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今週のコラム 150回目 ★最良の検診が「半年に1回のエコー」であることは間違いありません。

みなさん。9月も半ばになりました。

世間的には3連休が2週続きますね。楽しんでますか?

私も、休みではないにしろ、いつもよりゆったりのスケジュール感がとっても心地よい!

 

ところで今日で「安室奈美恵」引退ですね?

私の思い出としては…

研修医時代、カラオケ全盛期?でしたが、若い看護師さん達が『Body Feels EXIT』を歌っていたのを思い出します。

globe, TRF, 華原朋美 そんな時代でした。

あの頃からの現役といえば、Mr. Childrenやスピッツ、福山雅治もそうですね。(同世代です)

 

FMから流れたshort story

「おめでとうございます。 一億円当たっていますよ。 この大金、何に使いますか?」

「これで、金が返せます。」

「えっ。 それでは残りはどうするのですか?」

「残り? もう少し待ってもらいます。」

 

 

管理番号6761『高齢出産』を回答していて

 

これを回答していて、是非「今週のコラムに取り上げたい」と感じました。

それは重要な論点(下記2項目)があるからです。

 

1.マンモグラフィーは必要?

2.検査技師によるエコーで大丈夫?

 

このQの中で、質問者は「妊娠出産を繰り返す」ことによりマンモグラフィーを撮影できない期間が長くなり不安だから、「マンモを撮るためだけでも」妊娠を控えた方がいいのか?真剣に悩んでいらっしゃいます。

日ごろ診療している私から見れば「えっ! 何で?」

 

例えば、外来の日常診療の中でも、「しこりが気になる」とか「乳房痛」などの患者さんを診療する際には私は基本、マンモグラフィーを撮影しません。

「エコーで異常なし」として診療を終えようとすると、

「何故マンモを撮らないの?マンモを撮ってもらえると思って受診したのに。」

みたいな反応をする患者さんが時々いらっしゃいます。

 

無論、希望する方にマンモを撮影するのは問題ないですが、どうもそれらの患者さんには「マンモグラフィーこそ、乳腺の診療の中心」という意識が見え隠れするのです。

「希望があるならマンモ撮影しましょう」となりますが、「私がエコーしているのに…」正直なところです。

 

それでは「マンモグラフィーは無用の長物なのか?」となりますと、

(このQandAでも回答したように)石灰化のチェックのために数年に1回は撮影しましょうという程度は必要です。

「石灰化だけの超早期がんの所見」を、たまたまマンモでチェックされる可能性はありますが、早期がんの発見の「殆ど全て」がエコーなのです。

「5mm以下の腫瘤」を見つけるにはマンモではほぼ不可能(70歳以上で乳腺がスカスカになれば解ることはありますが)ですが、エコーなら当然検出できます。

 

★最良の検診が「半年に1回のエコー」であることは間違いありません。

ただ一般診療(つまり乳腺外科の外来)で、(何も異常がないのに)純粋に検診目的で半年に1回のエコーをさせられると、診療の場が大混雑して「さすがに、診療に差し支える」ので(全く正常な方には)「半年に1回」は遠慮していただいています。

 

ただ、検診機関で(自主的に)「半年に1回のエコー」をしてもらう分には(その検診機関にとっても、いい「お客さん」ともなるし)理想的です。

この場合には、先のQandAでも回答したように「技師エコー」でも何ら問題ありません。

★医師によるエコーが必須となるのは「ここにシコリがあります」そういう場合なのです。

 

下写真はちょうど、前回の「コラム」にも掲載した病変ですが…

典型的な「腫瘤非形成性病変」です。

これは、(コラム149で紹介したように)70mmの範囲の非浸潤癌(low grade)でした。
今週のコラム 149回目 ここで重要なのは(FEAを)「放っておくと癌になる=前癌病変」との理解でいいのか?

 

 

 

 

 

たとえば、この患者(Aさん)が左のしこりを自覚して検診を受診するとします。(実際に私は触診しましたが、たしかに「硬いな?」という印象でした)

case 1)  技師がエコーをするシステムだと…

触診の場で

Aさん「先生、左が硬いので気になります。」

医師「解りました。触診しますね。」

そして、医師が触診します。

医師 (心の中で)「あれっ?確かに硬いな。でも癌を強く疑うほどの所見ではないな。技師さんのエコーを確認しなくちゃな。」

 

そして、技師のエコー

Aさん「お願いします。ここが硬いのです。」

技師「解りました。仕事だからそこだけではなく、全体を見ます。結果は私からは話せないことになっています。」

そして技師のエコー

技師(心の中で)「明らかな腫瘤影ではないな。乳腺症の所見だ。」そして、技師はレポートに「明らかな腫瘤影なし、乳腺症の所見」と記載するのです。

それを(後で)確認した(最終判定を行う)医師は技師のレポートを見て、「少し硬かったから気になったけど、(技師の)エコーでは乳腺症か。 矛盾はしないな。(多少気にはなったけど)1年後経過観察との判定でいいな。」

結果、Aさんに「乳腺症、1年後経過観察」という通知が届くのです。

 

case 2)それが、医師が触診とエコー両方行うと…

医師「確かにエコー像は乳腺症みたいに見えるけど、(触診で)硬いのが気になる。 一見乳腺症にも見えるけど、腫瘤非形成性病変として要精査としよう」

そうして、Aさんに「腫瘤非形成性病変、陽性さ」という通知が届くのです。

 

おわかりですか?

同じ所見でも、case 1とcase 2では、検診結果が異なってしますのです。

★エコーは、実際に施行している者にしか正しい印象は伝わりません。(動画なのです) ♯静止画では「それらしくも、それらしくなくも」(検査した者により)自在に撮影されてしまうのです。