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今週のコラム 246回目 診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ)vol. 1 画像診断 vol. 2組織診断

music time line 今朝は「2005」でした。

15年前

Mr.Childrenが特集されていました。

私にとってのbestは「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」 ですね。(「CROSS ROAD 」は鉄板だけど…)

「いつだって君は曖昧なリアクションさ 友人の評価はいまいちでも、She So Cute ヤェーイ ヤェーイ ヤェーーイ♫」

誰だって経験したことのある「ちょっぴり」苦い思い。だけど胸躍る、そんな記憶があるから人生面白い。

 

皆さんの、「Mr. Children」ベストをその背景を含めて募集しています!(本物のDJみたい (笑)

 

 

最後にケツメイシ. さくら 「さくら舞い散る中に忘れた記憶と 君の声が戻ってくる吹き止まない春の風 あの頃のままで♪」

これが2005 年間2位だったそうです。

「さくら」と言えば、(私的には)「粉雪」(何故?)

 

2005 11月にはレミオロメンの粉雪が出ています。(今回2005には、触れられず)

(いずれ、とりあげられるであろう)「2006」 きっと、レミオロメンが特集されることを願っています!

 

 

〇 本編

「乳プラ改変」にむけて…

244, 245では「再発」を取り上げましたが、今回は「診断」がテーマです。

トップページには「入口」がいくつかあります。(今は未だ、想像上ですが…)

その一つが

診断(検診で「何かある?」と言われた方、「これって、しこり?」と感じた方へ)  ♯「入口の一つ」です。

♯このページ内には、以下の記載

・診断の流れは「画像診断」⇒(癌を否定しきれない場合には)「組織診断」へと進みます。

・ここでは上記「画像診断」「組織診断」の他に、(疾患の紹介として)「乳癌」「乳癌以外の悪性腫瘍」「良性疾患」を紹介します。

 

♯ここから、「画像診断」「組織診断」「乳癌」「乳癌以外の悪性腫瘍」「良性疾患」それぞれのページのタブをクリックすると、それぞれのページに行く。

 

本日は、ここから「画像診断」「組織診断」を紹介します。

 

 

★ 検診カテゴリー

その前に 検診でのカテゴリーについて触れます。

カテゴリー1 正常 カテゴリー2 良性  これらを気にする必要はありません

カテゴリー3 良性を考える所見(これ以上が「要精査」の対象となります)

カテゴリー4 癌の可能性を考える~癌の疑いまで(結構幅広い) 下記に、詳細します。

カテゴリー5 「ほぼ」癌だろうという所見 感覚的には(少なくとも)90%以上癌となります。

 

★★ カテゴリー4の詳細

①エコーでカテゴリー4

大概の腫瘤はエコーではカテゴリー3となりますが、敢えて「エコーでカテゴリー4」をつけるからには、何か「疑わしき+α」があるのです。

その殆どは「境界が不明瞭、もしくは形状が不整」であり、癌の可能性が著しく高まります。

②マンモでカテゴリー4腫瘤

この場合は(エコーとは)随分印象が異なります。

(エコーとは異なり)本来3でもいいような所見が結構4に入ってくるのです。

その理由は「エコーは質的診断」であるのに対し「マンモは(あくまでも)存在診断」であるからです。

結果、(エコーでのカテゴリー4と比較すると)良性の可能性が結構あります。

★ 因みに石灰化カテゴリー4はエコーと同程度の「癌の疑わしさ」となります。(理由は石灰化だけはマンモが質的診断に近いからです)

③構築の乱れ カテゴリー4

これは、本当に「ピンキリ」です。

何故、こうなるかというとマンモグラフィーは「立体的なものを潰して撮影」することが原因です。

つまり、「伸展不良」などがあると、(正常なのに)そこが「歪んで見える」こともザラだからです。

勿論「時々」本物もありますが…

 

● 画像診断

乳腺疾患の基本は「触診」「エコー」「マンモグラフィー」となります。

この中で中心的役割を担うのは「エコー」です。

触診やマンモで「何かある?」と判断(存在診断といいます)したら、(それは)「エコー」で「それは何なのか?(質的診断といいます)」で、診断されます。

この時点での診断を(分かりやすく)「一次診断」と名付けます。

これで良性疾患(「診断」の中にある「良性疾患」をご参照ください)と診断されれば、(一次診断で)終了(安心)

≪エコー≫

 

画像診断としては、最も気軽(侵襲なく、被爆もない)

ただし、術者の技量による「差」が最も大きいmodalityです。

 

 

≪ABUS≫

 

Automated Breast Ultrasound Systemの略です。

エコーの「術者の技量の差による違い」を克服するために開発されました。

江戸川病院でも導入され「スクリーニング」として用いています。

 

≪マンモグラフィー≫

 

乳がん検診といえば、真っ先に思い浮かべる検査かもしれませんね。

「誰が検査しても同じ」という点では、優れているとは言えますが、

「存在診断」としても「質的診断」としてもエコーには数段劣ります。

ただ、唯一「石灰化」だけは「マンモグラフィーの専売特許」と言えます。

 

≪MRI≫

 

誤った使い方が「されがち」な検査であり、注意が必要です。

正しくは、以下の2つの目的で使用されます。

 

1.(乳癌の診断が確定した後の)病変の「拡がり」診断

2. 病変が(本当に)無いかどうか?の「存在」診断

 

MRIの「誤った」使われ方とは?

 

 

 

(癌なのかどうか?という)質的診断で用いる医師がいますが、100%誤りです。

「癌なのかどうか?」は必ず「組織診断」を用いなくてはいけません。

 

今週のコラム 56回目 超音波で異常所見があるのに、MRIで異常がないから大丈夫。など、とんでもない診療です。

をご参照ください

今週のコラム 72回目 何故、そんな病院(江戸川)で手術するの? うち(海沿い病院)で手術してあげるよ!

のcase 2をご参照ください

 

≪乳管造影≫

単孔性の分泌に対して、その分泌乳管の中に「乳管内病変があるのか?」調べる検査です。

 

分泌している(その)乳管を針金(ブジ―)で広げます。

(細い径⇒だんだん太い径)

 

 

 

(ブジ―で広げた)乳管に造影剤を注入します。

 

 

 

 

 

 

(造影剤を入れた後)マンモグラフィーで撮影します。

 

 

 

 

 

 

 

 

画像診断で判断しきれなかった場合は?

 

 

 

その場合には「組織診断」へ進みます。(これを解りやすく「二次診断」と名付けます)

二次診断は(本来)確定診断となります。注 1 ) 

 

注 1 ) ここでは「100%確定診断」と言い切れる技術を持つ医師を選ぶことが重要

稚拙な手技による誤診(癌なのに良性と診断されてしまう)は、日常的に見受けられます。(「診断」の中にある「組織診断」をご参照ください)

 

 

● 組織診断

ここでは(画像診断で決着がつかなかった場合の)二次診断としての位置づけとなります。

「経験」による「技量」により(医師によって)大変な差が出る検査であることに注意が必要

最初に提示する「細胞診」は(差が出る)最たるものであり、それ故(時に)悲劇が生じます。

≪細胞診≫

 

これは、(単純に)注射器と注射針です。

針が細いので出血せずに、「最も」簡便で低侵襲な検査

 

 

何故、技量に差がでる(難しい検査)なの?

 

 

 

これだけが(全自動ではなく)完全手動の検査であるからなんだ。

「しこり」に針を刺しただけでは「細胞」は採れず、簡単に「検体不良」となってしまう。

この細胞診を極めるには、「しこり」の中心に針を入れる「精度」がまずは必要

更に、その「しこり」の中で(自ら)針をグリグリ回しながら「上下左右」に動かす(まさに手動)必要がある。

これが(慣れないと)結構難しい。

細胞診で「検体不良」となる最大の要因は(中心部を正確にさせない)「精度」と(針を上手く動かせない)「手動の技術」なのです。

今週のコラム 104回目 バネ式針生検の登場は、(あたかも全自動洗濯機の登場のように)現場を変えたのです。

をご参照ください

 

≪CNB core needle biopsy ≫

 

所謂「針生検」といえば、これのことを刺します。

バネ式で「ガシャン」と組織を採取するので(細胞診とは異なり)「猿」でもできます。

 

≪CELERO≫

 

CNBが「バネ式」だったのに対し、これは「吸引式」であることが異なる。

CNBより太い針で(尚且つ)「吸引圧」を用いて(組織を引き込みながら)採取するので,より「多くの」組織を採取できます。

 

≪MMTE≫

 

所謂「エコー(ガイド)下マンモトーム生検」です。

これは、CNB / CELEROとは異次元の組織採取量なので、「最強の組織診断device」の称号があります。

特に「腫瘤非形成性病変」注 2 )と言われる所見の確定診断には欠かせません。

注 2 ) 画像上、均質でない病変(病理学的にも均質ではない)

 

腫瘤非形成性病変

このような病変ではCNB/ CELEROでは確定診断とはなりません。

 

 

 

MMTEは、(強力な吸引圧で)この「病変全体を採取」できるので、

「腫瘤非形成性病変」に対する唯一の手技となります。

 

 

≪ST-MMT≫

 

石灰化に対する「唯一の」検査

マンモグラフィーで挟むことで「乳腺を固定」し、

(マンモグラフィー画像で)石灰化の位置を確認し、

(その位置を)コンピューターで計算し、その部位を採取します。

 

 

使い分けの実際

・ 鎖骨下リンパ節

筋肉の裏側、大血管の傍

こんな危ない位置にあるものは「細胞診」しかできません。

 

・ 均質なシコリ(特に良性を疑う場合)

 

これは「線維腺腫」ですが、CNBで十分です。

 

 

 

・ 均質なシコリ(癌や葉状腫瘍を疑い、CNBより「多くの」組織が必要な場合)

 

葉状腫瘍

葉状腫瘍は「より多くの」組織採取でグレード(良性・境界悪性・悪性)の参考とします。

 

 

・ 腫瘤非形成性病変

 

このような病変は「MMTE」でしか診断できません。

 

 

 

 

 

「組織診」の最後に

これら検査には術者による技術の差あり、そのことは常に意識すべきです。

 

以下、参照

細胞診

今週のコラム 105回目 「前医で細胞診良性」を信じられない私をご理解ください。  

をご参照ください。  

 

CNB

今週のコラム 72回目 何故、そんな病院(江戸川)で手術するの? うち(海沿い病院)で手術してあげるよ!

のcase 1をご参照ください

今週のコラム 106回目 「前医でCNB(バネ式)良性」を信じられない私をご理解ください。

をご参照ください

今週のコラム 208回目 「5mmと小さいから、上手くできないかも…」 そもそも、その発想に問題あり。『超音波で見えるものは、たとえ3mmでも100%確定診断しなさい』

の症例2をご参照ください

今週のコラム 229回目 『最初の一歩を間違わない』ために!

をご参照ください

 

ST-MMT

今週のコラム 203回目 難関症例のレベルが違うことに愕然とした3症例

をご参照ください