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ステージ3の転移不安について

[管理番号:7585]
性別:女性
年齢:48歳
病名:浸潤性乳がん
症状:

3cmを越える腫瘍と、その周りに散在する小さな腫瘍が複数と、腋窩リンパ、鎖骨周囲リンパに複数転移があり、ステージ3と診断されました。

術前化学療法 ddAC+ddPTX
右胸全摘+リンパ郭清 レベル3です。

術後1年半経っています。

定期検診は1年毎のPETと半年毎のエコー、2ヶ月毎の腫瘍マーカーです。

今のところ転移はありませんが、
術後の病理結果をみると不安な要素だらけてす。
何でこんなことになってしまったんだろうとふさぎ込みがちになっています。

①私のしてきた治療は正しいですか。

②抗がん剤の効果が強く期待できると言われたので、私はルミナールBでしょうか。

③脈管侵襲あり、グレード3は、やはり転移する可能性が高いのでしょうか。

④腫瘍マーカーの経過も基準値内ではありますが高値で気になります。

大丈夫でしょうか。

CEA 初診4.1 術後2.7- 4.6- 3.0- 4.0- 4.2
CA15-3 初診8.7 術後6.2- 6.7- 7.4- 6.4- 6.3

⑤根治の可能性はありますか。

浸潤がん(硬がん)
エストロゲン受容体 陽性3b
プロゲステロン受容体 陽性3b
HER2 -
グレード 3
Ki67 25%
腋窩リンパ転移 2/20
脈管侵襲あり
腫瘍全体の大きさ 2.2cm
浸潤している大きさ 1.8cm
断片陰性
臨床病期 ステージ 2A

放射線治療 (胸壁 鎖骨上窩)25回 50Gy
術後ゼローダ 8クール
ホルモン療法 タモキシフェン継続1年、もうしばらくしたらフェマーラに切り替わる予定です。

質問が多くて申し訳ありません。

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①私のしてきた治療は正しいですか。」
⇒抗がん剤は術前に行っても術後に行っても予後は変わりません。
 その意味では「術前抗がん剤をしたこと」は、結果として特に問題はないでしょう。

「②抗がん剤の効果が強く期待できると言われたので、私はルミナールBでしょうか。」
⇒ルミナールBとする根拠が不明です。

 Ki67=25%であればルミナールAの可能性があります。(術前抗がん剤しているのでOncotypeDXで確認はできませんが…)
 ただし、(もしも、このKi値がケモ後のものだとすると…)本来はもっと高値で、それが(ケモにより)細胞分裂の盛んな癌細胞が選択的に攻撃されたために(見かけ上)低値となった可能性があります。

「③脈管侵襲あり、グレード3は、やはり転移する可能性が高いのでしょうか。」
⇒無関係です。
 やるべきことをやったのだから、細かいことを気にしないようにしましょう。

「④腫瘍マーカーの経過も基準値内ではありますが高値で気になります。」
⇒有意な幅ではないようです。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

肺転移今後の治療法
性別:女性
年齢:48歳
病名:浸潤性乳管がん
症状:首側部の圧迫感、肩・胸・腰の痛み

先日は丁寧な回答をありがとうございました。

残念ながら、CTにて小さい肺転移が3ヶ所見つかりました。

後日PETで全身精査の予定となっておりますが、今後の治療法を相談させてください。

今の転移の大きさだと抗がん剤は使わないと言われました。
(PETで写るかどうかくらい)
提示された治療法は
先にホルモン治療で様子を見て、その後薬を変えていくそうです。

具体的には、
フェマーラ →フェソロデックス →ベージニオ又はイブランス 又はアフィニトール →抗がん剤TS-1(?)など
様子をみて保険適用の遺伝子検査で合った薬を探すことも考えるそうです。

とてもショックを受けておりますが、何とか完治に持っていきたいのです。

手術は場所にもよるし、他にも出てくるかもしれないから、簡単には出来ないそうです。

個人的には先に抗がん剤をするのもありなのかなとも思いますがどうでしょうか。

今はフェマーラのみですが大丈夫ですか。

田澤先生ならどのように治療計画されますでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「具体的には、フェマーラ →フェソロデックス →ベージニオ又はイブランス 又はアフィニトール →抗がん剤TS-1(?)など」
⇒典型的な「消極的」治療と言えます。(間違いではありません。念のため。 考え方の違いということです)

「様子をみて保険適用の遺伝子検査で合った薬を探すことも考える」
⇒これはBRACAnalysisのことです。
 『今週のコラム 139回目 202x年には、術前診断時のサブタイプの検査が「ER,PgR, HER2, BRCA」となるのです!!(おそらく)』『今週のコラム 140回目 特にトリプルネガティブの場合には「ホルモン療法やパルボシクリブの選択肢が無い」以上、必須となるのです。』をご一読ください。
今週のコラム 139回目 202x年には、術前診断時のサブタイプの検査が「ER, PgR, HER2, BRCA」となるのです!!(おそらく)
今週のコラム 140回目 特にトリプルネガティブの場合には「ホルモン療法やパルボシクリブの選択肢が無い」以上、必須となるのです。

「個人的には先に抗がん剤をするのもありなのかなとも思いますがどうでしょうか。」
⇒肺転移の状況にもよりますが、

 (患者さん側から、積極的な希望があれば)当然それも、ありです。
 『今週のコラム 197回目 乳癌の薬物療法1 >15%なら、抗がん剤をやるっきゃないね。  腹括りました。』~ 『今週のコラム 201回目 薬物療法5 正常な状態の維持の先にこそ根治が見え隠れするのです。(その先に「新薬」が待っていないとは限りませんよね?)』までの薬物療法について熟読ください。
 特にBさんのケースが参考になります。

今週のコラム 197回目 乳癌の薬物療法1 >15%なら、抗がん剤をやるっきゃないね。  腹括りました。
今週のコラム 198回目 乳癌の薬物療法2 その隙間(ニッチ)に今嵌りこんでいるのが「CDK4/6阻害剤」です
今週のコラム 199回目 乳癌の薬物療法3 palbociclib + Fulvestrantを開始します。
今週のコラム 200回目 薬物療法4 順調に腫瘍マーカーは低下し、また特に具合も悪くならず、「老人クラブ」の会合にも皆勤賞でした。
今週のコラム 201回目 薬物療法5 正常な状態の維持の先にこそ根治が見え隠れするのです。(その先に「新薬」が待っていないとは限りませんよね?)

「今はフェマーラのみですが大丈夫ですか。」
「田澤先生ならどのように治療計画されますでしょうか。」

⇒上記コラムのとおりです。

 Chemotherapy(eribulin?)⇒palbociclibu+Fulvestrant もしくは(抗がん剤なしで)palbociclib+Fulvestrant どちらかの選択肢です。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

肺転移治療中 CEA上昇
性別:女性
年齢:49歳
病名:浸潤性乳管がん 肺転移
症状:
投稿日:2020年7月15日

以前、肺転移の治療法について質問させていただきました。

その節はありがとうございました。

その後、約9か月間ベージニオ100mg、フェマーラにて治療を続けてきました。

3ヶ所の転移は、CT画像上2個消失、もうひとつは縮小しております。
胸腹部CTで他に転移は見当たりません。

順調に思えますが、CEAが上昇傾向です。

4.3 → 4.7 → 5.0
消失、縮小なのに、マーカー上昇とは、何が考えられるのでしょう。
他に見えない転移があるのでしょうか。

治療は、ベージニオ150mgとなり、フェマーラは中止で、フェソロデックスとなりました。

これでマーカーが下がっていくのでしょうか。

たまに頭痛もあるので、頭MRIも予定されています。

今後の治療は、どのように進めていくのがよいでしょうか。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「4.3 → 4.7 → 5.0
消失、縮小なのに、マーカー上昇とは、何が考えられるのでしょう。」

⇒CEAの基準値範囲内のこの動きは(私には)殆ど気になりません。

「他に見えない転移があるのでしょうか。」
⇒その可能性も、無くは無いのでletrozole⇒Fulvestrantに変更するのでしょう。
(それも間違いではないでしょう)

「今後の治療は、どのように進めていくのがよいでしょうか。」
⇒まずはFulvestrantに変更するのだから、それで経過を見ましょう。
 次に変更するならeribulinでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

肺転移治療中CEA上昇の治療法
性別:女性
年齢:50
病名:浸潤性乳管がん 肺転移
症状:
投稿日:2020年11月29日

田澤先生、こんにちは。

いつも親切に回答をして頂き、本当に感謝しております。

その後ですが、7月に頭MRI、8月にPET-CTをしました。
元々の小さい肺転移以外には見つかりませんでした。

他の方のご質問に、CEAのみ上がるときは消化器のがんを疑う、
と田澤先生のご回答にあったので、胃カメラと大腸カメラをしました。

結果は異常なしでした。

9月のCEAは8.7、CA15-3は11
10月のCEAは7.2、CA15-3は11

12月のマーカー次第で次の治療が決まります。

このまま下がれば、今まで同様ベージニオとフェソロデックス、上がればハラヴェンです。

主治医は、ハラヴェンはホルモン感受性を高めるとおっしゃり、
ハラヴェンを何回か投与してベージニオに戻る?ようなことを言われました。

初耳だったのでビックリしました。

このことについてどのようにお考えですか?

最善の治療はやはりハラヴェンでしょうか?
ハラヴェンの脱毛の程度も知りたいです。

また、このままCEAが下がることもありえますか?それが一番いいのですけれど。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは田澤です。

★まず、大前提として再発治療にスタンダードはありません。
 ただ(このQAを見ていても解る様に)消極的治療(楽な治療を行い、病勢が悪化したら抗がん剤を使う)が多数派のように感じます。

 質問者の主治医も「典型的な消極派」のようですので、私の考えは参考にならないかもしれません。ご了承を。

「このことについてどのようにお考えですか?」
⇒根拠薄弱

「最善の治療はやはりハラヴェンでしょうか?」
⇒eribulinはいい薬剤(効果と副作用のバランスが抜群!)です。

 ただ、より積極的にいくなら、bevacizumab+paclitaxel(3M)⇒eribulin (3M)⇒CDK4/6inhibitor(palbociclib or abemaciclib)もあります。

「ハラヴェンの脱毛の程度も知りたいです。」
⇒覚悟は必要です。

「また、このままCEAが下がることもありえますか?」
⇒それはあります。



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