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葉状腫瘍境界型

[管理番号:11663]
性別:女性
年齢:47
病名:葉状腫瘍境界型
症状:
投稿日:2024年03月16日

3週間ほど前に右乳房葉状腫瘍の腫瘍摘出術を受けました。
しこりは8年前に2㎝ほどで見つかり、マンモトームの結果線維腺種として半年置きに経過観察しておりました。
昨年11月頃から急激にしこりが大きくなり、12月のマンモトームで葉状腫瘍の可能性を否定出来ないという事で、MRIやCTなども経て今年2月に手術。
取り出した時点で8㎝×6㎝×4㎝の大きさの腫瘍になっていました。
病理の結果説明では葉状腫瘍の「境界型」これから生活上で気を付ける点も特になく、万が一再発したらまた摘出しますので今後半年置きに診ていきましょう…で終了しました。
しかし帰宅後、病理の詳細が書かれた用紙を読んで不安になりました。
「標本上の断端部に紡錘形細胞が見られているところが多いため、断端陽性の可能性が高いです」と書いてありました。
陽性の可能性についての説明を全く受けていなかったので、手術した病院に連絡をして説明を求めましたが
「可能性があるというだけで再手術となると体への負担が大きいので、もしも再発したら小さいうちにまた切除する方針で考えています」「今回、腫瘍を取りきれてると思いますので、再発しない可能性も十分あるので」と言われました。

田澤先生は葉状腫瘍の境界型で断端陽性の可能性が高い場合、どういう方針でいらっしゃいますか?
やはり、元々の腫瘍の大きさを考えても追加手術か右乳房を全摘の方向でしょうか?

又、断端に「紡錘形細胞が見られているところが多い」という事は、今回の手術ではほとんどマージンを取ってくれなかったと考えて良いでしょうか?
手術前は「葉状腫瘍である可能性を考えて、やむを得ず正常な乳腺も一緒に切り取りますからね」と説明を受けましたが、この結果です。

もう1つ気になるのが「検体全体が白色調腫瘍で被膜が明らかではありません」「腫瘍境界が浸潤性境界であるため境界病変とします」という一点です。
被膜が明らかでない状態、浸潤性境界、これは境界型と言うより悪性なのではと不安なのですが、田澤先生の見解はいかがでしょうか?

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

メール読みましたが、これは大変気になる内容と言えます。

「昨年11月頃から急激にしこりが大きく」「8cm」「断端陽性」「境界が浸潤性境界(これはinvasive growthと表記され境界悪性以上と判断する最重要ポイントとなります)」
⇒これはターニングポイントとなりえます。

(病理所見からは)再発の可能性は高いと言えるし、もしも再発したら「悪性」葉状腫瘍となる可能性も高いと思います。

「可能性があるというだけで再手術となると体への負担が大きいので、もしも再発したら小さいうちにまた切除する方針で考えています」「今回、腫瘍を取りきれてると思いますので、再発しない可能性も十分あるので」と言われました。
⇒申し訳ありませんが…
余りにも「葉状腫瘍の怖さを知らない」無責任な(失礼な言い方かもしれませんが、
本当に葉状腫瘍の怖さを知っていれば「自分の家族」にもこのようにするのか?甚だ疑問です)

田澤先生は葉状腫瘍の境界型で断端陽性の可能性が高い場合、どういう方針でいらっしゃいますか?
やはり、元々の腫瘍の大きさを考えても追加手術か右乳房を全摘の方向でしょうか?

⇒無論、手術です。

又、断端に「紡錘形細胞が見られているところが多い」という事は、今回の手術ではほとんどマージンを取ってくれなかったと考えて良いでしょうか?
⇒そのような印象を(病理レポートからは)受けます。

もう1つ気になるのが「検体全体が白色調腫瘍で被膜が明らかではありません」「腫瘍境界が浸潤性境界であるため境界病変とします」という一点です。
被膜が明らかでない状態、浸潤性境界、これは境界型と言うより悪性なのではと不安なのですが、田澤先生の見解はいかがでしょうか?

⇒ここは誤解されていますね。

葉状腫瘍のグレードのポイントは
周辺の増殖が「invasive growth(浸潤性増殖)」か、どうか?

⇒invasive growthの場合には「境界悪性以上(境界悪性もしくは悪性)」となることは事実です。(と、いうかここがポイントとなります)

その上で更に「細胞分裂が多い」や「多型性、異型性」などが加味されて(それらが強い場合に)「悪性葉状腫瘍」となります。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/4/25
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