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今週のコラム 348回目 Aさんの診療2(3部作)

6月中に梅雨明けしましたね!

ランナーにとっては(暑さも大変とはいえ)雨は大敵!

歓迎すべき夏の到来です。

 

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いつものマルエツではなく、市川シャポーで買ったヒレ

お客さんが来たので(本来の)ステーキとして食べました。

カレーに入れられたり、ラーメンに入れられたりするよりは(牛だけに)本望(モゥー!)だったのでは??

 

晴れた屋上で日焼けしまくっている私ですが…

そんな私の黒さを見た患者さんは、10年前までは「サーフィン焼け?」と聞かれること、しばしばでした。

しかし最近患者さんから「ゴルフでしょ?」などと言われました。

サーフィンとゴルフ。 まだまだ若いつもりの私ですが、10年の歳月は誤魔化せません。

 

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日曜日の午後

雨がパラパラする前に、急いで屋上ランチ

最近、いろいろビールを試しているのですが、現在トップはアサヒ生ビール「マルエフ」

このまろやかさが(昔の)MALTS(プレミアム出なかった頃)を彷彿させるのです。

 

〇 本編

 

先日(針生検の際に)お目にかかりました、内田です。

今日は、チームリーダーである私から(千葉君に替わって)お話しします。

まず、針生検の結果ですが…

(病理レポートを見ながら)浸潤性乳管癌、サブタイプはルミナールタイプ、つまりホルモン療法が効くタイプです。

更に、CT及び骨シンチグラムは異常無し。つまり遠隔転移無し

ただリンパ節転移があります。

 

 

(リンパ節転移に、がっがりしながら)ステージはどうなりますか?

 

 

 

CTでみると、鎖骨下まで4個以上腫れているからステージ3です。

治療としては抗がん剤となります。

 

 

 

えっ?

手術じゃなくて?

抗癌剤って脱毛とか副作用あるんですよね。

嫌だなぁ。

手術を先にして、その病理結果で(抗がん剤するかどうか?)相談しては駄目かしら?

 

 

(やや厳しいトーンで)手術先行はしません。

抗癌剤を先にやることで手術の侵襲を小さくすることが期待できるし、抗がん剤の効果も解ります。

そして、抗がん剤によって腫瘍が小さくなれば「温存手術」も可能かもしれませんよ。

 

 

私、全摘希望なんですけど…

抗癌剤って、絶対に効くわけじゃないでしょ?

癌を胸においたまま(効かないかもしれない)抗がん剤をやるよりも、手術お願いします!

 

 

駄目です。

うちの病院は毎週カンファレンスで症例を共有してます。

我々のグループだけではなく、乳腺外科全体での合意なのです。

方針に従えない様ならば、当院では治療しません。

(県内で最大規模の)当院で治療拒否したら、県内どこにも行けなくなりますよ。

 

 

U医師の最後の、この言葉に恐怖を感じ、

納得できないながらも、抗がん剤を始めることに同意したのでした。

 

 

しかし…

最初に行った抗がん剤(Aさんはanthracyclin系と説明を受けた 所謂EC療法)

吐き気,吐き気。

抗癌剤中の担当医である宮城医師(Uグループの後期研修医)に『副作用が酷くて続けられない。なんとか、手術に変更できないか?』と訴えるも、聞いてもらえず。

看護師に話を聞いてもらったが、『(県内一の)当院で手術しないのに、他の病院をあたっても手術はしてくれないわね。』

 

Aさんは絶望。

気持ちは落ち込み、治療に対する意欲が減退。「もう、どうなってもいいわ。」

それを聞いた知人は、『このままだと、取り返しがつかなくなる。何とかしなくちゃ。』

その知人はとうとう「乳がんプラザ」に辿りついたのです。

 

 

ここが、重要なターニングポイントでしたね。

Aさんが(このまま)治療からドロップアウトしてしまったら…

後日、当院を受診したAさんを診察。

『あと半年、無治療で過ごしたら手術不能状態となっていたのでは?』

私はこの「某医療センター」に激しい憤りを感じました。

そもそも患者さんが手術先行を希望しているのに「自分たちの都合」で術前抗がん剤をゴリ押しする。

その時点で、「患者さんよりも自分達が楽な手術を優先する」こと、そのものが大問題ですが、

 

更に、抗がん剤の副作用で「治療そのものからドロップアウトしてしまう」瀬戸際なのに、それでも手術を拒否する。

ドロップアウトしてしまったら、その患者さんがどうなるのか?(取り返しがつかなくなる)無論、それは解っている筈。

それが解っていても手術をしない

★前回コラムで書いたように、「鎖骨下郭清ができないから、手術の選択肢がない」という事態は、あってはならないのです。

 

第2部はココで終了

次回3部は、いよいよ舞台は「東の果て」に移ります。