今年も来ました「クリスマス(イブ)」
まぁ、皆さん。歳を経ていく中で(笑)様々な「想い出」を浮かべていることでしょう。
山下達郎 「クリスマスイブ」
不滅の定番ソングです。
1988 JR東海「ホームタウンエクスプレスX’mass編」
♯1983年にリリースされた、この曲を伝説にしたCMです。(翌1989年、発売から6年6カ月を経て、この曲はオリコンNo1となったのです)
○ただ私の記憶では(その年の)「深津絵里」ではなく、その翌年のverである「牧瀬里穂」の方が印象に残っています。
当時、大学生の私は(世の中を覆うバブルの空気感の中)感情移入したものです。
そして、この曲を聴くといつも思い出すのは…
当時、タモリがやっていた「ボキャブラ天国」
「♪兄は夜更けすぎ~に~雪絵と変わるだろ~」
注)「おかま」だということです。(テレビでは、その映像が流れていました)
歳を取ると「昔話が多い」皆さん。自覚してますか(笑)
時々、私は思索します。
世の中、「生きとし生けるもの」が種の保存のために存在するとしたら(「種の保存」は目的ではなく、「生物として生き延びた結果」というのが正しいように思いますが…)
文明を得て、人類が(生殖可能年齢よりも)遥かに長寿するようになって「老人」は「何を支えに」して生きていけるのか?
この回答の一つが「過去の記憶」なのでしょう。
(老人は)現実に「衰えいく体力と知力」を突き付けられて、(普通なら)「嫌になる」のではないか?
「昔の(楽しく、そして颯爽とした)記憶」
『昔のことは覚えているけど、昨日何食べたかも思い出せない』
人間は都合よくできているのです。
今の「ぱっとしない記憶」よりも(若いころの)「華やかな記憶」 その方がいいですよね?
FMから流れたshort story
お客 「おはようございます。社長さん、いらっしゃいますか?」
受付「申し訳ありません。社長はまだ出社しておりません。社長は午後から出社します。」
お客「えっ!(驚いて)この会社の社長は午前中は仕事をしないのかね?」
受付「いえ、違います。午前中は出社しないだけで、仕事をしないのは午後の方です。」
(前々回の110回目に行った)予告
★その意味では(隠れた)QandAの(もう一つの)主役は、「granulomatous mastitis(肉芽腫性乳腺炎)」と言えます。
次回のコラムでは(久しぶりに)登場します。
管理番号「5206」・乳癌について
私が実際に診療してきて(番号が最近であることからも、お解りだと思いますが現在、進行形です)感情を動かされたのです。
◎前回は(予告と異なり)急遽、「女性ホルモンによる刺激症状」に変更しました。(勘違いしている方が「あまりにも多い」ことに危機感を覚えたためです)
と、いうことで…
満を持して「granulomatous mastitis(肉芽腫性乳腺炎)」の登場です。
管理番号『 5206 乳癌について』
婦人科で「乳腺炎と言われ切開」されたところ、突然の「大きなシコリ」
(以下、実際のやりとり)
質問者「Q」で
「1年前の乳癌検査では、異常がなく突然大きなしこりが出来るという事は、進行性の乳癌なんでしょうか?心配で食事も喉を通りません。」
凄く心配されている様子が浮かびます。
私「A」で
「経過からは肉芽腫性乳腺炎では?」
ここで事態は動きます。
質問者は(紹介状を持って)近医(私立病院)を受診します。
ここで「針生検(おそらくバネ式)」をされています。
「膿が出たから膿を出してから細胞を採りましたよ」と言われています。
♯そこの医師も「膿が出た」のだから、その場で(質問者に対し)「どうやら炎症のようだ。癌ではなさそうだ。」と言えれば、質問者も安心しただろうに。
(現実は)
質問者「Q」で
「この状況は、乳癌確定なんでしょうか?心配で夜もまともに眠れません。」
と、(質問者の)不安が解消されないままなのです。
見かねて私は「A」で
「やはり「肉芽腫性乳腺炎」です。
「心配で夜もまともに眠れません。」
⇒ぐっすり眠ってください。
と、回答しました。
そして…
先日、細胞診?針生検?の結果が出ました。
結果は、乳癌でも肉芽種乳腺炎でもないとの事でした。
先生は、糖尿病からの細菌入ったと言うように聞こえました。
○結局、前医では(針生検までしたのに)「肉芽腫性乳腺炎」という診断にどうしても至らず(1000%、肉芽腫性乳腺炎を知らないのだと確信しています)質問者の心配は晴れないまま(悲)
質問者「Q」で
「先日の検査結果で乳癌でも肉芽種乳性腺炎でもないと言われましたが1ヶ月後ににエコー検査をしましょうという事は、どういうわけでしょうか?診断精度が悪く乳癌なのに良性と判断されてるのでは、ないかと不安」
☆一体質問者は「どの位の期間」自分は癌なのではないか?という不安と闘ってきたのでしょうか?(怒)
もしも、この医師が「肉芽腫性乳腺炎を知っていたら!」
全国で、全く同様な不安に曝されている現状が想像されるのです。(その後、当院を受診して、その不安から解放されている現状を知っているので歯がゆい思いなのです)
☆結局
質問者は「9月末にメディカルプラザ市川にて診察、マンモトーム」をして、
病理組織検査で(はっきりと)「glanulomatous mastitis(肉芽腫性乳腺炎)」と確定診断を得ています。
(この症例の)初診時
肉芽腫性乳腺炎の「治療開始」時としては、「かなり軽い状態」と言えます。
そしてステロイド開始(もともと、軽症だったので20mgという「比較的少量からの開始」となっています)
治療開始後、1カ月
(かなりの改善を認めます)
当然、減量
比較的急速に改善し、すでに「シコリは消失」して(勿論痛み等もありません)ステロイドのtaperingを開始しています。
◎典型的な「肉芽」の経過を、もうひとつ以下に(画像を)載せます。
胸全体が真っ赤な状態でした。
前医では(流石に年齢が10歳代なので)癌を疑われることはなかったようですが…
かなり心配させるような診療内容だったようです。
(ステロイド開始)ご両親は心配していましたが、「短期間」だとお話して安心してもらっています。
この時点では、何度か(自宅で)肉芽が解けてドロドロに溶けてでてきたりして、
ご両親は大変心配していました。
♯ このようにステロイド治療開始後「最初期」には一見病状が悪化して見え、心配される事も少なくありません(寧ろ「典型的」とさえ言えます)
。
改善傾向がでてきました。
まだ「時々痛い」という状況でした。
症状に著明な改善を認めました。
画像上も「改善」が確認できます。
初診~5カ月(前回、著明な改善を認め、受診を2 か月空けています)
ここで、ほぼ治癒と考えています。
3か月後、無治療で確認することとし、
「治癒」と判断、終診としました。
この間「8カ月」
ご両親も最初の3カ月は気が気で無かったようですが、あとの5カ月は安心していました。
♯ この症例では比較的短期間に改善していますが、一般的には(最初の状況にもよりますが)初診~終診まで1年前後かかることが多いです。
★ 肉芽腫性乳腺炎の(全国から集まってくるので)症例がかなりの数、貯まってきていますので、いずれ学会発表しようと思っています。
次の乳癌学会は「葉状腫瘍」ですので、(まだ未定ですが)「関東地方会 2018」が肉芽腫性乳腺炎の決戦の場となりそうです。(時間さえあれば「日本医師会雑誌」か何かに論文発表して、乳腺外科医以外にも啓蒙したいと思ってもいます。 しかも一石二鳥、論文投稿は学会発表以上に「専門医の更新」や「施設認定の更新」などにも役立ちます)
心配なのは(肉芽腫性乳腺炎を知らないであろう)学会発表の審査員に『肉芽腫性乳腺炎? なんだそりゃ?』と、(誤った理由で)「落とされる!」という不条理な事態です。(「無知」とは… 恐ろしい事です)
(いざ、発表となれば) 叶う事なら、再度「有○の怪人」と対戦し、「返り討ち」としたい!!(大変楽しみな事です。)