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今週のコラム 484回目 ガイドラインの功罪

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ラーメン

久しぶりだったけど凄く旨かった!

スープも勿論だけど「麺」が凄い。

 

 

 

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戴きもの。本当に感謝

私にとって戴き物は特別なもの(それ抜きで実際に凄旨いでしたけど、それとは別の意味で)

自分の診療を支持してもらっていると元気づけられ、大変安心できるのです。

注)催促ではありません。(念のため)

 

 

○ 本文

今回も「またまた」コラム482回目遠隔転移の挑戦①の続編たるべき②とする予定でしたが…

 

 

えっ!また延期?

それって、今流行のオレオレ詐欺じゃないのー?

 

 

 

ゴメン。謎雄君

って、そもそも「オレオレ詐欺」とは違うし、「今流行」でもないなぁ。

今流行は「ホワイト案件」じゃないの?(それも、また古いような…)

 

と、どうでもいい前置きを並べたうえで今回は「功罪」という難しい言葉の登場です。

まー日頃から読書でもして無い限り、出会わない言葉とも言えます。

 

★読書でもしていない限り「出会わない言葉」で思いだしましたが…(また脱線かい!)

小学生の頃「夏目漱石」やあの時代の作品(武者小路実篤とか…)を読んでいた時期がありました。(マセガキ?)

その当時の文章には奥さんのことを「細君」と書かれていたので(私の推理では妻=サイ=細?)「さい」とか「さいくん」という言葉に違和感なかったのですが、

小学校の国語の授業で(明治時代の本だったと思うけど)その中で主人公が奥さんを「細君」と呼んでいる場面があり、当時の友達は「えっ?細君?妻のことを「さい」っていうの?まじ?」と皆ポカーンとしていたことを思いだします。

♯(マセガキだった)私にとっては(自然と)当たり前だと思ってた「細君」が普通は「出会わない言葉」だったという落ち?でした。

(関西では話には必ず落ちが必要だと聞いたことを思いだしました)

 

話を戻します。

功罪と言う言葉は、日常的ではないとしても(ただ、それをもしも日常的に使ったとしたら「えっ?この人 何?」って思われることでしょう。)映画の題名とか、何か印象的な言葉に感じます。

平たく言えば「いい点と悪い点」物事には「いい面と悪い面」(その割合の程度の差こそあれ)両方あるものです。

そこを極端に「良い面だけに固執する」究極が宗教か? それもまた違う気がしますが…

 

 

ガイドラインの功罪

少し解ってきた?

 

 

なるほど…

如何にも「ガイドラインって、(問答無用に)正しい」と思わせる言葉の響きがあるけど、実はそうではない。という話かな?

 

QA 10033質問2「多発骨転移の推移」(質問1は「両側乳がんの骨転移」でした。)
 

 

質問1では骨転移の「確定診断前」の状況だったので、『まずは、診断がついてからです。』と(当時)回答して終了していました。

ただ、その後の展開が質問2だったのです。

 

 

今までの流れからすると…

その後の治療とガイドラインが、今回のコラムのKeyなんだね!

 

 

 

御明察!

って、ここでまた横道に逸れるけど…

 

 

またまた横道かい?

横道は「横溝正史」に任せんかい!(ちょっと、無理ある)

 

 

まぁ、まぁ、ちょっとだけ聞いてよ。

掲示板でふーちゃんさんから「イシュランwarm 2024の上位に載っている」という情報を得て、見てみたんだけど…

スカロケでマンボウがよく『エゴサ(エゴサーチ)すると、心が折れるから滅多にしないようにしている』って言っているけど、まさにその通りだね。

 

イシュランでの「患者さんの声」 つい、読んでしまった…

(ありがいことに私を褒めてくれている?内容もありますが…)

心にズシーンとくる下記のような内容が…

乳がんプラザでは(少々)軽快で、人当たりが良さそうなのに、実際には冷たくて質問もしずらく、(また)実際に質問しても答えがそっけないなど・

読んでいる途中から「心折れ」状態…(読まなきゃよかった…)

 

勿論、その通りなのだろうけど(そこは否定しません)

(ここからは言い訳。 見苦しい場合には軽くスルーしてください)

(今回でいう功罪に掛けるわけでもないけど)私にとってもTPOは大事なこと。

コラムなど文章を書いている時には(多少は)時間から解き放たれていてある程度「自由に心を開放できる」そう感じています。

♯もしかすると文章を書くこと自体は好きなのかもしれない?

ただ、外来はどうしても混雑しているので(時に)「何でこんなに待たされるんだ(患者さんの身になれば当然です。私が患者さんの立場だったら勿論そう思いますもの)」と態度どころか(時に)厳しくクレームを言われたりします。(厳しいお言葉は稀ですが…)

なので、外来時はとにかくナーバスとなります。「時間との競争」となりとても「話し好きで、コミュニケーションがとても良好」とはいきません(無論、時間だけが理由ではなく、そんな時こそ「人間力の差」が出るもので、そんな中でも万全な印象を与える医師こそ、真のwarm doctorなのでしょう)

とはいえ、(その制約のなかで私なりに)精一杯やっているつもりなので少々(かなり?)差し引いてもらいたいのが正直なところです。

愚痴が多くなりすみません。やはり「エゴサ」は胃に悪いですね。

 

 

と、ここからが「漸く」本題です。

10033質問2「多発骨転移の推移」

ここで、なされている治療はCDK 4/6 inhibitor(palbociclib)+hormone therapy

HR+, HER2-再発一次治療の「推奨度Aのガイドライン治療」と言えます。

 

で、実際その「推奨度Aガイドライン治療」を行って、状況はどうなのか?

2022/1 胸骨、右腸骨転移疑い

イブランス(palbociclib:CDK 4/6 inhibitor)内服

2025/1(治療開始3年後) PET 胸骨、右腸骨ともに転移拡大し担当医からは

がんが大きくなっており、肺転移などのリスクが出てきているとの説明」

 

もしも私(自身)の患者さんだったら…

無論ガイドラインは百も承知の上で

 

(骨転移部位への)照射⇒抗癌剤 3か月(anthracycline only)~(患者さん自身がより積極的ならば)6か月(anthracycline 3ヵ月+bevacizumab+paclitaxel3か月)

その後にCDK 4/6 inhibitor(palbociclib)+hormoneとします。

 

 

ガイドライン通りCDK4/6inhibitor使い3年後「病変拡大し、肺転移などのリスクが出てきている」と…

その(あんたの言う)cCR後にCDK4/6inhibitorの人達は、(同じ)3年後にはどんな感じ(状況)なの?

 

 

そう、ここからが肝心なところ。

注)決して「特別の奏功」した特殊な症例ではありません。

言わば、上記治療した場合の「ほぼ典型的な」経過である具体例を挙げてみましょう。

○症例1

 

luminal type 術後補助療法 ホルモン療法中術後4年 肺転移、骨転移

 

右肺転移

 

 

 

 

座骨転移

 

 

 

 

 

まずは放射線

その後 EC(anthracycline)x4⇒docetaxel(taxane)x4

♯この方は術後補助療法で抗癌剤無だったので

key drugであるanthracyclineとtaxane両方を行い、ここで満を持して

 

game changer(CDK 4/6 inhibitor) 登場

再発治療後4年経ちますが、cCR continue

 

 

方や(管理番号10033)「骨転移の拡大」で「肺転移のリスク」

一方(当院症例1)で「cCR continue

 

同じgame changerであるCDK4/6 inhibitorを使っているのに、この差は一体??

 

○症例2

 

luminal type 術後ホルモン療法中

1年で再発

 

 

 

 

まずは放射線

その後eribulin⇒(その後)CDK4/6 inhibitor

 

 

再発治療後、実に7年半 !

cCR contineue

 

 

 

 

せっかくのgame changer CDK4/6 inhibitorも

使いどころを誤る(病変を大きなまま用いる)と

単に「hormone onlyよりは長持ちする程度」の薬剤にすぎません。

★ここが「ガイドラインの功罪」と言えます。

せっかくのgame changerも(ガイドラインでは)あたかも(病変を放射線や抗癌剤で叩くことなく)最初に用いなさい! と読み取れます。

これを信じた(ガイドライン通りの)担当医による治療の結果(管理番号10033)と当院での治療(cCRとしてからもいいる)での結果(今回挙げた症例1、2)どちらがいいのか?

来週に控えた「動画生配信」で徹底討論(NHK?)しましょう!

 

 

 

そんな中、つい最近(投稿日2025/2/3 )

管理番号11411 質問3「多発骨転移」

術後1年4か月、 骨盤痛

MRIで骨転移疑いの診断

そこで主治医は、こんなことを言っています。

① 10年生きるのは難しい

② 5年生存を目指しましょう

③ 抗癌剤は一生です。

 

 

この方もluminal typeだね(質問1に記載)

このまま、担当医のもとで

(ガイドライン通り)CDK4/6 inhibitorから開始すると、本当にそうなりかねないかな?

 

 

そう、正にその通り!

ここがターニングポイントと言える。

 

11411さんが(もしも、このまま)その担当医の治療を受けたら…

♯おそらく「ガイドライン通り」CDK4/6 inhibitorを(病変が大きいまま)使って、(ホルモン療法単独よりは「いくらか」長い程度)奏効して、やがて病勢進行すると思います。♯10033さんが3年で病勢進行したように…

そうなると、正にその担当医のいうところの『① 10年生きるのは難しい』って、ことになりかねない。

果たして、それでいいのか?

 

私には、そんな転帰を辿る人たちをみているのが苦しくなってきたのです。

当院のやり方(症例1,2のように)骨転移部位に放射線⇒抗癌剤⇒cCR⇒CDK 4/6 inhibitorを用いれば…

「10年生きるのは難しい」どころか、『10年後にも、(少なくとも)画像上病変が無い状態で元気にいられる』ことを現実として想像できるのです。

 

この決定的な「差」は看過できない。

◎臨床試験的に言えば(中間報告で「あまりにも差がついた」ため、倫理的に試験の継続は許されずに)途中で中止のようなものです。

♯これは臨床試験では「しばしば」起こります。

A群(治療Aをしているグループ)とB群(治療Bをしているグループ)で、あまりにも差がつく(B群での再発がA群に比べて「あまりにも」多い)と、B群のまま治療を継続させることは倫理的に許されない=(試験終了前の)中間報告時点で中止となるのです。

 

CDK 4/6 inhibitorの使いどころによって、「余りにも差がついている!」

私にはそう思えるのです。

それに対し、皆さんはどう思うのか?(私の思い違いなのか?)確認してみたくなりました。

それが朝まで(ではありませんが)徹底討論したいと強く思った所以なのです。

 

方や「病変がどんどん拡大して、5年生存を目指すだけの治療」と(一生抗がん剤どころか)「病変を消失させて、それを(抗癌剤ではなく)CDK4/6inhibitorだけで(QOLを維持したまま)10年先を捉える」のか?

 

 

私には、答えは明白に思えるのですが…

朝まで(冗談、10時から20分?程度)徹底討論しましょう。

是非、この討論に参加しましょう。(2月16日10時~)

 

★無論匿名ですが(もしも、当院でcCRのまま)長期イブランス治療中の方が、(このコラムを読んで)参加して頂ければ「生の声」として凄くいいのですが…

是非、ご参加ご検討してください。(無論個人が特定されるようなことはありません)

 

ガイドラインの功罪の「罪」の部分は、その「使いどころ(治療の順番)」と言えるのです。

(放射線や抗癌剤で)病変を極限まで小さく(これがcCRと言える)してから用いると…

その患者さんの予後(未来)を変えるのです。