乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



こんにちは。田澤です。

今日もいい天気です。

みなさん、どうお過ごしでしょうか。

 

 

話は全然ちがいますが、私の最近のpower foodはニンニクです。

近くのスーパーでは、なかなかいいニンニクがなくて困り、ついにamazonで注文しました。

1kgって、何個かな?

あまり多いと、食べきれずに悪くなるのでないかと心配しています。

 

 

金曜日、 「管理番号7908 田澤先生の診察を受けました。質問2」を回答していて、

『最近、こういうの多いな。』

それで、振り返ってみると、

(最近だけでも)

管理番号8020 検診のときのエコー範囲

管理番号8006脂肪は上から押すとまるく触れるのか?

管理番号7992生検のあとがしこりっぽい

こんなに、「私」が登場している!!

 

『先生のエコーは100%信用してもいいですか?(7992より抜粋)』

こんな(失礼な?)質問にそのたびに回答しているのにも、さすがに疲れてきました。

ただ、その一方で

素早い超音波エコーでしたが田澤先生はやはり数をこなしているから早い超音波エコーでもしっかり見えているのでしょうか?? もちろん見落としなく見ておられますよね。(7908質問2より抜粋)

このように(悪気は勿論ないのでしょうが)「私のエコーを心配してくれる(疑う?)」意見に、一度正面から向き合ってみようと思い立ちました。

 

私が、私自身のエコーについて語り始めた理由≫(売れている本の題名みたいですね?)

以上が、(もともと予定していた「生検のアプローチ」を急遽次回に回してまで) 今回エコーについて語ることにした動機なのです。

 

 

スピード

①何故、エコーのスピードが違うのか?

 

 

「慣れているから」 それを言っちゃ、お終いですね。(エコーは動画だから、「動体視力が鍛えられる」単純にその側面はあります)

ただ、それだけでは無論ありません。それでは(皆さんが)納得できるように解説してみましょう。

 

①-1【動画の「倍速再生」】

異常に気付くには、まず「正常のバリエーション」を熟知していなくてはいけません。

「正常乳腺が真っ白」で「異常が黒」ならば、とっても解りやすくていいのですが、実際は全く異なります。

例えるなら、「白黒のギンガムチェックのシャツの中に、マジックで書いた点を探す」ようなものです。(大きな丸なら気付きやすいが、小さな点なら気付きにくいですよね?)

「異常」とは、正常のパターンの中の「違和感」として認知されるのです。

イメージ的に近いのは、

動画再生の中での「間違い探し」のようなものです。(慣れていないと「スロー再生」でないと見つけられないが、慣れると「倍速再生」でも気付くようになるでしょう)

★ここでのスピードの差は「正常パターンの中にある違和感」を、「倍速再生でも、気付けるのか? それともスロー再生でないとできないのか?」の差なのです。

エコーの「プローブを動かすスピード」は「(動画)再生スピード」と同義です(術者がその気になれば「倍速再生」にもできるし、「スロー再生」にも自由自在なのです)

 

と、「これだけ」の違いであれば(エコー歴50年?)の職人さん? なら、とても素晴らしいエコーをすることになりますが…

現実はそう簡単ではありません。

 

①-2【所見の記載義務】

検査技師は、自分の意思を反映させることはできません。全ての所見(「異常」だけでなく「正常パターンからの逸脱」)を記載しないといけません(それが仕事だから)

たとえば「嚢胞」「乳腺症」「乳管拡張」など

これらの所見は「癌とは無関係」なので、私なら「認識しても無視(カルテ記載しません)」しますが、彼らにそれは許されません。

貪欲な「癌ハンター」のように『あくまでも癌のみに集中している』私と、『どうでもいい所見の記載義務があり、(それらを細かく記載している分)癌への集中力が削がれている』彼らでは、差がついてしまうのです。

★腫瘤非形成性病変

これは、「癌なのか?乳腺症なのか?」判断に迷う所見です。

私も技師も、この所見を拾いますが、その「捉え方に相違」があります。

私は『腫瘤非形成性病変=癌の可能性あり』として捉えますが、技師は『「乳管拡張」とか「嚢胞の集族」』と同列に(癌の可能性あるという認識なく)「良性所見」として記載するのです。

この「捉え方の相違」が、その患者さんの「その後の扱い」に大いに影響するのです。(良性と判断されてしまうと、精査対象から外されてしまうのです)

 

〇 エコー速度のまとめ

まずは、「エコースピード」について①-1動画の倍速再生と①-2所見の記載義務という角度から解説しました。

①-1は、純粋に「エコー経験」です。

膨大な外来患者さんのエコーをしている私が、(エコーを技師任せにする)医師に負けない自負はあります。

また検査技師は(その職務による)handicapが存在します。

それが、①-2なのです。

エコーとは、モニター画面の動画の中で「間違い探し」をするようなもの、とても「集中力が要る」のです。

その集中力を「余計な記載義務に割かれてしまう」技師は、まことに可愛そうに思います。

 

 

精度

②何故、エコーの精度が違うのか?

 

 

これは、私が(エコーを自分でしないような)他の医師と比較しても仕方が無いので、「技師と比較」します。

その決定的な違いは「feed back」です。

エコー技師は自分が所見をとったものが、(結局)正しかったのか?確認する術(すべ)がありません。

つまり、(講習会や本で、典型的な線維腺腫の写真を見て)「これは線維腺腫だと思います」と所見に記載しますが、「実際に、それが線維腺腫だったのか?」確認できないのです。

「癌も同様」です。(講習会で習ったような)所見があったとしても、「癌疑い」としたその人が実際に癌なのか?(技師には)確認できないのです。

つまり、エコーを何年経験しても「講習会や本で勉強」はできても、実践の場で「それを確認する機会」が皆無です。(自分で生検しないような医師も同様です)

 

それに対し私は…

「一見、線維腺腫に見えるけど、それ本当に線維腺腫?」と感じると、患者さんに

『(良性に見えるから「経過観察も可能」だけど、100%白黒つけた方がいいんじゃない? そうすれば(心配しながらの)経過観察などしなくて済みますよ』

と、患者さんにお話しします。

 

症例1)40歳代前半 エコー検診で初めて「しこり」を指摘

 

 

 

 

 

 

境界明瞭だが、いびつ(ひょうたん型)

血流もある(黒いシコリの中に赤い点がありますよね?これが血流です)

境界は明瞭だし、癌を疑う所見ではない。

「技師」はエコーで「腫瘤疑い」と指摘し要精査となり(当院を)受診しています。

技師の仕事はここで終わりです。『あのひと、どうなったのかなぁ?』残念ながら確認はできないまま。

また、(QandAに登場してくるような)乳腺外科医の多くは「良性だと思うけど、一応半年ね。もしも大きくなったら来てね。」となるでしょう。

★しかし、私は「良性だとは思うけど万が一があっては困る」し、「良性を経過観察はお互いにとって不利益 注 1 )」として生検を提案し後日市川で 注 2 )CELERO施行。

線維腺腫と確定診断を得ています。(無論、その後の経過観察は不要で「検診戻り」としています)

注 1 )医療者側としては、(診療が本当に必要である)「癌の患者さんの診療に集中できる(時間を割ける)」し、

患者さん側としては、「もしかすると癌かもしれない?」という不安の中で「定期的な通院」という負担から解放される。

注 2 )癌を疑う場合には、その場で組織診をしてしまいますが、良性よりに考えた患者さんは(その場では市川外来を予約し)後日、組織診としています。(今回は「後者」)

 

症例2)50歳代前半 検診(触診)でチェック

 

 

 

 

 

 

 

モヤモヤしたエコー像

はっきりとした腫瘤像ではなく、「低エコー域」と表現されます。(腫瘤非形成性病変のひとつ)

前医では「細胞診」施行、classⅢa  半年後経過観察となっています。

そして半年後、(私が診察したのですが)『これは、癌だろう? 半年前に組織診しろよ!』(心の声です)

これは(症例1とは異なり)不均一なので、MMTEを選択し、「浸潤性乳管癌」でした。

 

症例3) 50歳代前半 この方は前医で1年間経過を診ています。

≪初診時≫

 

皮下腫瘍 7mm(前医での記載)

「3か月後経過観察」と指示

 

 

 

 

 

 

≪(初診から)4か月後≫

(患者さんの体調不良で1か月延びたようです)

ただ、この際に「腫瘍が急に大きくなった」と(前医へ)訴えがあったようです。

 

 

25mmに増大(前医での記載)

「CNBしたが、液体が多く細胞診に切り替えた」とあります。

細胞診 classⅢ(ただ、そのレポートには病理医のコメントとして「一部に異型細胞があり『組織診推奨』」と記載あり)

ただ、前医では「増大傾向あり」かつ(細胞診レポートに)「組織診推奨」とあるのに、

「3か月後フォロー」としています。

★本来は、ここで「外科的生検すべき」でしょう。

 

 

 

≪(初診から)8か月後≫

 

嚢胞全体の大きさは変化ないが、

腫瘍部分が明らかに増大していることがわかります。

ただし、ここで前医は「著変無、半年後」

と指示しています。

 

 

 

 

≪(初診から)14か月後≫

前医からの「半年後」指示

腫瘍は増大し、(患者さん自身が)『本当に経過観察でいいの?意味ある?』と疑問を持ち、漸く私の外来を受診しました。

 

(初診時の)私の感想(前医でのエコーや経過を見て)

『何じゃこりゃ!』

明らかな「嚢胞内腫瘍」

増大傾向もあるし、血流も豊富(腫瘍の中の血管が赤く見えますね?)

『何で、経過なんか見るかなぁー 癌だろう。』

と、いうことで、患者さんへお話しし(前医の診療に配慮しながらです)、これは手術しました。 注 3 )

注 3 ) 腫瘍径は6.5cmに増大していました。

嚢胞内腫瘍は組織診をすると内用液が漏れて、癌が散らばるリスクがあります。(液体部分が多いから)

病理結果は「非浸潤癌」

本当によかったです。

これが「無意味な経過観察」の挙句に「浸潤癌」となったら…(あまりにも患者さんが気の毒です)

 

 

多くの患者さんは、私の提案どおり生検(CNB/CELERO/MMTE  注 4)受けてくれます。

今週のコラム 126回目 「40歳ではじめて指摘された(画像上)線維腺腫」それは、やはり(組織診しても)線維腺腫だったのです。』も参照のこと

注 4)線維腺腫はCELEROで、腫瘤非形成性病変はMMTEをを選択します。

基本的に線維腺腫は均質なのでCELEROで十分なのですが、腫瘤非形成性病変は所見が不均一で広範囲なのでMMTEが望ましいのです。

MMTEで病変を「隈なく広範囲に採取」すれば、「今回の結果は良性だったけど、癌が隠れているかもしれないから半年後にも来てね」などとする必要は全くないのです。

 

〇エコー精度のまとめ

これは、simpleに「実践によるfeed back」これに尽きます。

「迷ったら経過観察」ではなく「迷ったら、生検」この繰り返しが「生検そのものの精度を上げる」と同時に「エコー所見を経験から判断できるようになる」のです。

 

◎もう一つ、追加

これは、本当に幸運なことなんですが、乳がんプラザの存在が非常に大きい。

一般病院では「1年に1症例」出会うかどうか?の稀な症例も(乳がんプラザのお陰で)実に頻繁に診ることができてます。

「前医で診断困難」となった患者さん達を多く診療することで、MMTEの数も圧倒的に多いし、その分「生検精度も上がるし、(そのfeed backによる)エコー精度も上がる」のです。

 

 

【追記 (関連ページ)】
「迷ったら生検」という意味であり、「迷わないものは生検しません」 今週のコラム 211を誤解しないように!!