こんにちは。田澤です。
寒くなりました。
「雪」
昨日のニュースでは「山形で雪」映像では「雪かき」していました。
雪といえば…
私は新潟産まれ、新潟育ち(高校卒業まで)
小学生のころまでは新潟(市内でしたが)は,雪が多かったですね。
道路に雪が積もると、「ミニスキー」を履いて遊んだり(長靴に直接固定するアレです)
、もの凄く降ると「カマクラ」を作ったり(せいぜい、子ども1人入れるかどうか?程度の大きさでしたが)
ただ、(地球温暖化により)高校のころには雪も随分少なくなっていました。
大学からは仙台ですが、仙台は(太平洋側なので)雪が少ないとはいえ、やはり東北。年に数回は雪かきをするし(その時期には)日頃のランニングも大変でした。
ただ、仙台時代はそれを逆手にとって「スキー三昧」でした。
大学時代は30分もすると「泉ヶ岳」スキー場に行けるので、部活終わりに車で(あらかじめ屋根のスキーキャリアにスキー板を載せておくのです)そのまま「ひょい」とナイタースキーを楽しんでいたり。
医師になってからは土日どちらかに高速飛ばして「APPI]でスキーしていました。(山形蔵王も悪くはないですが、雪質がAPPIの方がいいし、コブが長いのです)
♯ 東京に来てしまうと、「苦労してまでスキー場に」行くほどにはスキー好きでないことが自分自身判明して、すこし寂しく思います。
「贅沢な悩み」
東京に来てから4年半となりますが…
冬の過ごしやすさったら、「半端ない」ですね。
昨日は祝日だったので朝4:30のランニング。今シーズン初めて「手袋してくれば良かった」と後悔するほど冷えましたが、あの「山形の雪模様」をテレビで見てしまうと、「贅沢な悩み」と言えますね。
『術後、何回受診が必要なの?』『放射線や化学療法は地元でもできるの?』
6957「手術先行できないのか?」質問2での内容です。
昔から多い質問であり、過去には『今週のコラム67回目 「術前や術後に、一体何回くらい外来受診が必要なの?」(2017.2月)』にも掲載していますが、さすがに乳がんプラザ自体これほどvolumeが多くなってくると、探し出せないことも「さもありなん」です。
そこで、(本来は「乳癌診療の基本2」を掲載予定でしたが)急遽、「今週のコラム」で掲載することとしました。
〇術前受診
『術前に、何回受診必要なの?』
2回、必要です。
受診のパターンには(大きくわけると)3つあります。
①乳がんプラザからの「手術申し込みメール」
(間に秘書が入り)私とのやりとりの後「外来受診日」を決めて予約受診します。
②水曜日「予約外」受診
現在「江戸川」は電話予約できないシステムになっており、患者さんが電話予約しようとしても受付で「新患予約はできないので、水曜日予約外受診してください。」と案内されます。
これは、かなり長時間の「待ち時間」が予想されるのでお勧めできませんが「お急ぎ」の方や、乳がんプラザの存在を知らない方はこのようにしています。
③(他院からの)セカンドオピニオン経由
新患予約はできないのですが(上記②参照)、唯一「セカンドオピニオン」の場合には(新患でも)予約できます。(そもそもセカンドオピニオンで再診というケースはありませんが)
普通に、病院受付に電話すると「乳腺外来の看護師」が(だいたい、1か月以内かな?)予約してくれます。
以外と多いのがこれです。
厳密に分けると、これも2つに分けられます。
③-1 純粋なセカンドオピニオン目的で受診→(その結果)当院への転院を希望される。
セカンドオピニオンで、私がいろいろ話をした結果、患者さんが「転院しようかな?」というケースです。
この場合には、セカンドオピニオンの際に「転院するにはどうしたらいいのか?」と聞かれるので、「希望なら、手術申し込みメールしてください」とお答えしています。
③-2 (最初から)転院目的のセカンドオピニオン
もとの病院に「転院は言い出しずらいが、セカンドオピニオンなら、なんとか言い出せる」
結構多いパターンです。
この場合にも③-1同様、「手術申し込みメール」してもらいます。
★手術前までは2回受診が必要ですが、セカンドオピニオンでの受診もカウントされます。
つまり
①②の場合には
初診日 診察→(帰り際に)全身麻酔のための術前検査(採血、心電図、胸部レントゲン、呼吸機能検査)
2回目外来 説明同意書、入院案内
③の場合には
初診日(セカンドオピニオン) 診察も検査もなし
2回目外来 術前検査→診察→説明同意書入院案内
質問です。
遠くて、外来に家族は一緒に来れないんだけど…
手術の時は一人じゃダメ?
大丈夫です。
外来時に、ご家族の来院は、不要です。お一人でいらっしゃる方が多いです。
昨今は、お忙しいご主人も多いし、(お子さんが小さくて)家に留守番しなくてはいけないご事情もあります。
また、(手術)入院の際にも、ご家族が来院されなくても構いません。(遠方の方だと、半数位はお一人です)
〇手術入院
『手術の入院は何日間?』
3通りあります。
①2泊3日
・温存手術(年齢や郭清に関係なく)
・全摘手術(50歳代前半まで、郭清に関係なく)
②3泊4日
・全摘手術(50歳代後半から)
③6泊7日
・全摘同時再建
〇「2泊3日」と「3泊4日」の違いは、「尿管を入れるのか?」です。
「2泊3日」では、(尿管は入れずに)術後4h安静解除、トイレ歩行するのです。
全摘でも若い方は元気なので、「4h後トイレ歩行→翌日他院(2泊3日)としたのです。
同時再建の場合には(形成外科で)ドレーン留置するので、(水)入院(木)手術→(火)退院となっています。
〇退院後
『退院してからは、どうなの?』
『傷の消毒とか、通うの?』
病理結果が出揃う(術後4週間後)まで、通院はありません。
傷の消毒は不要です。(自宅消毒などもありません)
手術翌日(2泊3日の方にとっては退院当日ということ)に創部を綺麗にしてテープ貼り換え処置をしています。
創処置は、この1回で終了です。(後日処置は不要です)
重要なことは
・ 溶ける糸(吸収糸)で縫合しているので抜糸は必要ない。
・ 吸収糸は中縫い(皮膚の表面には出ていない)なので消毒を含めた処置は一切不要
・ 2日間で皮膚は閉鎖するので、温存の方は「2日間は濡らさない」全摘の方は(創部が長いので、余裕を見て)「5日間は濡らさない」としています。
・ 「濡らさない」といっても、退院当日からシャワーや洗髪など全く問題ありません。あくまでも創部を「グシャグシャに濡らしたり、湯船に創部までつかる」のを上記期間遠慮してもらっているだけです。
・ 濡れているうちに(創部を覆っている)テープは紙だから自然に剥がれますが、(すでに役目を終えているので)剥がれたら剥がれっぱなしでOKなのです。
〇初回受診
『初回受診は術後4週目なのね?』
『その時、病理結果のお話しがあるのね?』
その通りです。
Ki67がneckとなるので、全ての結果が出揃うのに3週間以上かかるので、(一律)4週目としています。
『病理結果の説明をして、治療方針を決めます。』
『焦点となるのは、まずは抗がん剤の有無となります。』
〇抗がん剤
『抗がん剤? 怖いわ。』
『私、静岡なんだけど、通えるかしら?』
『それとも、抗がん剤は地元で行うの? (その場合)地元に紹介してもらえるのかしら?』
抗がん剤は通えます。
実際、殆どの方が通っています。
『(九州から)飛行機で通院したり(北東北や関西から)新幹線で通院されたりです。』
『抗がん剤は3週間に1回なので通えるのです。そこが(連日通院が必要な)放射線とは違うのです。』
『えーっ、大丈夫? 帰りに吐いたりしないの?』
『それと(1週間とか2週間後とかに)具合悪くなって入院したりしないの?遠方だと心配だわ。』
『まずTCだと副作用の出現時期が2日後の午後からなので全く問題ありません。』
『EC(などアンスラサイクリン)でも夜からだから大丈夫なのです。(イメンドなどの制吐剤の威力もあります)』
『また(その間に)具合が悪くて病院を受診したり、入院することはありません。「宛名無の紹介状」をお渡ししていますが、使う方は滅多にいません。』
『もしも、地元で(抗がん剤を)受けたい場合には紹介してくれるの?』
『勿論です。』
『実際には… 遠方の方の1/4くらいで、そのようにされていますね。』
『ご自身で探す場合もありますが、(当院の)地域連携室を介して探す方も多いです。』
〇 放射線
『放射線が必要なケースって?』
温存(部分切除)の場合は(原則として)全例で適応
全摘の場合には「リンパ節転移4個以上」の場合、適応
『温存の場合は何回必要なの?』
『15回です。今年の4月からガイドラインが変わったのです。』
『ただ全摘後の照射(PMRT:post mastectomy radiation therapy)は25回となります。(照射部位は「胸壁及び鎖骨上」です)』
『遠方から通う方はいるのかしら?』
『放射線って、どこでも一緒?』
『照射は連日なので、(遠方の方では)地元で行う方が(抗がん剤とは真逆に)圧倒的に多いです。』
『ただ、当院ではtomotherapyなので、こだわって当院で(頑張って)照射する方はいらっしゃいます。(多くはないですが)』
注)tomotherapyはIMRT:intensity-modulated radiation therapyとIGRT:image-guided radiation therapyによる「ピンポイント照射」です。
『へぇー。江戸川で照射する人ってどうしてるの?』
『3通りです。多い順に「入院して照射」「(江戸川に)weeklyマンションを借りて照射」「新幹線などで(連日)通院」』
『連日ですから… 経済的負担も大きいですね。 また入院の場合には(原則)外出外泊できません。』
『私は、地元で照射しようかしら?』
『紹介してくれるのね?』
『その通りです。』
『そもそも、放射線治療設備は大がかりなので、小さな病院にはありません。』
『「手術と抗がん剤はできる」けど、「放射線照射は地域拠点病院に紹介する」という病院は多いのですよ。』
『その意味では、放射線科は「(他院から)紹介されることに慣れている」のです。』
〇ホルモン療法
『ホルモンは?飲み薬?』
『その通りです。(30歳代の場合にはLH-RHagonist皮下注もありますが)』
『内服も注射も通院は、3か月に1回(処方は3か月処方)となります。』
『さすがに3か月に1回だと、(遠方でも)ほぼ全ての患者さんが当院で行ってますね。』
〇術後の定期診療
『術後の定期診療は? CTとかするの? 診察は?』
『(ホルモン療法している患者さんの場合には)3か月に1回受診の度に診察、超音波しています。 ホルモン療法の無い方は半年ですね。』
『採血、腫瘍マーカーは半年に1回、(無駄な被爆である)CTを定期的に撮影することはありません。腫瘍マーカー上昇時にだけ、PETやCTを撮影します。』
『それと、1年に1回のマンモですね。』