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オンコタイプDX結果の解釈について

[管理番号:7355]
性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:

田澤先生はじめまして。

毎日Q&Aを拝見し勉強させていただいております。

27日に質問を送信できたと思っていましたがうまくできていなかったようなので改めてお伺いいたします。

連休明けに主治医との診察があるため参考にさせていただきたく何卒よろしくお願いいたします。

◆経緯
・2019年3月 右乳房温存手術
・2019年4月 放射線治療終了
・現在オンコタイプDX結果により化学療法を追加するか検討中

◆術後病理結果
・T2N0M0 ステージIIA
・浸潤性乳管がん
・f、ly1、V0
・浸潤径:約20×13×21mm大
・ER:陽性70%以上
・PgR:陽性70%以上
・HER2:1+
・KI67:約30%
・核グレード:2
・センチネルリンパ節生検:陰性

◆オンコタイプDX結果
<リンパ節転移陰性>
・再発スコア:21
・9年遠隔再発率(AIまたはTAM単独):7%
・化学療法の上乗せ効果(RS11-25全年齢):<1%
・定量的単一遺伝子スコア:9.7 ER陽性、7.6PR陽性、7.7HER2陰性
・注釈:RS21‐25 50歳以下 化学療法の上乗せ効果 「~6.5%」

◆参照コラム
今週のコラム 143回目 「リンパ節転移無」においては51歳以上ではRS26から、50歳以下ではRS21から化学療法によるbenefitがある

【質問】
新しいフォームでのオンコタイプDX結果の解釈についてご教示ください

①遠隔再発率
・RS21の9年遠隔再発率は「7%」と記載されていますが、これは腫瘍径や年齢は関係なくRSスコアごとに表示されている%でしょうか。

・以前のRS21の再発率はもっと高かったような印象があるのですが、
遠隔再発率の表記が10年→9年となるなどTAILORx試験結果が反映され基準も変わったことで低くなったということでしょうか。

②化学療法上乗せ効果
RS21で50歳以下の化学療法の上乗せ効果が「~6.5%」と中央部の表に記載されていますが、
・再発率7%だと7―6.5=0.5%まで再発率が下がるということなのでしょうか
・または、6.5%は上限値のため、RS20の上乗せ1.6%を差し引きしてRS21-25の5スコアで割り、RS21の場合は約2.58%ほどの上乗せ効果があるという理解でよろしいでしょうか
(6.5-1.6=4.9 4.9÷5=0.98 1.6+0.98=2.58→RS21の上乗せ%。
9年遠隔再発率は
7-2.58=4.42%に減らせる?)
・もしくは中央部の表に記載されている年齢別の上乗せ効果はあくまで「参考数値」であり、
「再発スコア結果(RS)21」の段の一番右に記載されている「化学療法の上乗せ効果:<1%」の数字を信じて判断すればよいのでしょうか

③田澤先生のご意見
オンコタイプの結果と参照コラムから、田澤先生であれば抗がん剤をすすめますでしょうか?
(一番お伺いしたいことです・・・)

④ステージの解釈
オンコタイプの質問とは外れますが、腫瘍径が2.1cm大となりステージ1→2に上がってしまいました。
予後を考えるにあたっては、この1mmの差で大きく変わるというよりは、「ステージ1よりの2」と解釈してもよろしいのでしょうか。

(毎年人間ドックで触診・超音波検査も受けていたのですが「著変なし」という診断だったのでもう少し早く発見できていればと悔やむ思いもあります…)

主治医からは「RS21で50歳以下のため上乗せ効果がある」としてTC3ヶ月をすすめられましたが、9年遠隔再発率も7%とそこまで高くはないと感じており、化学療法による上乗せもあっても3%ほどなのではと思っています。

化学療法をできれば避けたく、高額な費用を払いオンコタイプDXを行いましたが、残念ながら低リスクではなく、コラムでもbenefitありとなっていた「21」という結果に効果と副作用の見合いでやるべきなのかずっと思い悩んでいます。

連休明けに化学療法をやるのかどうか回答することになっているため、
田澤先生のご意見をいただきたく、ご多用の中恐れいりますがご回答よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①遠隔再発率
・RS21の9年遠隔再発率は「7%」と記載されていますが、これは腫瘍径や年齢は関係なくRSスコアごとに表示されている%でしょうか。」

⇒その通りです。

「遠隔再発率の表記が10年→9年となるなどTAILORx試験結果が反映され基準も変わったことで低くなったということでしょうか。」
⇒その通りです。

 「リンパ節転移陰性でありスコアが11~25の場合、再発率については以前まではB-14試験データを採用していましたが、現在はテイラ-Xのデータを採用している」から変更となっています。

 

「・もしくは中央部の表に記載されている年齢別の上乗せ効果はあくまで「参考数値」であり、「再発スコア結果(RS)21」の段の一番右に記載されている「化学療法の上乗せ効果:<1%」の数字を信じて判断すればよいのでしょうか」
⇒その通りです。

「③田澤先生のご意見 オンコタイプの結果と参照コラムから、田澤先生であれば抗がん剤をすすめますでしょうか?」
⇒勧めません。(上乗せ1%未満なのに勧めますか?)

「この1mmの差で大きく変わるというよりは、「ステージ1よりの2」と解釈してもよろしいのでしょうか。」
⇒ステージ1でいいでしょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2 LH-RHagonistの追加について】

性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:

田澤先生

明確なご回答本当にありがとうございました。
心から感謝申し上げます。

診察が迫っていた焦りから、質問が届いているか不安になり送信を重ねてしまったこと、お詫び申し上げます。

自身でもよく考えた上で「抗がん剤はしない」という決断をしました。

田澤先生にご回答をいただき、自身の決断の背中をおしていただけたようでホッとし、ご回答いただけた日は久しぶりによく眠れました。

度重なる質問かつ先生が方針を示されている内容でもあり申し訳ありませんが
以下ご教示いただけますようよろしくお願いいたします。

【質問】
主治医に抗がん剤をしない旨を伝えると、LH-RHagonist5年の追加を勧められました。

こちらのサイトで勉強していたので「35歳以下ではないため上乗せ効果はなく、必要ないのではないか」と申しあげたところ、

◆オンコタイプRS21でサブ解析の化学療法benefitあり
◆30代(39歳だが卵巣機能には個人差もあるため)
◆腫瘍径2cm超
◆脈管侵襲あり

上記理由から、抗がん剤をしないのであれば「再発リスクが高い」と判断し、LH-RHagonistの必要性があると考えるとのことです。

一旦その日の診察はノルバデックスを1ヶ月処方してもらうのみとしましたが、
①わたしの症例は再発リスクが高くLH-RHagonistは必要と思われますか?
(乳癌診療ガイドラインの「化学療法を必要とする症例」にあたると解釈できるのでしょうか。

または必要性は高くないがやってみてもいいレベル等ありますか?)

②必要である場合、5年という期間は妥当ですか?

③まずやってみて副作用が強く出て辛いようだったらやめてもいいとは
言ってもらっていますが、どのくらい(2年など)続ければ一定効果があるなど示されているものなのでしょうか

④術後3ヶ月以内までになど、始めるまでの期間の制限はあるのでしょうか
(1、2年後にやっぱり不安だからやっておく、と判断することができるものなのでしょうか)

⑤ノルバデックスを飲みはじめて約1週間、頭痛・吐き気・睡眠障害などの症状は出ていますが、今後ひどくなるというよりは慣れて軽くなっていくものでしょうか

【参照 コラム】
今週のコラム 170回目 化学療法閉経後に月経が復活した場合にはLH-RHagonistを併用したほうが(予後が)いいことはSOFT試験 で証明されています。

【参照 WHAT’s new!】
ホルモン療法の基本 薬剤には厳格な「適応」があることを、まずはご理解ください。

【参照 あるあるQ】
タモキシフェン、リュープリン(LH-RHagonist)について気になる方は『Q&A 2019年04月16日1 タモキシフェンの効果』をご参照ください。

【参照 乳癌診療ガイドライン2018】
CQ1.閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として何が推奨されるか?
(抜粋)再発リスクが高い対象集団(35歳以下,腋窩リンパ節転移陽性,化学療法を必要とする症例)においては,LH―RHアゴニストとタモキシフェン併用療法の有効性が示唆される

主治医が勧めていた抗がん剤をお断わりし、最終的にはわたしの希望を尊重してくれましたが、注射においても再び断るとなると気まずさも多少あります。

また、「リスクが高い」と何度も言われてしまうと不安になってしまい、
申し訳ありません…
ご多用の中恐れいりますが何卒よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①わたしの症例は再発リスクが高くLH-RHagonistは必要と思われますか?」
→思いません。

「②必要である場合、5年という期間は妥当ですか?」
→もしも、やるなら…
 至適投与期間は定まっていませんが、もしもやるなら(やる必要はないと思いますが)5年間でしょう。

「どのくらい(2年など)続ければ一定効果があるなど示されているものなのでしょうか」
→そもそも、質問者のケースで「効果がある」というエビデンスそのものが無いのです。

「④術後3ヶ月以内までになど、始めるまでの期間の制限はあるのでしょうか」
→ありません。

「今後ひどくなるというよりは慣れて軽くなっていくものでしょうか」
→それは十分に期待できます。

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

併用の利益について
性別:女性
年齢:39歳
病名:
症状:

田澤先生

先日はご回答ありがとうございました。

田澤先生のご回答にいつも前向きな気持ち
をいただいています。

何度も申し訳ありませんが再度質問をさせ
てください。

LH-RHagonistの併用は必要ないだろうとのご回答をいただき、自分としてはどうしようか考えていたところ、先日別の方(7347)へのご回答で
・実際は30歳代では薦めることも多い
・30歳代であれば併用の利益もあると回答されているのを拝見しました。

7347:Ki67とher2、オンコタイプについて

【質問】
①わたしも30歳代なので併用のほうが望ましいでしょうか(利益が期待できますか?)

②LH-RHagonistによる副作用は効果がある期間の一時的なもので、投薬終了後、
卵巣やその他全身に影響が残るものではない、という理解で正しいでしょうか

③副作用は年齢が上の方よりも30代以下のほうが強く出る傾向にあるのでしょうか

LH-RHagonistは抗がん剤の一種と記載されている情報もあり、不安に感じているところもあるのですが、30代ということで併用の利益が期待できるならやろうと思っています。

おかげさまでノルバデックスの副作用はたまに頭痛があるくらいに落ち着き、穏やかに過ごせています。

何卒よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「①わたしも30歳代なので併用のほうが望ましいでしょうか(利益が期待できますか?)」
→39歳ですね。
 ご本人が希望されれば、してもいいでしょう。(厳密な基準はありません)

「②LH-RHagonistによる副作用は効果がある期間の一時的なもので、投薬終了後、卵巣やその他全身に影響が残るものではない、という理解で正しいでしょうか」
→その通り。
 一般に、(卵巣に対する作用も)可逆的であることが知られています。

「③副作用は年齢が上の方よりも30代以下のほうが強く出る傾向にあるのでしょうか」
→一概には言えません。(経験上)

「おかげさまでノルバデックスの副作用はたまに頭痛があるくらいに落ち着き、穏やかに過ごせています。」
→それは何より。

 それであればトライしてもいいかもしれません。(逆に「せっかく、今がいいバランスだから、このまま」という考え方もあります)
 ご本人の積極性次第と言えます。

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