暑い屋上
いきなり1ℓ、しかしこれでも収まり切らず…
タクシーで30min.
仕事終わりでも十分間に合うのです。
○ 本文
動画配信、もっと一般向け(検診を受けてみた位の)の内容もやった方が裾野がひろがるのでは? と、有る方からのアドバイス。
「リンパ節再発」などadvancedとは別ラインでfundamental line を考えてみました。
Fundamental. 1として「マンモグラフィ要精査」となった場合には(それを)どう理解すべきか?です。
「乳癌とは何ぞや?」など特に調べることもなく、なんとなく「もうすぐ40歳だから、そろそろ検診うけようか?」みたいなノリで受けてみたマンモグラフィー検診。
戻ってきた検診結果の紙には『右局所非対称性陰影 要精査 病院受診してください』
「えっ?何? これって乳癌が怪しいってこと!!」
こんな風に(意味も解らず)悩んだ、そんな多くの人のハートをつかむべく始まったのです。
1.局所的非対称性陰影
まず、この用語ですね。
日常では遭遇することのないような「堅苦しい」用語と言えます。
何故、こんな名前になったかと言うと、単純に英語の直訳だからですね。
focal asymmetric density 略してFAD
マンモグラフィーで要精査となる大部分を占めます。
右局所的非対称性陰影 要精査の1例
どこなのか?解りますか?
それでは(左側の)ここはどうなんだ?
って、なりますよね。
♯結局左右どちらにも所見なし。
そうなんです。
この「局所的非対称性陰影」は非常に「主観的な」所見であり、
我々が診療をしていても、『(検診でチェックされた)局所的非対称性陰影って、どれのこと?』と、なることもとても多い。
誤解を恐れずに言えば、何とも「曖昧な」所見なのです。
これを「どう精査するのか?」
無論、超音波となります。
超音波が「解答」となりますが、(私の経験上)局所的非対称性陰影が本物(本当に所見があるということ)である確率は1%程度です。
冗談ではなく、ひじょうーに「本物が少ない」所見の代表格と言えるのです。
「乳腺の重なり(そもそもマンモグラフィーは立体的な乳腺を潰して撮影しているのだから、自明の理ともいえますが…」が、その所見が出る理由の殆どとなるのです。
2.腫瘤
これは1に比べると直感的に理解しやすいですね。
(1のように実際には何もないということは少なく)殆どの場合は「何か」はあります。
ただ、(皆さんの多くが誤解されているように)マンモグラフィーの所見は(その殆どで)質的検査とはなりえず単なる「存在診断」です。
それでは、(腫瘤があるとして)「癌が疑わしいのか?それとも癌ではなさそうなのか?」そのような「質的」検査は何で行うのか?
答えは、やはり「超音波」です。
左腫瘤 要精査の1例
「歪=癌の可能性が高い」
さて、問題です。
それでは確定診断のための「次の一手は?」
『MRI』と答えたあなた! そんなあなたは「今週のコラム MRI的免罪符」を読んで出直してください。(ちょっと厳しめ)
良い子の皆さんなら、勿論ご存知の筈。答えは「生検」です。
それも(最初から癌を疑っているのだから)無意味な「細胞診」ではなく、無論「組織診」です。
これを外すようでは乳腺外科医としては失格ともいえる所見と言えます。
これで終了?
勿論違います。
答えは(おそらく)今週中に公開される筈の「動画 fundamental. 1 マンモグラフィ要精査」をご覧ください。