ゴールデンウィーク、はじまりましたね。
皆さん,どうお過ごしですか?
と、いってもこの土日は(天気が良かったとはいえ)考えてみれば普通の土日。
(普通に)土日にしなくてはいけない仕事を普通にやって…
そんな中で、私にとっては「阿部礼二」の中で思いがけず尾崎豊がかかった(しかも2曲! 何故だろう?)のはビッグプレゼントでした。
しかも「卒業」とか「シェリー」「OH MY LITTLE GIRL」みたいなメジャーではなく、
『あてどない毎日を まるで野良犬みたいに。愛に飢え心は渇き ふらつきまわるよ。』
今、改めて歌詞を噛みしめてみると…
十代の「何物でもない自分」に悩み、のたうちまわっている日々、ただ(心のどこかで)「これが社会なんだ」と受け入れていく。
『街までのハーフマイル アクセル踏み込み スピードに目をやられ 退屈が見えなくなるまで 少しぐらいの時は無駄にしてもいいさ』
『街のドラッグにいかれて俺の体はぶくぶく太り始めた。それでもこんなところに のさばっているのか。あのころみたいに生きる気力もなくして』
『俺はまだまだ 駄目になりゃしないさ。今夜俺誰のために 生きてるわけじゃないだろ』
日常のなかで、どんどん毒されていく自分。
(そんな自分に嫌気がさし)何事も投げ出して、思いっきり走りたくなる時がある。
それで何が解決するわけでもない。そうかもしれない。だからって、それがどうしたっていうんだ?
自分が自分のためにやっていることを、他人にとやかく言われたくない。
この休み中にやらなくてはならない仕事
「乳癌学会の発表スライドの制作」や(ここぞと言う時にやっておかなくては貯まってしまう)「NCD登録」など。
♯NCDとはNational Clinical Databaseのことで「乳癌手術症例」を登録しているのですが、この3月までは30件/月ペースをキープしています。
2016は(惜しくも)300に届きませんでしたが、
2017は乳癌症例 年間360件」をクリアーさせます。(目標400までのstepです)
そんななか日光に行ってきます。(一泊だけど)
「日光金谷ホテル」は伝統があって好きなところです。
季節もいいし、久しぶりの愛車でのドライブ(オープンではないのが残念)
(尾崎の歌詞のように)「アクセル踏み込み」免停になることは避けますが(私の車では200km行ってしまいます)、久しぶりの「レミオロメン」を聴きながらの、のんびりドライブもいい。
♯昔ほど、スピードを出さなくなったのは歳のせいですね。
FMから流れたショートストーリー
「ジョージ! 久しぶりだな。 それにしても随分変わったな。 髪も白くなったし、髭も伸び、それに随分肥ったな。」
「私、ジョージではありませんが…」
「何だよ。ジョージ! 名前まで変わっちまったのかよ!」
○ST-MMT 難関症例
前回(78回目)解説したように…
ST-MMTの大敵の対策は
「①奥にある」⇒「レントゲン技師さん」の力によるところが「大」ですが、
マンモグラフィーの挟み方には「上下で=Cranio Caudal(CC)」と「横で挟む=Medio Lateral(ML)」更にMLに角度をつけた「斜め=Medio Lateral Oblique(MLO)」の3通りがあります。
これら3通りの中から、「どの挟み方が(石灰化を)引っ張り出せるのか?」を判断するのは医師(私)の役割です。
CCで引っ張り出せなくても、MLでやり直したら「上手く引っ張り出せた!」良くある事です。
♯ただ、最終的には技師さんの「引っ張り出す技術」が”物を言う”ことに疑問の余地はありません。
その施設での『ST-MMTの沢山の症例経験』=『レントゲン技師さんの経験値の上昇』=『技師さんによる「引っ張り出し技術の向上」』であり、それこそが鍵であることは、私自身がいつも感じている事です。
♯その意味で、「たまにしかST-MMTをしない」施設では(医師のレベル以上に)技師さんの(引っ張り出し)技術が甘くて「上手く採れない」ケースが多いと思います。
「②薄いから」⇒ここは「医師」の腕の見せ所です。
せっかく①をクリアーしても「薄い」が為に「石灰化を針の窓の位置に持ってこれない」ということです。(前回のコラムを参照)
対処としては(前回のコラムで載せたように)
ここで、Aは(せっかく上手く引っ張りだしたのに)一度(泣く泣く)乳房を解放して、「上げ底」を設置する必要がある(コレが、実に残念)のに対し、Bは「挟んだまま行える」ところに大きな違いがあります。
つまり、実際には「まずBを試みる」ことになります。
そして、「どうしても、どうしても(ここはつらい)駄目な場合」Aへと変更するのです。
♯せっかく(苦労に苦労を重ねて)「引っ張り出した」のに、いったん解放して「挟みなおす」ことは非常につらいのです。
○そんな難関症例の実例
この症例は、他院(ST-MMTの有る施設)で『ST-MMTしてはみるけど、失敗する(上手く採れない)可能性が高いからね。』と言われ、「それなら」と、(そこをキャンセルし)当院を受診された方です。
当院には、そのようにして紹介される患者さんも多いのですが、今回はマンモグラフィーを見た瞬間に「これは本物(難関症例)だ!」と直感しました。
マンモグラフィーを示しますが、
MLOでは「下」にあり、CCでは「中央」にある。⇒これは「厚みが最も出し難い条件」と言えます。
○実際に大変でした。
まずは、(定石通り)「MLOで狙った」のですが、(技師さんも頑張ってもらいましたが)「どうしても枠の中に引っ張り出せない」
⇒次に(次善の策として)「CCで狙った」わけです。
そう簡単には、いきませんでしたが(つまり何度も挟み直しました)数回目でようやく「引っ張りだせた」わけです。
ここまでで、かなりの時間を要しました。
しかし…
引っ張り出せたものの、今度は「厚み」が足りません。
ここで「生食法」を用いましたが、どうしても足りず、(せっかく引っ張り出せたのに)本当に「泣く泣く」一度、乳房を解放し「上げ底」をマンモに装着し、再度引っ張り出しの格闘!
ようやく、「採取できた」其の時は歓声が上がりました(心の中で)
この間、何回も引っ張られたりして大変な思いをした患者さんですが、得られたのは(我々ではなく)「患者さんの勝利」なのです。