付近が痒いこともあります)」
②「脇に違和感」があり、「腕に痺れ」も感じる。
③「背中~肩甲骨にかけての痛み(違和感)」
④「鎖骨」のあたりから、頸にかけての違和感
以上は、30歳代後半となり「卵巣が徐々に(閉経へ向けて)不安定」となるとホルモン分泌が不安定となり、良く出てくる症状です。
(そもそも、年齢的に、上記のようなベースが有る上に)
更に「「乳がん(かもしれない)と診断された」という強いストレスが加わった方達には、それが顕著となるのです。
注意点1)20歳代や30歳代前半でも(環境が変わるなどして)ストレスが原因として起こることもある。
注意点2)これらの症状は、(もともと)規則的に「生理前」に起こっていた人も、「年齢的な影響」で「規則性を失う(生理が終わっても改善しない)」ようになるし、「一時的なストレス」が原因で症状が酷くなったりします。
○それでは、再度5829「転移について」の方の症状を見てみましょう。
「首と肩の痛み」⇒③と④に当て嵌まります。
「体の異常なダルさ」⇒これは一般的な更年期症状ですね。
「右肩甲骨付近が物凄く痛く」⇒③に当て嵌まります。
「右胸の痛み」「右胸のシクシクした痛みが続く」⇒①に当て嵌まります。
「1、2ヶ月は右鎖骨付近」⇒④に当て嵌まります。
「右腕内側、右胸脇くらい」⇒②に当て嵌まります。
「右肩甲骨付近と右肩に痛みやコリ」⇒③に当て嵌まります。
「右腕にこわばりみたい」⇒②に当て嵌まります。
☆これで解決しましたね。
大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。
◎ちなみに「5823 骨転移なのでしょうか」の方の症状を見てみると
「右の肩甲骨と背骨の間に弱い鈍痛」
「肩甲骨の間がヒリヒリした感じになりました。」
「腕全体もヒリヒリとした刺すような痛みが出てきて」
「肩甲骨、肩、乳房の間、脇腹、顎もヒリヒリ」
「両上腕部は、痛みが特に強い」
⇒もう、お解りですね?
いずれの症状も、「ピッタリ」当て嵌まります。
そろそろ、皆さんにも「デジャブ」のようになってきましたね?