今年、最後の「今週のコラム」です。
今朝はとにかく寒かった。
手袋して走り出したけど、それでも手がかじかみました。
〇いい天気
東京はいい天気ですね。
各地の雪の映像など見ると、(冬場は特に)恵まれていると感じます。
本題です。
〇説明同意書入院案内
『それでは、説明同意書入院案内に入ります。
まず同意書は3つあります。最初は「麻酔の同意書」です。
麻酔は全身麻酔で行います。とても安全な麻酔でありトラブルは1度もありません。この本 注14)をお渡しします。「麻酔の同意書」は、この本の内容に対する同意書となります。
注14)「手術を受けられる方へ」という小冊子 麻酔の方法などの記載がある。
次が肝心な「手術に対する同意書」です。
内容は、この紙に記載されている通りです。
・手術日は〇月△日
・術式は「乳房温存+センチネルリンパ節生検(術中迅速診断)」
・センチネルリンパ節生検の取り扱いについては(前々回で決めたとおり)微小転移では郭清省略
・合併症としては「出血と感染」となるが、現実には殆どない。(非常に稀)
まず、ここまではよろしいですか?何か質問ありますか?』
『いいえ、解りました。この間の説明通りですね。理解しています。』
『それで最後の同意書が「輸血の同意書」となります。』
『えっ! 輸血? 輸血するなら自己血にしてください。』
『落ち着いてください。 輸血はしません。(過去に数千症例執刀していますが、輸血をしようか?と思ったことさえありません)
ただ、病院の規則で「輸血の同意書がないと、手術室に入れない」ことになっているのです。
私が決められるのであれば「輸血の同意書」など即刻廃止しますが、これは仕方がないのです。(病院全体としては「輸血の同意書が必要となる科」も存在しているので統一が必要なのです)』
『あー、そうですか。良かった。
輸血なんて聞くと、ドキドキしちゃうわ。 他に注意点などあります?』
『そうですね。時々手術当日になって「喉が痛い」とか、「熱っぽい」とか心配される人がいますが…
乳癌の手術では何も心配する必要はありません。
そのように(手術当日に)言われると、「とにかく、気が済むまでうがいをして、”随分良くなった”と自分自身が信じること」それが大事です。
そう私はアドバイスしています。
自分自身が不安に思っていると、それが看護師に伝わり… その果てに「調子悪いなんて言っている人の手術は延期したほうがいいよ」などと言いだす人もいないとも限りません。』
(病棟で)
『あなたは何しに入院したの?』
『手術のためです。』
『それはいつ?』
『今でしょ。』
そうなんです。
『喉が痛い』だの不安に感じることで、(その結果)手術が中止となり、そのまま退院する羽目となってしまったら…
『あなたは何しに、入院したの? 何がしたいの?』
手術が中止となってしまうことで、大変な不利益を被るのは(私ではなく)他ならぬ「あなた」なのです。