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乳がんと診断されました

[管理番号:8058]
性別:女性
年齢:48歳
病名:浸潤性乳管癌(硬性癌)
症状:

田澤先生、はじめまして。

どうぞよろしくお願いいたします。

浸潤性乳管癌(硬性癌)と診断されました。

診断結果は
D,F(+),Tis(-),
comedo(-),Ly(-),V(-),
tubule2,N atypia2,mitosis1,
NG grade1,HG gradeⅡ,
ER(+)>80%,PgR,(+)>80%,HER2 score0
Ki-67 30%
小型ながらもN/Cの高い異形細胞が策状~小胞巣に浸潤増殖。

腺腔形成も確認。

作製切片内にDCIS成分、リンパ管および静脈侵襲は認めません。

との内容でした。

この病理組織検査の結果で、
どの程度進行しているのか、どの程度の希望が持てるのかを教えて頂けますでしょうか。

 ・社会復帰できるのか
 ・自分で身の回りのことは出来るのか
 ・乳房の温存は可能か?(全摘・再建の話もでました) …等です。

また、癌と診断された箇所以外にも(良性と思われる)腫瘍があります。

これも併せて考える必要があるのでしょうか?

これまでの経過としては
30代の頃から、健康診断では経過観察のコメントがありました。

数年前には、腫瘤・嚢胞があり乳腺症の疑いと診断されたため、
以降 年に2~3回、経過観察(エコー検査)もしていました。

うまくまとめきれず申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

まず、大きな誤りを指摘しておきます。
ご本人が記載している「病理診断(組織型やグレード、サブタイプ)」は、「術後の補助療法(薬物療法)」の参考にしかなりません。

手術(術式)や「どの程度進行しているのか?」の参考には全くなりません。
★是非『今週のコラム 159回目 乳癌診療の基本1 『乳癌の治療で最も重要なことは治療を「局所療法」と「全身療法」に分けることなのです。』』から続く、「乳癌診療の基本シリーズ」を読破することをお勧めします。

今週のコラム一覧

「どの程度進行しているのか、どの程度の希望が持てるのか」
→これは「ステージ」です。

 ステージは「腫瘍径」と「リンパ節転移の状況」で決まります。
 このQには、それが「一切」欠けているので、回答不能です。

「 ・社会復帰できるのか」「 ・自分で身の回りのことは出来るのか」
→当然できます。(ステージの記載はありませんが、これくらいは判断できます)

「 ・乳房の温存は可能か?(全摘・再建の話もでました)」
→これは純粋な「拡がり診断」です。

 (MRIでの)拡がりが「広ければ整容性が保てずに温存不能」となるし、狭ければ「整容性が保てるので温存可能」となります。
  ★ここに病理診断やサブタイプは一切、無関係!!

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

温存か全摘か、そして胸の痛みについて
性別:女性
年齢:48歳
病名:浸潤性乳管癌(硬性癌)
症状:

田澤先生

今回もどうぞよろしくお願いいたします。

検査の結果、
腫瘍径は10mm未満でしたが、MRIで別のところに影が映っており、そちらも生検することになりました。

今のところ、分かっている10mmの腫瘍とその近くで見つかった影を一緒に取ることで、温存が可能と言われています。

ただ、形が変わること、術後のリスク(再手術など)もあるので、全摘を進めるようなお話しぶりでした。

そして、新しく生検したところが、癌であれば乳房の1/4くらいを除去することになるので、その時は全摘で…と言われました。

ステージは1と見ているが、離れたところに複数ある…からと言うことですが、
乳房に向かって5時から8時くらいの範囲だと全摘しか方法はないのでしょうか?
「リンパ節転移の状況」は術中しか分からないとも言われましたが、ステージ1と見ているということは、転移はないと思っていいのでしょうか?

温存にこだわっているわけではありませんが、前向きに全摘の気分にもなりきれません。

温存の場合は放射線治療に通う時間は確保できますし、再建の場合は自家組織で考えています。

温存と全摘プラス再建の両方を、術後のリスク・整容性(温存で変形が著しいなら再建を、再建で傷跡に精神的なダメージが大きくなるなら温存を)などトータルで考えたいと思っています。

それから、乳がんが見つかった側の乳房に少し前から、首から肩、脇、乳房全体がつったような痛みがあります。

クリニックでも今の病院でも「肩こりでしょう」と言われていましたが、夜中に目が覚めることもあります。
これも他の方が相談されている、女性ホルモンによる刺激症状と思っていいでしょうか?
食べ物、運動などの生活面で気をつけることがあれば、教えていただければと思います。

先生の「癌診療の基本シリーズ」拝読いたしました。

今週のコラム 159回目 乳癌診療の基本1 『乳癌の治療で最も重要なことは治療を「局所療法」と「全身療法」に分けることなのです。』
今週のコラム 163回目 乳癌診療の基本2 腋窩リンパ節の取り扱い 「そりゃ、もう大騒ぎさ」
今週のコラム 164回目 乳癌診療の基本3 サブタイプとは 『リンパ節転移と抗がん剤は無関係であることは2015年にSABCSで発表されています。』
今週のコラム 165回目 乳癌診療の基本4 説明同意書入院案内 『気が済むまでうがいをして、”随分良くなった”と自分自身が信じること」それが大事です。』
今週のコラム 166回目 乳癌診療の基本5 手術当日~退院 明日になったら、驚く程「楽に」動かせるようになりますよ
今週のコラム 167回目 「絵に描いた餅」ではなく、実際に多数の臨床試験で一貫した結果が証明されていることです。
今週のコラム 168回目 乳癌診療の基本 7 taxane単独regimenであるTCは、anthracyclene単独regimenであるAC/ECよりも効果が高いことが示されている。(SABCS 2007)
今週のコラム 169回目 乳癌診療基本8 ポイントは「アレルギー」「筋肉痛」「全身検体(だるさ)」
今週のコラム 171回目 乳癌診療の基本9 high risk regimenとしてPegfilgrastim(ペグフィルグラスチム)注 26 )の適応があります。
今週のコラム 174回目 乳癌診療の基本10 後半(3回目以降)から痺れ と浮腫み がありますが十分対処できます

クリニックでも今の病院でも説明のないことが沢山あって、いかに情報が少なかったと驚いています。

ありがとうございます。
引き続き、学ばせて頂きます。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「乳房に向かって5時から8時くらいの範囲だと全摘しか方法はないのでしょうか?」
→(実際に診察とMRI画像を見ずに)これだけの情報では「判断」は不可能だし、最終的に「整容性はご本人の判断(これくらい変形でも温存したいと思うのか? こんなに取るなら全摘でも仕方がないと思うのか)」です。

「リンパ節転移の状況」は術中しか分からないとも言われましたが、ステージ1と見ているということは、転移はないと思っていいのでしょうか?」
→その可能性が高いということです。(大雑把に95%以上)

「乳がんが見つかった側の乳房に少し前から、首から肩、脇、乳房全体がつったような痛みがあります。」
「これも他の方が相談されている、女性ホルモンによる刺激症状と思っていいでしょうか?」

→是非、『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』をご覧ください。
(ピタリと当てはまりますね??)

「食べ物、運動などの生活面で気をつけることがあれば、教えていただければと思います。」
→特にありません。普通でいいのです。

「先生の「癌診療の基本シリーズ」拝読いたしました。
クリニックでも今の病院でも説明のないことが沢山あって、いかに情報が少なかったと驚いています。」

→「まさに」そのために、今週のコラムはあるのです。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

セカンドオピニオン先に転院を考えています
性別:女性
年齢:48歳
病名:浸潤性乳管癌(硬性癌)
症状:

田澤先生

おはようございます。

今回もどうぞよろしくお願いいたします。

現段階での転院のメリット、デメリット、意外にこんなことが…と言うことがあれば教えてください。

これまで数回、主治医に診察をして頂きましたが、うまくコミュニケーションが取れていないように感じています。

(乳頭の再建の説明があったのに、乳頭乳輪温存切除術を考えてくださっていた…ことを看護師さんから知らされるなどです。
再発のリスクを懸念して全摘を進めるようなお話しぶりだったのに??)

当初から考えていたこと、長期間の治療を考えると不安なことから、先日 セカンドオピニオンを受けました。

そこで主治医の説明が充分でないように感じている旨をお伝えしたところ、田澤先生から教わったことをはじめ、乳房のなかで起こっていること、CTの結果、該当するサブタイプの説明などを丁寧に説明してくださいました。

セカンドオピニオンは親族がお世話になった先生で、主治医にも聞かれましたので、そのように伝えています。

それで転院もありえると思われたのか、転院するなら26日までにキャンセルを…と言われました。

(術日は年明けの上旬です)

主治医以外の先生方に不安はないのでこのまま今の病院で、と言う気持ちと、やはり今後の主治医との関係を考えるとセカンドオピニオン先に転院を…と病気以外のことで迷っています。

年末のお忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

前回の生検結果は良性でしたが、全摘と再建に気持ちが落ち着きました。

ありがとうございました。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「現段階での転院のメリット、デメリット、意外にこんなことが…と言うことがあれば教えてください。」
→文面からは…

 転院でいいのでは?(特にデメリットは見当たりません)