OneTeam コメント
江戸川病院乳腺センター長 田澤篤 さん 212件
2024-04-10 07:37:53 掲示板 2024年4月7日~4月13日
今朝回答した『Q 術前治療について質問させていただきます』に対して、回答をした上で蛇足として以下のように記載しました。
(以下、抜粋)
余計なお節介かもしれないので、以下の部分は無視してもらっても構いません。
ただ最近、今週のコラムで「腋窩鎖骨窩再発」についていろいろ考えているので、コメントせずはいられないだけです。
なぜ術前抗がん剤をしているのかが、「そもそも」不明
正直「リンパ節転移があるから…」とか、「腋窩郭清は苦手(大変)だから…」という理由で、患者さんに「全身に散らばっているかもしれない癌細胞を先に叩くために抗癌剤をしましょう」と『尤もらしい』理由をつけて術前抗がん剤をゴリ押ししているのではないか?
と勘ぐってしまいます。
正直に言えば…
普通に「手術先行でリンパ節転移も、キッチリと郭清」して、術後に「病理結果に従い(必要ならOncotyepDXをして)術後療法を選択する」方が、あとあとの腋窩再発などのリスクが無いのでは?と考えてしまいます。
「今週のコラム439回目」に記載したように、このような(腋窩リンパ節転移があるからといって行う)術前化学療法後に手術するケースは腋窩鎖骨窩再発のパターン2となるリスクを考えてしまいます。
↑
ちょっと、長くなりましたが…
つい「余計なお世話」をしてしまいました。
コラム439回目に記載したように、腋窩再発の元凶が間違いなく①(患者さんのためではなく)担当医が腋窩郭清を避けるために行う「無意味な」術前抗がん剤治療②及び、そのような(腋窩郭清を避けることにより)いざ必要な際に「正確な腋窩郭清の技術を習得できない=患者さんに中途半端な手術をすることになる」ここにあるように思うのです。
『全身に散らばっているかもしれない癌細胞を先に叩く』という尤もらしい理屈に納得している患者さんにとって私の助言は甚だ迷惑至極かもしれませんが、現実に「腋窩再発の元凶」となっていることを私は肌で感じているのです。
2024-03-17 10:55:44 掲示板 2024年3月17日~3月23日
久しぶりに投稿します。
昨日投稿されたQA「葉状腫瘍境界型」を回答していて…
『これは、ちょっと危ない』そう直感しました。
invasive growthで、しかも(病理医のコメントに)「断端部に紡錘形細胞が見られているところが多いため、断端陽性の可能性が高い」との記載。
その担当医が葉状腫瘍の怖さを知らない。(もしくは)他人事のように感じます。
質問者が緊迫感を感じ取ってくれるように、(掲示板は)QAよりも本音が出るので書いた次第です。
ところで話は変わりますが…
私にとってのスーパースターとは広島出身で震災を黙っていられないそんなヒーローです。(これ以上はご想像にお任せします)
2024-01-26 12:38:06 掲示板 2024年1月21日~2024年1月27日
匿名さんの『遠隔転移すると、主治医は「延命&緩和」しか言ってくれない。たしかに命は永遠じゃないから「延命」は正しいのかもしれない。
でも、私には「あなたは死ぬんですよ」としか聞こえない。』
に、心を打たれて…
つい先刻、『乳癌・再発への挑戦 vol.1 局所』を収録してきました。(1週間程度でアップされると思います)
1.再発には二つとして同じものはない(一括りにされるものではない)
2.成功体験が治療に影響し、患者さんの運命を変える
ところで、匿名さんの投稿には『遠隔転移すると』と、ありますので『vol.2 遠隔』も爆速で収録予定です!
2024-01-26 12:25:57 掲示板 2024年1月21日~2024年1月27日
投稿を拝見して…
warningに対して「逆説方(法?)か!」とありましたが…
それに対してコメントさせてください。
治療(ここでは再発治療に絞りますが)とは、決して楽なものではありません。
そんな(楽ではない)治療をやり遂げるには患者さん自身の「癌に屈服しないという(それこそが)invictus」が必要なのです。
warnigという手法が不適切だったのかもしれませんが、
『再発は何をやっても、どうせ同じでしょ。 だったら楽にいこうよ』の方が(寧ろ)楽でいい。と考える人もいるし(そのように言う)その主治医を全否定することも、また違っている。
あくまでも私は自分の成功体験に基づいた「私なりの提案」なのです。
2024-01-18 07:28:02 掲示板 2024年1月14日~2024年1月20日 *BNCTについて田澤先生からコメントあり。
BNCT
初発時に、胸壁に広範囲に病変が拡がり手術不能
⇒抗癌剤⇒手術可能⇒手術⇒術後照射
★この場合、全摘ではありますが「術後胸壁再発高リスク」と言えます。
6年後、胸壁再発!
手術?(広範囲で再再発のリスクも懸念)薬物療法?
ここにBNCT 今月は(局所治療の重要性と共に)BNCT強化月間と位置付けています。
近々、YOUTUBE予定です!
2023-11-20 14:01:52 掲示板 2023年11月19日~11月25日 *Q&A11431について田澤先生からコメントあり。
『管理番号:11431 stage4手術可能でしょうか』
これを回答していて…
何故、こんな医者が(日本中、至る所に)生息しているのだろう? ①無知のなせる禍? ②(患者さんがどう思うのか)想像力の欠如? ③実際の症例が想像できない(経験の圧倒的欠如)のか?
①について
QAの回答を参照してもらいたいのですが、あの「ガイドライン」さえ、「オリゴ転移の場合には局所療法が勧められる可能性」について言及しています。
質問者のケースでは「3mmの肺結節」と「頸部リンパ節(PET所見で推測するに、ゴロゴロではなく単発」
⇒どう考えても(もしも転移だとしても、オリゴ転移であり)局所治療を拒絶するような言動は理解不能
②について
患者さんが「あなたは遠隔転移があるから手術不能です。」と言われた場合の衝撃が想像できないか?
(もしも、その医師が手術すべきか?を即座には判断できなかったとしても)「遠隔転移の可能性があるので、薬物療法先行も一つの選択肢となります。手術がいいのかは少し検討させてください」でいいのでは?
③について
これは(大方の医師にとって仕方がないことかもしれませんが)私からみれば、この程度の所見で「手術できない(または、手術してはいけない)」など、一瞬も考えません。
QA本文にも記載しましたが「肺の3mm」など転移出ないケースはザラだし(よくあるのは肉芽)いずれにせよCT folow up(初回なら最初は3か月、変化無ければその後半年)これを理由にするのは「そもそも」論外です。
また(腋窩リンパ節も文面からは)大したことも無く、鎖骨上下リンパ節にも所見がないのに、頸部リンパ節転移疑いで手術不能を考えるのは「そもそも」ナンセンスであり、仮に「転移が確定したら」その程度の所見なら(QA文面に記載したように)ご希望なら手術で摘出してもいいし、(そうでなければ)術後に照射すれば十分コントロール(根治の可能性大)となります。
ただ、これは私は多くのケースで経験しているので自明なことなのですが、そうでない経験不足の医師にとっては「想像外」なのだと思います。
本当に、嫌な世の中です。(半分以上、愚痴です)
皆さん、ご意見どうぞ。
2023-11-08 07:37:17 掲示板 2023年11月5日~11月11日 田澤先生からコメントあり。
あー、腹が立つ! (朝っぱらからスミマセン)
『11399 扁平上皮癌の肺転移』を回答していたのですが…
どうにも腹が立つ。(つまり愚痴です)
皆さんご存知のお台場近くの「あの」病院です。
それにしても、その(地元というか)「東京でも負けなしの」病院での診療…
経緯を見れば明らかに、最初の針生検で外し、センチネルリンパ節生検でも失敗した上での腋窩再発!
ちょっと、「地元」どころか「東京でも負け知らず」の筈?のその病院の酷い精度…
そもそも最初の針生検できちんと診断していれば腋窩郭清をして腋窩再発は無かったわけで、この腋窩再発は(抗癌剤中は押さえられていたとしても)抗がん剤終了後2か月で2cmということ。
肺転移自体は、それとは無関係だとは思いますが「どうしても、普通に当院で診断されて手術していれば、もしかして?」などと頭をよぎってしまいます。
その他にも最近では『しこりが大きくなるスピード』では、あとで癌の診断となったのに最初の細胞診が良性と出たことに対し、その医師は「それは何とも言えない」
⇒反省しなさい!
2023-11-06 13:36:36 掲示板 2023年11月5日~11月11日 田澤先生からコメントあり。
久しぶりの登場です。
コラムに対しての皆さんの感想(反応?)を見てのコメントです。
バンクシーさんの投稿より、久しぶりに「コラム 41回目 おきのどくだけど、とてもまともな診療とは思えない」を読み返してみました。
時は流れて7年以上、同じ過ちが繰り返されている!
根本的に何かが間違っている。
こんな言葉があるだろうか?
『人を診ずに、病を診る』 無いかな?無ければすみません。
患者さんが「腋窩のシコリが大きくなっている。心配だ。それに痛い。」
エコーもしない担当医の頭の中には何が去来していたのだろうか?
(担当医の頭の中)『手術をして抗癌剤して放射線も全てガイドライン道理に行った。何もミスはない。腋窩が腫れている?痛い?手術してるんだから仕方がないだろ。少しは我慢しろよ。』
なのか??
一目見れば、(例え、あなたがエコーしない主義?でも)それが通常の経過とは異なる「異様な状況」であることは目視しただけでも解るのでは?
もしも、そう感じないとしたらそれは(経験不足で済まされることではなく)患者さんの診察を常日頃から怠っているということになるのでは??
あなたの頭の中に(完璧な術後療法をやっているのだから)再発する筈はない。だから何度言われても診察するに値しない。などという考えがあるのなら…
そんな考えは今すぐにでも捨てた方がいい。
真実は患者さんの中にこそあり、そしてそれは真剣に診察しなくては解らないものなのです。
2023-10-30 14:07:54 掲示板 2023年10月29日~11月4日 *田澤先生からTS-1についてコメントあり。
久しぶりに掲示板に登場です。
TS-1について…
これを俎上に載せたのは?
2022/11/24 術後補助療法への適応拡大以降、QAにとても目につく存在となりました。
言い換えれば、多くの方が主治医に勧められて「その存在に戸惑っている(納得していない?)」ように見えます。
★それら多くのQに回答しているうちに、 11387「TS-1について」の主治医のように、『ホルモン療法だけでは心許ないけど、点滴の抗癌剤(TC/EC)をやるほどではない』と考えて、選択されているケースとpN2以上で点滴抗癌剤(TC/EC/EC+docetaxel)をやった上に『更に治療を行いたい、(その場合hormone + CDK4/6 inhibitorなんている甘っちょろいものより)適応があるんだから抗癌剤であるTS-1がいい』という両方のケースに大きく分かれます。
コラムに記載した通り、前者は(そもそも抗癌剤の上乗せがないなら)潔くhormone単独とすべき(つまりOncotypeDX low risk)であり、後者は臨床試験のエビデンスからは(TS-1ではなく)CDK4/6 inhibitorをchoiceする方が理論的に正しいのです。(コラム417 参照のこと)
ここでふーちゃん2626says: 2023年10月29日 at 10:36について回答します。
1.大前提にあるのは、
(OncotypeDX)high riskで再発率を下げるのは
(TS-1ではなく)anthracycline or taxaneである
ということ?
⇒これは、「その通り」です。
にもかかわらず、ホルモン+(anthracycline or taxaneではなく)TS-1を勧められちゃうケースがあるということ?
⇒これは「勘違い」では?
OncotypeDXでhigh riskだった場合には普通にanthracyclin or taxaneを勧められた上に、追加としてTS-1を勧められていると思います。
2.その(anthracycline or taxane)あとに
追加するならどうするか?
ここでも”オススメ”はTS-1ではなくabemaciclibということですね?
⇒その通りです。
TS-1の臨床試験では対象者が、anthracycline or taxaneの治療済の方が半数以下。
⇒その通りです。
anthracycline or taxaneをやってみないことには
TS-1の”追加効果”があるかどうか明確ではない、ということ?
⇒ここが、「伝わっていないなぁ」ともどかしいところ(言い換えればTS-1特集を2回連続でやった理由とも言えます)
★臨床試験の対象として、POTENTが何故(monarchEのように)全例anthracycline or/and taxane既治療とせずに半数も(
それら)抗癌剤未治療を許容したのか?
⇒抗癌剤未治療であれば有意差が出そうなのは予想できます。
よく考えてください! 抗癌剤していない群と(TS-1という)経口抗がん剤を追加した群では、(抗癌剤が効くタイプでは)その差が大きい結果となりますよね?
それに対して、抗がん剤既治療同士では(既に点滴抗がん剤が効いていた後なので)TS-1を加えても「殆ど伸びしろがない=差が大きくはならない」ということはご理解ください。
つまりPOTENT試験で、もしも対象を(monarch試験のように)全例点滴抗がん剤既治療同士としてしまうと差が出ないとなりえるのです。
abemaciclibの臨床試験(monarch)では対象者が、anthracycline or taxaneの治療済の方が95%以上。
anthracycline or taxaneのあとに
abemaciclibを追加することに効果があることが証明されている?
⇒まさに「その通り」です。
つまり 点滴抗がん剤の後に「本当に使って効果があるのか?」に正々堂々と「真っ向勝負」しているのはabemaciclibであり、TS-1は、それを敢えて避けていると私は解釈するのです。
長文失礼しました。
2024-04-14 09:00:12 掲示板 2024年4月14日~4月20日
窓から見える春空は、とても暖かそう。
今日も屋上行けるかな?なんて思いながら今さっきコラム 「転ばぬ先の杖 その先 コラム編」をアップロードしました。
急遽動画撮影した先週金曜日の「転ばぬ先の杖 その先」のコラムver.です。
動画は「短いのが肝」という教訓を守るべく、その補足としてのコラムの立ち位置、我ながら満足してます。
江戸川病院に赴任して4月で丸10年を迎えました。
割とすぐに乳がんプラザも開始したので、そのおかげで普通なら全く想像できない数の腋窩再発の手術を経験することができ、更に(まさか)自分が鎖骨上リンパ節再発の手術をするようになるとは、あの東〇公〇病院で10年の経験を積んで、「これが絶頂」と思っていたあの10年前には想像もつかなかった!
誰にもない武器をもってしまった?以上、それを使うのが私の使命
それを感じる時、「明日の手術が楽しみ!待ち遠しい」そう思える今日この頃です。
「毎週金曜日は動画の日」としたのも、「ガンガン行かなくては宝の持ち腐れ?」そんな思いからなのです。