単孔性乳頭分泌が3か月以上継続している方
妊娠期以外は、かなり要注意の所見です。殆どが「腫瘍が原因」乳管内乳頭腫か乳癌です。
特に50歳以降であれば、
乳癌 >
乳管内乳頭腫(良性)と考えます。
腫瘍が超音波で見えない場合には「早期発見のこの上のないチャンス」です。
血性乳頭分泌
1.単孔性
乳癌は「一つ」の乳管細胞(乳管の壁の細胞)に(遺伝子エラーが起こり)癌細胞となり増殖したものです。
複数個所に「同時にエラーが起こり、複数個所に癌が発生する」可能性は限りなくゼロとなります。
2.分泌液の性状
①赤、黒、茶、黄色
乳管内病変で分泌が起こるのは腫瘍からの出血と黄色い分泌となります。
よって、「赤、黒、茶、黄色」だけとなります。
②ミルク
ミルクを分泌する癌はありません!
断乳後5,6年分泌が続くことも稀ではないし、授乳と無関係なミルク分泌は脳下垂体腫瘍(prolactinoma)であり乳癌とは無関係です。
③緑色、無色透明、オレンジ
これらは乳腺症に伴うものです。
3.継続性
乳管内腫瘍からの分泌は継続性であり一過性ではありません。
腫瘍は正常な構造ではないため「健康な細胞の傷と異なり、修復されず」出血が継続するのです。
血性分泌があると、心配のあまり「直ぐに受診する」人が多いですが、その分泌が『一過性なのか?継続するのか?まずは様子を見ましょう。』
乳頭分泌