[管理番号:10033]
性別:女性
年齢:49歳
病名:
症状:
投稿日:2022年1月25日
両側に乳がんがみつかり、2020年1月末に手術(両側とも全摘(乳頭温存))を行いました。
レポートの診断には以下が記述されておりました。
Right breast
1. invasive ductal carcinoma, scirrhous type, right breast,
BT+SNB,
38.0×18.0x11.0mm, n(0/2,i+), margin -, NG(1), HG(II), ER(8), PgR(6), HER2(1), f, Ly1, V0, UNICC 8th:pT2 pN0 M0 Stage IIA
Left breast
1. Ductal carcinoma in situ, left breast, Bt+SNB, area=lower-inner (B), N(0/1, i-), margin -, NG(1), ER(8), PgR(8), HER2(1), Ly0, V0,
Status: primary, UNICC 8th: pTis pN0 M0 Stage 0, Jap 19th pTis pN0
M0
Stage 0.
手術後、抗がん剤はなしで、ノルバデックスおよびタモキシフェンを飲み続けております。
ところが、最近先生の診断により、MRI, CTを受けたところ、以下の結果でした。
CTレポート:
診断:
肺の炎症性変化の跡。
肺転移はない、肝転移もない。
右腸骨の硬化性変化および溶骨性変化:転移にしては合致しない所見があります。
Fibrous dysplasiaの可能性をまず考えたいと思いますが、最終的には骨生検が必要かと思います。
レコメンデーション:
空白
MRI レポート
診断:
*両側乳癌にて両側乳房全摘(NSM)再建術後。
*右乳頭近1時方向~頭側の皮下に小さな腫瘤状の染まりが複数認められ、ご指摘の再
発病変に合致します。
病変は皮膚に近接し、頭側の病変はインプラント周囲の繊維性被膜にも接し、これに沿ったソマリの認められます。
広がりは頭尾2.0cm、左右1.4cm程度で、乳頭までの距離は4mmほどです。
*右乳房4時方向にも小さな染まりが認められ、USでも確認したい所見です。
*胸骨右側に造影増強効果が出現しており、転移と考えます。
骨シンチ等の追加検査をお願いします。
レコメンデーション:
胸骨転移を認めます。
骨シンチ等の追加検査をお願いします。
この結果をうけて、今週にもPET検査を受ける予定です。
両側乳がんとはいえ、早期発見(?)かと思っておりましたので、骨転移に非常に動揺しております。
今後、治療は可能でしょうか。
また、どのような予後が考えられますでしょうか。
生きるためにすべてのことをしようと考えております。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「どのような予後が考えられますでしょうか。」
⇒まだ診断は「全く」ついていないので「考えすぎ」です。
そもそもCTで骨転移を確定することは無理(実際に腸骨はfibrous dysplasiaを考える所見なわけです)
またMRIもあくまでも「乳腺を見る際にたまたま一緒に映った胸骨の評価」なので、これも現時点では確定ではありません。
まずは全身を骨シンチで調べ、(其のうえで)疑わしい部位があれば、「そこをピン
ポイントで」MRIすることです。(それから、いろいろ考えましょう)
ご参考に。
質問者様から 【質問2】
多発骨転移の推移
性別:女性
年齢:54
病名:
症状:
投稿日:2025年01月27日
妻の代理で質問させていただいております。両側に乳がんがみつかり、2020年1月末に手術(両側とも全摘(乳頭温存))を行いました。その後、2022年1月に多発骨転移(胸骨および右腸骨)が判明し、PETを定期的に受けながら、イブランスを飲んでおります。(副作用(皮膚の炎症)がひどいため、副作用がひどいときにはイブランスを飲むのをストップしており、ストップしている期間が長いこともあります。)1週間ほど前に受けた直近のPET検査は以下でした。
<診断>
両側乳癌術後。局所再発を疑う所見はありません。多発骨転移;胸骨病変は更に拡大しています。右腸骨病変にも一部集積増加あり、活動性増悪を疑います。
<所見>
局所再発を疑う異常集積は認めません。リンパ節に転移を疑う所見はありません。
胸骨へFDG集積範囲は拡大し、集積程度も増加してます(SUVmax=7.73, 前回7.03)。CTでの骨硬化像の拡がりは前回から大きく変わりません。
肝転移、肺転移を疑う所見はありません。
右腸骨や右座骨、仙骨に不均一な骨硬化性変化を認めます。この拡がりは前回同様なのですが、右腸骨への集積が一部増加しており(SUVmax=2.67, 前回1.51)、こちらも活動性増悪を疑います。
Th8/9椎間板腔の粗大な骨硬化性変化に著変ありません。
新たに加わった骨転移を疑う所見はありません。
主治医より、がんが大きくなっており、肺転移などのリスクが出てきているとの説明を受けました。この結果について、かなり厳しい状況に差し掛かってきていると考えたほうがよろしいでしょうか。(例えば、余命が短くなってきている可能性が高まっている等。)漠然とした質問で恐縮ですが、先生のご意見を伺えますと幸いです。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
がんが大きくなっており、肺転移などのリスクが出てきているとの説明
⇒ガイドラインの功罪
担当医は(ガイドライン推奨度Aに従い)ルミナールタイプ再発一次治療として「CDK4/6阻害剤(palbociclib)+hormone therapy」をしてきたわけですね。
私であれば放射線+抗癌剤⇒cCR⇒(ここで)「CDK4/6阻害剤の登場でcCRを長期間継続狙う」とします。
♯無論全ての人がcCRとなるわけではありませんが「相当の割合」でこの状況となっているのは事実なのです。
詳しくは今週末に掲載する今週のコラムをご参考にしてください。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/19
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