Site Overlay

今週のコラム 337回目 細胞診が上手くできない乳腺外科医

祝! 動画配信

タイムリーに土曜日市川に西日本から「乳頭分泌の患者さん」が受診しましたが… (流石に、その前に予約をしていたとは思います)

正しい理解が進むことを願っています。

昨日、土曜日は午後からは天気も回復。 よしっ!屋上で食べるぞ。

 

DSC_0394

 

ビーフポークカレー

先週に引き続きのhalf and half

今回はビーフとポーク、更に野菜(ナスとニンジン)も投入しました。

★ 私が参考にしているスパイスカレーのレシピだと「基本」として玉ねぎ+ニンニク+生姜だけのシンプルなものなので、今まで(それ以外の)野菜は入れなかったのですが、「そろそろ」応用編!

やっぱ、野菜はカレーに合いますわ!(当たり前?)

 

DSC_0398

 

このクロワッサン。

「とっても美味しいよ」との言葉通り!

バターが「じゅわっ」と、凄く旨い!(2つ頂いたので、残りは今日に)

 

DSC_0400

 

これは『CORTON-CHARLEMAGNE

MONTRACHET, Meursaultと並ぶブルゴーニュ3大白ワインなのに今回、人生初デス。

何といっても、この黄金色!(屋上に映えます)

誕生日も近いので、(市川の成城石井で購入して)飲み干しました。

 

今日も屋上に出れそうだから、贅沢にMeursaultにしようかな?

 

本編

〇細胞診が上手くできない乳腺外科医

先日「掲示板」で愚痴らせてもらいましたが…

最近手術した患者さん達の中にも(当院に紹介される前に)前医で細胞診で「検体不良もしくは良性」という経緯が目立つため、具体例を挙げて、その問題点を掘り下げてみたいと思います。

 

case.1

 

echo像

縦長、不整形

カテゴリー5

 

 

前医では最初から「癌を疑う」と言われ、まず細胞診したようです。(患者さんからの証言)

そして細胞診の結果が「判定不能(細胞不足)」

 

その後は、どうなったの?

 

 

 

組織診を勧められたらしい。

「針生検にしますか?それとも外科的生検にしますか?」と、選択を迫られたらしい。

 

 

 

マクドナルドじゃあるまいし…

「ポテトにしますか?それともシェイクにしますか?」みたいだね。

それで、患者さんはどうしたの?

 

 

(前医での診療に不信感を感じ)当院での診療を希望され、

「確定診断希望メール」

つまり、市川へ(生検目的で)受診。

画像上は、「明らかに癌を強く疑う」所見だったからね。

組織診(CELERO)して、(癌を確信させる「硬い感触」も確認しつつ)『手術が必要だから、これから先は江戸川にしましょう』と案内したよ。

 

 

やはり(結果は)癌だったんだね。

疑問点がいくつかあるね。

 

疑問点1 何故、細胞診で失敗したのか?(細胞が採れなかったのか?)

疑問点2 (細胞診失敗した後に)組織診を提案されているが、何故最初から組織診を選択しなかったのか?

 

 

当然の議論と言えます。

本来は「直接」其の医師当人に聞いてみたいところですが…(因みに、海外在住の患者さんで現地の医師)

現実には、そうもいかない。

私なりに推測、回答こころみます。

 

『疑問点1 何故、細胞診で失敗したのか?(細胞が採れなかったのか?)』

2つの側面から理解すると、(その理由が)見えてきます。

側面1.術者側の因子

 

熟練度(経験値)

熟年だと経験値が高い?かと言うとそうでもありません。

良性の可能性のあるものは「全て、経過観察」 悪性の可能性があるものは「全て、紹介」みたいな医師であれば、(何年やってても)熟練度は上がりません。

特に、細胞診は(組織診と比べて)格段に手技的に難度が高い。

★ここで、細胞診と組織診(バネ式、吸引式)の違い

(バネ式)組織診は、シコリに突き刺してワンタッチ(switch ON!)するだけ!

(吸引式)組織診:つまりMMTEは、シコリに突き刺したら、やはりswitch ON!

そうすると(全自動で)吸引圧を書けながら内筒が勝手に組織をcutして、更に回収(まさに全自動、手間いらず!)

 

上記、組織診に対して、細胞診は、そうはいきません!

シコリを刺すのは一緒ですが、そこにswitchなど「無論」ありません。(何せ、ただの注射器ですから)

シコリに注射針をただ刺しても「無論」何事も起こりません。(細胞は採れません)

 

 

じゃー、どうするの?

 

 

 

 

ここからが、腕の見せ処!

細胞診がただの「注射器」だったことは覚えているね?

 

 

何のための注射器?

 

 

 

 

それはね。「吸い込むため」なんだよ。

つまり、注射器を「思いっきり、引っ張って」自分の力で吸引するんだ!

 

しかし、それだけではとても「十分とはいえない」んだ。

 

 

どうやったら、沢山(十分に)採れるの?

アンタの場合は?

 

 

 

 

おいおいおい、「アンタ」呼ばわりかい?

私の場合には「ドリル」イメージだよ。

 

 

 

ドリフ? あのドリフ?

 

 

 

 

 

そうそう、「かとちゃん、ぺっ」って、違う違う。

ドリフじゃなくて、「ドリル」

 

皆さんにもイメージしてもらいたいんだけど…

例えば「粗挽きソーセージ」

そこに針を「ただ」刺して、そこで注射器を引いたって、あんまり有効な感じしないですよね?

そこで「ドリル」イメージ

「粗挽きソーセージ」に針を(ただ真っ直ぐに刺すのではなく)ドリルの様に「ぐるぐると、しかも螺旋状に」回す。

すると、(その粗挽きも)「かなり崩れて、それを豪快に」吸引する。

イメージできますね?

 

私の場合の細胞診は(局麻で除痛したうえで)「かなりダイナミックに」グリグリのドリル風細胞診なのです。(これは、十分すぎる採取量となります)

 

ここで紙面?が尽きてしまったので、(もう一つの側面である)「側面2 患者さん側の因子」は次回、解説します。