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今週のコラム 284回目 「まさか!」のatezolizumabの日常的な適応外診療 これについて、「掲示板」で率直なご意見お待ちしています!!

春ですね。

率直に身体もよく動いて、「とても」歓迎しています。

走る時間帯が年々早くなっているので冬の未明の寒さったら…(また来年の冬を想像すると、ちょっと「震え」ます)

昨日の市川では「マリオネットホテルのカレーパン」を頂いて感激しています。(「お気持ちだけで結構です」とは言うものの、本音はやっぱり嬉しいものです)

(別日ですが)Yoshiki produceのcalifornia wine 南アフリカとはまた違った香り。とても幸せになりました!ありがとうございます。(この場をお借りしてお礼を申し上げます)

 

○ 本文

管理番号9260 質問2『PCR検査とPDL1検査について』を回答していて…

患者さん側が、「適応外診療」という概念を理解していないことは仕方が無いことです。(ネットで添付文章は見れますが)

それに対し、保険診療を行っている「医師」が「適応外診療」を(そ知らぬ顔で)患者さん側に説明もなく勧めていることには、今までも苦言を呈してきました。

代表例としてはcapecitabineがあります。

今週のコラム 136回目 決して適応外診療を勧めることはありません。今回のガイドラインの記載には正直、迷惑であり驚いています

今週のコラム 280回目 臨床試験と適応 capecitabineの適応外診療をT-DM1と比較しながら解説する

 

★再び、この質問2に戻ると…

このS県の浜○市(鰻が旨い?)では術前抗がん剤としてPD-L1を測定し(実際に)atezolizumabを使っている??

患者さんから直に話を聞いた私は、「驚き」を通り越して「怒り」を感じました。

しかも患者さんには「さらりと(適応外であることも触れずに)」、「当然のこと」のように『告知の際、治療の流れとしてこの検査が陽性であれば抗がん剤治療に免疫療法をプラスして治療し、その後手術と説明を受けました』

これは、とんでもないことだ。

 

私は、中○製薬(capecitabineといい、何故かこの会社の薬剤が「適応外診療天国」となっている)の担当者に問いただしました。

1.Atezolizumabの適応は手術不能、転移再発乳癌であり、この方のように「術前や術後」に適応は無い

⇒ご指摘頂きましたようにAtezolizumabの適応は「(PD-L1陽性のTN乳癌の)手術不能、再発乳癌」で相違ございません。(Atezolizumab添付文書

「術前や術後」に関しましては、Impassion031試験の結果が報告されておりますが、現時点で適応追加はされておりません。

 

2.そもそもPD-L1抗体の検査自体(この方のような)初発乳癌では適応外である。

⇒弊社としましてはAtezolizumabの適応症から進行再発乳癌での測定を想定しております。

しかしながら、抗PD-1抗体の添付文書では下記使用目的が記載されているため、

初発乳癌での保険適応されるかどうかについては各保険審査機関にご確認頂けますと幸いです。

【使用目的】

がん組織又は細胞中の PD-L1 発現率の測定

(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)の扁平上皮非小細胞肺癌患者及び乳癌患者への適切な投与を行うための補助に用いる)

 

3.乳癌におけるCapecitabineの術後補助化学療法における使用について

⇒以前、ご回答させて頂いた時点より適応症については変わりなく、「適応外」でございます。

 

. ○○(○○先生)における診療について

 ⇒施設担当者に確認をさせて頂きましたが、適応外診療がされている事実を確認することはできませんでした。

   今回、田澤先生にご指摘頂きました件につきましては、本社に報告させて頂きました。 

以上でございます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

 

こんな回答を貰いました。

 

★ 施設担当者に確認をさせて頂きましたが、適応外診療がされている事実を確認することはできませんでした。

今回、田澤先生にご指摘頂きました件につきましては、本社に報告させて頂きました。」

 

確認することが出来ませんでした」だと??

こちとら、患者さんから「直に」その事実を聴いているんだぞ??

それを「本社に報告しました」で済ませようとしている。

これには非常に腹がたち、

これは、納得できない。実際に患者さんから直にatezolizumabを使って治療されそうになった話を聞いているわけだから、(そんなこと言うなら)その浜○の担当者に直に話をさせてくれ!』

これに対する返答が

『弊社といたしましても、これ以上の情報は持ち合わせておりません。

誠に申し訳ございませんが、ご容赦のほど宜しくお願い申し上げます。』

 

「適応外診療(しかもcapecitabineとは比較にならないほど高額である)atezolizumab」の事実を知りながら、改善させようともしない企業にも誠実に対応しない担当者にも呆れた出来事でした。(これで済ませていいのか?)

atezolizumabは免疫関連有害事象(immune-related Adverse Events : irAE)で知られている通り、様々な副作用がある薬剤であり、「気軽に?」適応外診療で用いて患者さんに重大な有害事象が生じた時に、企業としてどう申し開きできるのか??

『弊社としましては… そのような事実を確認することはできませんでした』で、済ましていいのか??

これについて、「掲示板」で率直なご意見お待ちしています!!