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今週のコラム 62回目「乳管腺葉区域切除を施行した37症例中37例(100%)で有意義な治療だったと、私は自負しています

「パワースーツ」

身につけると、(日常から離れ)自分が強く感じられる

それは私にとっては(白衣でも、術衣でもなく)ジャージです。

 

よく「ランナーズ ハイ」と言いますが、ランニング中のその高揚感は特別なものです。

夜、暗い道を全力で走っていると、「もしも、こんな暗がりで犯罪現場に出くわしたら…」なんて考えることがあります。

 

そしたら迷わず、「おい、やめろ。」と犯罪者に飛びかかるだろうと想像します。(幸い? そんな機会は今までありませんでしたが…)

普段は正義感に溢れているとは言えない(極めて平凡な)私ですが、「ランニング中の私は特別」なのです。

 

 

たまにランニング帰りに市川駅内の「シャポー」にそのジャージ姿のまま、買い物に入ることがあります。

そんな時、ジャージに身を包んだ私にとって怖いものは一切ありません。「何でも来い!」と(まるで守護神のように)強い自分となっています。(そもそも「シャポー」内に怖い人などいませんが…)

 

 

年末から続いた「2016年まとめ」シリーズ、第4段「乳管腺葉区域切除」です。

2016年1年間で乳管腺葉区域切除は37症例でした。

 

病理結果     良性   異型   癌

        (26例) (4例) (7例)

年齢(中央値)  42歳  52.5歳  46

血性分泌率    52%   33%            71%

超音波有所見率  56%   25%            57% 

♯癌の71%は血性分泌でしたが、(逆に言えば)血性分泌20症例の内15例(75%)は癌ではなかったことも追記させてください。(血性分泌=癌ではないのです)

 

癌の確率は37症例中7例(19%)ですが、実際は「異型」病巣もいずれは癌になる可能性が高いと考えれば37症例中11例(30%)が、早期発見の機会を得たということです。

 

○そして、何より「得体の知れない恐怖感から解放された事」その意味では「乳管腺葉区域切除を施行した37症例中37例(100%)で有意義な治療だったと、私は自負しています

 

最後に癌であった7症例の内訳を紹介しましょう。

非浸潤癌が3例、微小浸潤が1例、浸潤癌は3例でした。

そして浸潤癌の3症例中2症例はpT1b(浸潤径10mm以下)であること、全ての症例でリンパ節転移無でステージ1でした。