昨日、土曜日雨でした。
ベランダでの食事
炭水化物摂り過ぎ? って声も聞こえてきそうですが… これが旨いんです。
日曜日屋上
昨日とは、うって替わっての気持ちいい午後!
久しぶりに半袖で屋上へ繰り出しました。
日差しでチョコレートも溶けていたのにビックリ。 そんな季節になったのです。
○ 本文
この1週間、YOUTUBEのことをあれこれ考えていました。
掲示板でのご意見、ご提案大変刺激を受けています。
その中で、一番ストンと入ってきたのが ねねさんの『ガイドラインは絶対か』でした。
治療指針の合理的側面を踏まえた上で、目の前の患者にふさわしい治療を機動的に考える結果,当該治療が指針と一致しない場合はしばしばある。それが真に患者の幸福を願う治療であることを忘れてはならない。
術後経過観察中の患者さんの診察エコーで「腋窩」再発を確認。
その医師はどうするでしょうか?
「腋窩に再発している! でも、これくらいなら(腋窩郭清ならば)普段もやっているし、自分にもできる筈だ」
(と、思いつつも)もしかして、この医師はガイドラインを確認するかもしれません。
そこには、こう記載されています。
初回腋窩リンパ節郭清後の腋窩リンパ節再発に対する外科的切除は勧められるか?
⇒初回腋窩リンパ節郭清後の腋窩リンパ節再発では外科的切除を行う
乳癌診療ガイドライン 治療編2022年版 p354
更に根拠として(選択バイアスを含んでいる可能性に注意が必要としたうえで)
再腋窩リンパ節郭清群(5年生存率82.5%)vs 再郭清無群(5年生存率44.9%)
↑
ガイドラインを確認して(方針に間違いがないことに安堵しながら)この医師は、患者さんに「腋窩リンパ節再発なので私が責任を持って手術します。根治を狙いましょう!」
この医師の技術が確かであったため、患者さんには「適切」なカードが示されたのです。
それでは、(ガイドラインでも推奨されているのだから)全ての乳腺外科医が腋窩リンパ節再発に対して手術を提案するか?
…というと実はそうでもありません。
何故なら手術(腋窩郭清)は大血管(腋窩静脈)と接しており、これをリスクなく行うには(経験に裏打ちされた)技術が必要だからです。
特に「再発」手術となると、リンパ節は時に周辺の血管を巻き込んだり(時に)腋窩静脈に固着したりするので、尚更です。
腋窩再発
担当医からもしも「手術」という選択肢が出なかった(ホルモン療法や抗がん剤、放射線で効果を確認しましょう。など)際に、あなたに本当にその選択肢(手術)が無いのか?
患者さんの考え方もいろいろです。(「人生いろいろ」と言う歌があるくらいですから)
「手術はしたくない。御免だ!」という人ならいいのです。
もしも「取れるものなら、取ってしまいたい」そう考えるなら、その選択肢があることを知ってもらいたいのです。
★その医師に、そのカード(手術という選択肢)が無いから。という理由だけでそれが妨げられるとしたら…
↑
まずは「腋窩再発」編
これは(ガイドラインに手術が推奨されているので)せっかくの『ガイドラインは絶対か』を論点として使うまでもない内容でした。
ただ治療内容が医師の技量で制限されてしまっているとしたら、それは(その患者さんにとって)大変不幸なことです。
因みに、ガイドラインには「鎖骨下再発」についての記載はありません。
鎖骨下リンパ節再発単独は頻度的に稀なので無論臨床試験などの比較試験は無いことと、(腋窩リンパ節再発以上に)鎖骨下郭清が手技的に難しいので、「手術推奨」とはできないでしょう。
その意味では鎖骨下リンパ節再発はガイドライン無き世界であり、その医師の持っているカードにより患者さんへの提案が偏ってしまう。
だからこそ、鎖骨下再発の患者さん達へ(そのカードがきれる医師として)「もう一つの選択肢」を伝えなくてはならないと思います。
と、ここまでが「腋窩」「鎖骨下」再発編ともいうべき内容です。
ただ、その後いろいろ考え(実は)現時点で「もう一つの選択肢」シリーズの初回は「鎖骨上」再発編とすることに決めました。
YOUTUBE 「もう一つの選択肢」シリーズ 初回である「鎖骨上」再発編は次回のコラムに挙げますが、その流れを掲示板に先行します。
なぜなら、そこでの皆様のレスポンス等で内容を吟味したいからです。(ご協力を)