乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ

みなさん。こんにちは。

今朝、am5:00

走っていると、陽が高くなっていることを如実に実感します。

「ちょっと、前まで真っ暗な中を走ってたのに…」

今日なんて、江戸川の河原沿いの歩道には、散歩の大人達が溢れていました。

「この(散歩している)人達は、冬の間は(散歩を)どうしてたんだろうか?」

「寒いから散歩をしていなかったのか?(それとも)陽が昇るのを待ってから散歩していたのか?」

そんなことを瞑想しながら季節を感じた1日のスタートでした。

 

FMから流れたshort story

「お客様、そのジャケットどうですか? お似合いですよ。」

「うん。デザインも、色もいいんだ。ただ、ちょっときついかな。」

「えっ、肩周りですか? それとも胸回り?」

「いやっ、(そこは)ちょうど、いいよ。」

「それでは、ウエストですか?」

「いや、ウエストは余裕があるね。」

「それでは?どこがきついんですか?」

「予算がね…」

 

 

つい先日のQ「管理番号 6243 全摘しかないのでしょうか」で回答したように、画像所見(石灰化など)と分泌所見(mono discharge 単孔性分泌)の両方が有るケースの「診療の実際」について取り上げます。

 

これは実際にQandA管理番号「5476 血性乳頭分泌には乳管造影か?マンモトームか?(石灰化あり)」で相談いただいた閲覧者がどのような診療をしたのか?

★よくあるドラマのエンディング(本当に知りたいのは「その後どうなったのか?」なんだよ。的な見方もできます。

 

管理番号5476については、実際のメール内容をまずご一読ください。

 

かいつまんでお話しすると

AさんはH26から石灰化を指摘(結局H29.1月までは変化なし)

H29.9 突然の(同側からの)血性乳頭分泌

ここでAさんは再診しMRIを撮影した上で(何のため??)結局(3年間変化の無かった筈の)石灰化に対して(前医にて)ST-MMTをすることとなったのです。

 

2018/9月下旬 ST-MMT(前医)施行

○病理結果 atypical ductal lesion

異型上皮細胞が増生 内部には一部筋上皮細胞が不明な部分あり

針生検なので病変の拡がりが不明なこともあり、確定は困難

(病理医のrecommend) できればexcisional biopsyをお願いします。

 

この病理結果をもって、その(前医の)主治医は「3カ月毎の経過観察」としています。

この時点ではQandA(5476参照)で

Aさん

「このままでいいのでしょうか?外科的生検しなくてもいいの? 血性分泌との関係は?」

「異型上皮(ADH)相当なので、このまま経過観察は勧めません。」

「石灰化と血性単孔性乳頭分泌(mono bloody nipple discharge)の関係は(この時点で私は画像など全く見ていませんが)確率的にいって、同一病変と思います。」

 

★病態の理解としては乳管内に増殖性病変(おそらく癌)が発生して、それが乳管内を増殖拡がる過程で石灰化を起こし、かつ出血して血性分泌を起こしていると考えるべきです。

(ST-MMT後もbloody nipple dischargeが継続していることから、病変の拡がりの中でその主治医がターゲットとした石灰化部分と血性分泌の原因となっている病巣は同一では無いと理解できます)

 

そこで私は提案します。

「まずは、(市川で)乳管造影しましょう。」

○その上で「その分泌乳管の走行」が「石灰化の分布」と一致していれば、「石灰化と血性分泌の原因病巣は同一のもの」と断定することができ、その場合には「その分泌乳管を乳管腺葉区域切除で一網打尽(当然、その中には石灰化を起こしている病巣も含まれる筈」にすることで、『理想的な綺麗な診断』となります。

 

 

 

皆さん。ここまでがQandAの内容でした。

その後、秘書メールを介して市川(メディカルプラザ市川駅)の予約をして、ここからが「その後の実際のストーリー」です。

 

 

 

 

 

2018/12月某日 市川にて

Aさん

「よろしくお願いします。わー、写真より実物の方が素敵!(注:冗談です。久しぶりに「お約束」です)」

「解りました。前医での診療内容は完全にQandAで了解しています。」

「まずは、分泌がどの程度なのか見せてください。」

 

絞ると、「単孔性、血性分泌」量も結構あります。

「これは、(乳管内病変だと)間違いないと思います。絞った時の出る勢いで(私には)だいたい解ります。」

「乳管造影しましょう。」

Aさん

「お願いします。」

 

乳管造影

DSC_0176

まずは、目薬です。(市川にもメディカル12は常備しています)

これで(しょぼしょぼした瞳にも)力が宿ります。(乳管造影は目が疲れるのです)

更に、光源。ライトを点けてスタンバイです。

 

 

 

「少し、痛いですよ」

DSC_0116

乳頭を左手で把持し、出てくる乳管を同定し細い針金(涙管ブジー)を挿入します。

「結構、太い(拡張している)な。」

細いブジー(0番)から徐々に太いタイプ(⇒1番⇒2番)へ入れ替えて拡張していくのです。

「よし、このくらいで十分だろう。」

 

 

 

「造影剤入れますね。」

DSC_0118

 

造影剤が入ったあと、レントゲン室へ移動し造影マンモグラフィーを撮影します。

 

 

 

 

 

 

 

乳管造影フィルムを見ながら

(ブジーの方向から予想していましたが)「やはり、乳管の方向は石灰化の位置とピタリ一致しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

Aさん(写真を見ながら)

「そうですね。よく解ります。」

「これで方針が決まりました。 乳管腺葉区域切除を行いましょう。Atypiaが(前医での石灰化に対するST-MMTで)すでに出ているので、癌を想定して、すこしマージンをつけた手術を行います。」

Aさん

「わかりました。お願いします。

 

江戸川病院」 手術当日

(手術を終えて、ベッドサイドで)

「予定通りの手術でした。摘出した標本はレントゲンで確認して石灰化も確認しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

Aさん

「よかった。ありがとうございます。 傷が少し痛くて突っ張る感じがするので痛み止め使いました。 私関西方面なんですけど、明日帰れますか?」

「勿論です。問題ありません。今は痛いでしょうけど、寝る前にはかなり落ち着くし、明日の朝には痛み止めを飲むか飲まないかどうかになります。」

 

(翌朝)

「痛み、どうですか?テープ取り替えますね。」

Aさん

「先生が言った通りでした。痛くありません。」

「テープ貼ってますけど、テープで留めている訳ではありません。あくまでも吸収糸(半年間で溶ける糸)で中縫いしているので傷は絶対に開きません。テープはあくまでも保護のためです。」

「今は吸収糸で皮膚を閉鎖しているだけだから、湯船に入れば隙間から水が入るでしょう。だから2日間は濡らさないでください。2日すると(糸で寄せられていた)皮膚どうしが完全に密着して閉鎖します。だから今日明日は濡らさずに明後日から入浴してOKです。」

Aさん

「明後日から湯船に入れるの? テープはどうするの?防水シート貼るの?消毒は?」

「いえ、いえ。 皮膚は閉鎖してテープで保護しているので消毒は一切不要です。明後日には皮膚は閉鎖するので防水シートも不要です。テープのまま入浴してください。紙だから(濡れているうちに)自然と剥がれます。それでいいのです。」

 

後日(4週間後)外来にて(ちなみに当院ではどの術式でも処置で通院することはありません)

「(術後)初回だから、創部を見せてもらいますね。脱がなくてもいいので(創部が見えるように)服を上げて見せてください。」

(創部を確認し)「OKです。問題なく治癒しています。それでは病理結果をお話ししましょう。

Aさん

「ドキドキするわ。」

「やはり癌でした。ただ幸いに非浸潤癌(しかもlow grade)でした。

病変の拡がりは乳管沿いに40mm以上ありましたが、(少しマージンを付けている分)断端に問題ありません。

ガイドライン上、放射線照射の適応はありますが、(私個人的には)不要。無治療でいいでしょう。」

Aさん

「よかったー。」

皆さん。どうでした?

フィクションではありません。

実際の(QandAの)「その後のstory」

物語には、いつも「続き」があるのです。