今日から新年度。
「来年から1年生だ!」
何が待っているのか解らない、それをワクワクとしか感じなかった子供時代。
子供は大人になるにつれて、いつしかそれは(ワクワクというより)不安となり…
大学卒業の頃を思い出します。
「あー、もうこんな長期休み。働き始めたら無くなるんだよなー。これが最後の春休みか。」
世間とは異なり長い大学生活(6年 注:私が留年したわけではなく医学部はそもそも6年なのです)に毒された私には(学生時代の終焉は)少なからぬ不安だったのです。
ただ、働き続けていると、それも当たり前となり、そして今年もそうですが、「(4月だからといっても)何も変わらない」私にとっても「新年度」は、何かワクワクの空気感を肌で感じます。
○お気に入りのFM番組が終わる寂しさは辛いですが、(その一方で)新しい「お気に入り」が始まるかも! そんな期待もあるのです。
FMから流れたshort story
「ねー。ママ―、ママ―。」
「ジョージ、結婚式なのだから静かにしなさい。」
「ねー、どうして、あの女の人は白い格好してるの?」
「それはね、ジョージ。人生で最も幸せな時には真っ白な衣装を着るものなのよ。」
「ねー、じゃーどうして隣の男の人は黒い服なの?」
輸血
最近、こんなことがありました。
(看護師から聞いた話で、私はその場にはいませんでしたが…)
Aさん「知り合いが(手術の際に)輸血したら、(その後)それが原因となり肝癌になって亡くなったので、私この輸血の同意書は書きたくない。」
看護師「書かなくては、手術できないよ。書いてください。」
Aさん「でも… 輸血の話なんて(先生に)されていないし…」
看護師「大丈夫よ。 乳癌の手術では 『ほぼ、ほぼ』 輸血なんてしないから。」
(そのような流れで)、結局その「輸血の同意書」なるものにサインをしたようです。
★当院の手術時の同意書の中には『輸血の同意書(想定外の出血があったら、輸血をしますよ)』なるものがあります。
私自身に選択権があれば、そんなものは100%不要なので書かせないのですが…(病院の方針として「科の例外なく」揃ってないと、手術場に入れない規則になっているのです)
ちなみに、私は4000?くらい乳癌の手術してますが(勿論)一度も輸血をしたこともないし「輸血しようかな?」なんて考えたこともありません。
「輸血するの?」なんて疑われる事自体、極めて心外だし、
「私を信用できないなら、うち(当院)で手術する必要はない。どうぞ他(の病院)で手術してください。」などと(つい憤慨して)言ってしまいます。
つい最近もバイアスピリン内服のまま、手術(levelⅢまで郭清するような結構な症例でしたが)しましたが、「出血のしゅの字」もありませんでした。
◎今回の、この件で(私が)ひそかに不満に思ったのは、(患者さんの不安な発言ではなく)看護師の「ほぼ、ほぼ無い」という発言でした。
そこは『絶対に』無い。 と言って欲しかった。
「輸血は絶対に無いから。大丈夫。 信頼して大丈夫よ。 それは(あくまでも)決まりだから書くだけよ。」 こう言ってもらいたかったのです。(私が江戸川に赴任して4年過ぎ、スタッフにも絶対の信頼を得ていると思っていたのに…)
40歳を過ぎてからの「線維腺腫」
かつては、「それは、おかしい。そんなこと(40歳を過ぎてから線維腺腫ができること)は普通はない。(線維腺腫に見えるけど)実は癌ではないか?」と疑うべき。と言われていました。
果たして、それは正しいのか?
答えは「Yes」ともいえ、「No」とも言えます。
重要な要素は2つあります。
1.本当に、40歳を過ぎてからできたのか?(実は昔からあったけど「見逃されていた」だけでは?)
・マンモグラフィーでは(特に)30歳代では高濃度だから線維腺腫は(あっても)写らない。
・エコーをしていたとしても… エコーは見逃しが多い(術者によって精度は雲泥)
2.閉経年齢の上昇
これが、実は「かなり明確」です。
私が乳腺外科医となった20年前には「40歳代後半=閉経」でしたが、今では「50歳では殆どが閉経ではない」ことは、明らかです。(私が診療をしていての印象は閉経年齢=53歳前後)
つまり、「今の40歳=(ホルモン的には)昔の30歳代前半」と考えるべきなのです。
♯そういう意味では現在では、(「40歳を過ぎて線維腺腫はおかしい」ではなく)「50歳を過ぎてからの線維腺腫はおかしい」と変更した方がいいでしょう。
実例を挙げてみましょう。
①44歳女性 「1年前にUSで異常無しだったのに、今年はじめて線維腺腫疑い」
②52歳女性 (検診自体数年前だが)「はじめて線維腺腫疑い」
③40歳女性 「1年前、US異常無、今年初めてシコリ指摘」
④40歳女性 「③とほとんど同じ」
⑤41歳女性 (USしたことあるが)「今回、初めての検診で線維腺腫疑い」
★いくつか実例を挙げてみました。
「40歳ではじめて指摘された(画像上)線維腺腫」それは、やはり(組織診しても)線維腺腫だったのです。