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抗がん剤 必要でしょうか

[管理番号:7261]
性別:女性
年齢:61歳
病名:両側乳がん
症状:ステージⅡA

手術日:2019年2月(中旬)日
診断:右乳癌 ⅡA ・左乳癌 ⅡA
手術手技:1.右 円状部分切除術+腋窩リンパ節摘出術(4個)
     2.左 円状部分切除術+腋窩リンパ節摘出術(1個)
術後病理診断:両側乳癌
1.右
病理学的腫瘍径 10×6mm
組織型 浸潤性入管癌 硬癌
リンパ管侵襲: Iy1 静脈侵襲 V0
乳管内成分: + 断端 -⇒切除範囲は十分です
所属リンパ節: 右センチネル 1/4 4個中1個に転移在り
ER:3+ PGR:3+
Her2:-
Ki-67標識率:10%
2.左
病理学的腫瘍径 11×7mm
組織型 浸潤性入管癌 硬癌
リンパ管侵襲: Iy1 静脈侵襲 V0
乳管内成分: + 断端 -⇒切除範囲は十分です
所属リンパ節: 右センチネル 1/1 1個中1個に転移在り
ER:3+ PGR:3+
Her2:-
Ki-67標識率:20%
補助治療
1.温存乳房照射(両側)

2.補助療法
  ホルモン剤5年服用を強く進めます
  抗がん剤4は4、副作用との兼ね合いもありますので、放射線治療後
  再度説明、相談します。

と説明を受け、3月(中旬)日より放射線治療(16回)受けます。

抗がん剤ですが、
再度説明、相談とありましたが、主治医的には
リンパ転移1個だったので、3週ごと4回を考えておられるようでした。
放射線の先生と話の中で、ホルモン剤が効く癌だからホルモン治療をしっかりしなさいと言われました。

癌になり、乳がんプラザさんにたどり着き、毎日毎日皆さんの相談を読まさせて頂き、自分的には、抗がん剤は必要ないのではと思いました。

毎日毎日、抗がん剤の事で頭がいっぱいです。

先生!アドバイス お願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「リンパ転移1個だったので、3週ごと4回を考えておられるようでした。」
→「リンパ節転移」と「抗がん剤が効くかどうか?」は無関係です。

 Ki67=10%(右) 20%(左) であれば、ルミナールAと想定して「ホルモン療法だけ」でいいと思います。
 どうしても不安ならば「OncotypeDXしてみましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

抗がん剤 必要でしょうか 再度です
性別:女性
年齢:61歳
病名:両側乳癌
症状:ステージⅡA 

おはようございます
「管理番号:7261 抗がん剤必要でしょうか」質問者です。

 ご回答頂き、勇気が湧いてまいりました。

 前回、問合せフォームにアクセス出来たことにビックリと嬉しさで、
 入力せねば!抗がん剤!が先行し、ご挨拶もしないまま誤字の有る本
 題に突入し大変失礼をいたしました。

 今回、貴重な質問枠をもう一度使わせて頂きたくよろしくお願いいた
 します。

 ①所属ネルリンパ節:右1/4 1個転移・左1/1 1個転移
 左1/1 1個転移⇒1個だけで、次のリンパ節に転移が無いと言える
 のでしょうか。

 今週のコラム119回目を読ませて頂き次のリンパ節に転移が、有るの
 ではないかと心配です。

今週のコラム 119回目 『(エコーで認識されてから、腋窩郭清されるまでの)「3年間が勝負(その後の遠隔転移の出現の有無)を決めた」私は、そう考えるのです。

 また、術前説明で、リンパ転移が有っても鎖骨上放射線照射するから大丈夫と説明が有りましたが、術後鎖骨上照射指示は、有りませんでした(放射線科医に確認して頂きました)。
次のリンパに転移してい
 たらと思うと心配です。

 ?乳がんプラザ Q&Aの中に
 組織異形度・細胞核異形度・核グレード・PN1mi 2mm以下 等
 が出てきます。
私の術後病理診断には、記載されていません。

 前回記入いたしました術後病理結果から、読み取る事は出来ますで
 しょうか。

 ③補助療法:ホルモン剤治療のみの再発率・抗がん剤の上乗せでは、
 何%セント上乗せに成りますでしょうか。

 田澤先生 よろしくお願いいたします。

 1月に定期健診時、癌の疑いとなり当日乳腺針生検:ステージⅠリンパに転移なし⇒術前検査時、CT・骨シンチ・エコー:8ミリ リンパ転移なし(転移していても鎖骨上にも放射線照射をするから大丈夫)⇒術後説明(切除物を見ながら家族説明):綺麗に取れました・
 リンパ転移なし(主人の話では、リンパ硬く無かった)⇒術後病理診断説明:リンパに転移無と思っていましたが転移していました。
ステージⅡA・リンパ1個転移なので、軽い抗がん剤3クール4回。
放射線照射、温存乳房照射(鎖骨上指示なし)
 説明のたび悪い方に悪い方なり、再発怖いよ!何年生きれるの?正直
 不安です。
知識が無い事は、悲しい事ですが、「乳がんプラザ」を開き、読み、知識・勇気を頂いております。
感謝・感謝です。

 家族に、「抗がん剤はしません!放射線照射+ホルモン療法とします」と宣言したところ、リンパ転移が有るのに何年か後に体の何処かに癌が出てきたらどうするのか!
 又 某大学病院の乳癌最新治療のページに療腋窩リンパ節転移のある乳がん患者さんは、再発する危険性が高くなるために、抗がん剤で再発を予防しています。
約3~4割の方に再発を予防できる効果が期待できます。
を読み反対されています。

 得た知識で、説得したいと思います。

 
 

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①所属ネルリンパ節:右1/4 1個転移・左1/1 1個転移 左1/1 1個転移⇒1個だけで、次のリンパ節に転移が無いと言える のでしょうか。」
→まずは、『今週のコラム 163回目 乳癌診療の基本2 腋窩リンパ節の取り扱い 「そりゃ、もう大騒ぎさ」』をまずは、ご参照ください。

 通常は「事前に」術中のセンチネルリンパ節生検の取り扱いについて「同意」していなくてはいけません。
 今回も、「それ(同意)」がないために、このような事態となっているのでしょう。

 ★常識的に考えれば「郭清省略するのであれば、本当に2個以内なのか?最低3個以上はセンチネルリンパ節生検すべき」と思います。(最初から1個でも転移があれば、追加郭清ならば1個でいいのですが)

「 今週のコラム119回目を読ませて頂き次のリンパ節に転移が、有るのではないかと心配」
→上記とおり。(本来は「事前に、取り決め(同意)しておくべき」話です。

「術前説明で、リンパ転移が有っても鎖骨上放射線照射するから 大丈夫と説明が有りました」
→誤り。

 (もしも)3個以上あったら「照射で大丈夫」というエビデンスはありません。

「 ③補助療法:ホルモン剤治療のみの再発率・抗がん剤の上乗せでは、何%セント上乗せに成りますでしょうか。」
→それを知りたければ・

 OncotypeDXしてください。

「某大学病院の乳癌最新治療のページに 療腋窩リンパ節転移のある乳がん患者さんは、再発する危険性が高くなるために、抗がん剤で再発を予防しています。約3~4割の方に再発を予防できる効果が期待できます。」
→誤り。
 『今週のコラム 164回目 乳癌診療の基本3 サブタイプとは 『リンパ節転移と抗がん剤は無関係であることは2015年にSABCSで発表されています。』』を熟読してください。

★まずは、今週のコラム 乳癌診療の基本1~10まで、一通り目を通しましょう。

今週のコラム 159回目 乳癌診療の基本1 『乳癌の治療で最も重要なことは治療を「局所療法」と「全身療法」に分けることなのです。』
今週のコラム 160回目 『術後、何回受診が必要なの?』『放射線や化学療法は地元でもできるの?』
今週のコラム 163回目 乳癌診療の基本2 腋窩リンパ節の取り扱い 「そりゃ、もう大騒ぎさ」
今週のコラム 164回目 乳癌診療の基本3 サブタイプとは 『リンパ節転移と抗がん剤は無関係であることは2015年にSABCSで発表されています。』
今週のコラム 165回目 乳癌診療の基本4 説明同意書入院案内 『気が済むまでうがいをして、”随分良くなった”と自分自身が信じること」それが大事です。』
今週のコラム 166回目 乳癌診療の基本5 手術当日~退院 明日になったら、驚く程「楽に」動かせるようになりますよ
今週のコラム 167回目 「絵に描いた餅」ではなく、実際に多数の臨床試験で一貫した結果が証明されていることです。
今週のコラム 168回目 乳癌診療の基本 7 taxane単独regimenであるTCは、anthracyclene単独regimenであるAC/ECよりも効果が高いことが示されている。(SABCS 2007)
今週のコラム 169回目 乳癌診療基本8 ポイントは「アレルギー」「筋肉痛」「全身検体(だるさ)」
今週のコラム 171回目 乳癌診療の基本9 high risk regimenとしてPegfilgrastim(ペグフィルグラスチム)注 26 )の適応があります。
今週のコラム 174回目 乳癌診療の基本10 後半(3回目以降)から痺れ と浮腫み がありますが十分対処できます
 
 

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

質問3 抗がん剤 必要でしょうか
性別:女性
年齢:61
病名:両側乳癌
症状:ステージⅡA硬癌

おはようございます。
 
田澤先生、2回にわたり回答頂きありがとうございました。

2月に両側乳癌温存手術後、3月より放射線照射(合計2.66×16=42.56
グレイ)4月10日で、終了致しました。

術後、病理診断時 主治医より
右センチネル1/4 ki-67標識率10%
左センチネル1/1 ki-67標識率20%
リンパ節1個転移の為、抗がん剤(放射戦治療後に再度説明・相談)に
対して、自分は「抗がん剤をしたく無い」事もあり、田澤先生にご質問
をさせて頂きました。

田澤先生からのご回答・今週のコラム・BLOGを読まさせて頂き放射線治療終了後の診察時、「抗がん剤はしない」事を主治医にお話をするつもりで行きましたところ、主治医から「ホルモン剤が良く効くので、ホルモン剤服用(フェマーラ)で良いでしょう」と田澤先生の回答通りと成りましたが、主治医の方針が変わる事で不安でも有ります。

再度質問を致したくお願いいたします。

①センチネルリンパ1/1転移に対して
 ・1/1転移と有りますが、2個3個には転移していないのでしょうか?
 答:していないと考えています
 ・センチネルリンパ転移は、微小転移ですか?
 答:微小です

リンパ転移2個3個の転移の証拠が無いので、すごく不安です。

現在、脇の下が痛い・腫れている事は有りません。

定期的にエコー検査を受けた方が、よろしいでしょうか?
?知人が、ペットを進めます
 ペットは、有効でしょうか?
③10年前から市販のプラセンターを飲んでいました。

 癌が1cmに成るのに10年としたら、10年前の変化点が
 プラセンタ服用を始めたことなので、現在は、飲んでいません。

 プラセンターは、乳癌に影響を与えますでしょうか?

田澤先生 何度も何度も申訳ございません。

よろしくお願いいたします。

 

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「定期的にエコー検査を受けた方が、よろしいでしょうか?」
⇒その責任が主治医にはあるのでは?

「?知人が、ペットを進めます  ペットは、有効でしょうか?」
⇒(もしも転移が残存していたとしても)それは、「PETで解るほどのものではない」でしょう。

「プラセンターは、乳癌に影響を与えますでしょうか?」
⇒与えません。