
火曜日、祝日の屋上
最近、焼き鳥が旨い(当たり前?)
○本文
『術後の定期検査について教えてください。』QAの中で時々あります。
その際には大抵、『ホルモン療法中であれば3か月に1回通院しているのだから、毎回(3か月に1回)もしくは2回に1回(半年に1回)エコーしてもらっては?』と、回答しています。
それは当院ではそのようにしているからですが、何となく術後5年までは「毎回」5年を超えたら「2回に1回」のように振り分けています。
1.エコーの精度
ホルモン療法中(まだ5年未満なので)毎回エコーしている、ある患者Aさん。
今回も『異常無いよなー』などと考えながらエコーしていると、
①最初のエコー画像
エコーは「流れ作業(っていう表現も変だけど)所謂動画」なので、「動画を一時停止するかのように」手を止めました。
その理由は、4mmと小さいながらもやや「縦長だな」ということで(注意が惹かれて)思わず一時停止となったのです。
②角度を変えていって、一番「不整形に見える」角度での写真
エコーは、何か所見があるとその対象を(プローブの)角度を変えて「様々な角度」で観察します。
ここでプリントアウトしたのは、(少なくとも、この角度でみると)「不整形」だからです。
③角度を変えていく中で「乳腺内脂肪?」の可能性も否定できない角度での写真
いろいろな角度で見ていると、こんな「脂肪と繋がっている=乳腺内脂肪?」みたいに見えたります。
因みに、これは「私カテゴリ」ではCat.5 乳癌の可能性の方が(良性よりも)高い
例)所見が小さくて癌とは断言できないが、不整形であり癌を(良性よりも)疑う
3mm位だと画像診断で乳癌を(強く)疑うことは難しい
♯まさに、この3mmと4mmの差は絶大で「たった1mm(の差)で、そんなに違うの?」と思われるかもしれませんが、当たり前ですが、
10mmと11mmでは1mmの差は「僅か10%]でしかないのに、
3mmと4mmでは1mmの差は「33%」もの「差」となるのです。
chapter. 1 3mmで見つけられるのか?
3か月に1回エコーしているのだから、3か月前は「3mm」とかで、(本当は)見つかったんじゃないの?
これが、そう簡単ではないんだ。
3mmだと、「不整形」で無い限りエコー操作という「流れ作業」の中で目に留まることが難しい。
たまたま、通常のプローブ角度でのスクリーニングで「不整形」であれば3mmでも目を引いたかもしれないけど、今回の所見は①だから(つまり通常のプローブ角度では不整形ではない)3mmでは解らなかったのでは?
♯そもそも3か月前に3mmだったのかも不明ですが…
結論として「エコープローブのあらゆる角度で不整形の3mm」であれば「目に留まる」が、そうでないと「4mm」がエコーで見つかる最小サイズとも言える。
実は、同じ週の外来で
(この方は)術後5年以上経っていて薬物療法もしていなかったので「半年に1回」エコーしていたBさん。
5mmで見つかりました。
やはり「半年」だと(たまたま)診察の際に4mmで見つかることもあるだろうけど、間隔が空けば仕方がない範囲と言えます。
5mmあると所見も「はっきり」してきますよね?
CELERO IDC
chapter. 2 自信をもって生検を勧められるか?
ここで生検を勧めるためには(自分自身の)画像診断に対する自信と、(生検した場合)絶対に外さない100%の自信が必要となります。
幸いAさんは、私の「5mm以下でも外さない」という信頼感を持っていただいていたので、その日CELEROを施行しました。
2.生検手技の精度
勿論、このように「エコーではっきり見えている」のだから私は外しません。
『○mmだから生検しても、当たらないかもしれないから経過観察しましょう』
などと、もしもあなたが言われたら(残念ながら)その医師の生検精度は信頼に値しません。
やはり「急がば回れ」遠方であっても100%自信を持っている医師がいることを忘れないで欲しいのです。