動画
最近、動画のテーマとして「ドレーン無しはどうだろうか?」という意見をしばしば見る機会があります。
いままで、私が(動画を通して)皆さんへ伝えたいことを、以下の3つの動画にしました。
1.せっかく「早期発見」されたのに、「早期診断に至らないケースが多い」
無駄な経過観察や、稚拙な診断手技に惑わされることなく、「早期診断を目指しましょう」
2.「再発」と一括りにせず、切除できるものはきちんと切除し「根治の可能性を追求する」こと
3.鎖骨下郭清は「経験と技術」を要するのに、(リスクを言い訳に)避けられ続けた結果、腋窩鎖骨下再発の手術がまともにできない医師がいること。
「どの意志に手術を任せるのか?」は(腋窩転移の手術や、再発手術では)特に重要である
これらは、私の強い思いが入っています。
それに比較して「ドレーン無」となると…
私は「ドレーン無のために」何か特別な事をしているわけではなく、「結果として、必要ないから入れない」となっているだけ。
つまり、そこに「私のパッションが無い」のです。
ただ、患者さん側にとって「強いメリットだから、(その情報を)発信してほしい」という皆さんのお気持ちも理解できるので、(もしも「ドレーン無」というテーマにするとしたら、どのようなアプローチだろうか?)少しだけ悩んでいます。
いいアイディア無いかなぁ。
「本文」
前回のコラムで閉経前ホルモン療法についてまとめました。
今回は、「新たなアプローチ」として「ホルモンについてのQ」を管理番号9000代から拾って解説します。
★「9004 ホルモン療法について」のように「閉経後」は今回は取り挙げません。
「9215 オンコタイプDX結果 50歳以下RS21-25の治療」
⇒これはtamoxifen+LH-RHagonistですね。
⇒これは、化学療法閉経の状態で子宮筋腫を合併しているケースです。
まさに、回答通り(以下)
・化学療法閉経の状態ならば不要(復活するようなら開始)
・筋腫は(化学療法閉経となっているわけだから)現状でも小さくなることを期待しますが、「もしも、現実に」大きくなり問題となるようならLH-RHagonist併用も考慮します。
「9233 アナストロゾールからタモキシフェンへの変更理由」
⇒これは厳密には「閉経後」ホルモン療法となりますが、「タモキシフェンが登場」するので取り挙げます。
ポイントは『AIやtoremifenは閉経後にしか適応ありませんが、tamoxifenは「そもそも」閉経前後どちらにも適応があるのです』という一文です。
AIによる関節痛は代表的な副作用であり、(この質問者のように)「閉経前後、両方に適応のある」tamoxifenへの変更も決して稀ではないのです。
「9243 閉経前のオンコタイプの結果、リュープリン等について」
②リュープリンの併用は40歳未満、化学療法閉経後の月経再開の場合適用となることをこのサイトで勉強いたしました。
私の場合はリュープリンなしで良いですか?
⇒43歳なのでリュープリンは不要です。
現在、月経の周期が規則正しいことは全く気にする必要はありませんか?
⇒「全く」必要ありません。
③主治医は、オンコタイプの結果スコアの目安は26点以上で化学療法ということで覚悟をしていればよろしいでしょうか?18~25点の中間スコアの場合、リュープリン併用は考慮されますか?
⇒質問者は「閉経前」「リンパ節転移なし」なので
RS 21- 25 TAM+LH-RHagonist (RS≦20 TAM単独 RS≧26 抗癌剤)となります。
⇒浸潤径8mmということで?主治医から「ホルモン療法不要」と判断されているようです。
この件(浸潤径が何ミリ以下ならホルモン療法が不要なのか?)については明確なコンセンサスはありませんが、
個人的には(再発率も考慮し)5mm以下では勧めていません。(無論、本人が積極的なら「断る」理由はありません)
⇒浸潤径5mmなのだから、(tamoxifenによる)副作用に悩まされるのであれば、それ(tamoxifen)を中止するのが第1.
また、(出血を収めるためにも)LH-RHagonistを(tamoxifenを中止するのと並行して)投与するということです。