昨日は、春晴れ
というか、暑かった!
パスタにはほうれん草とオクラたっぷり
バームクーヘンとポテチなど
いいバランス?です。
○本文
Oncotype DXの導入最初の10年間を評価する論文を紹介します。
Impact of Oncotype DX testing on ER+ breast cancer treatment and survival in the first decade of use
SEER(The Surveillance, Epidemiology, and End Results) programより2004-2015のER+ age(35-80)では、375350の内89255(24%)でOncotype DXが使用されていた。
この10年では全体でhigh risk(>30) 7%, intermediate(18-30) 25%, low risk(<18) 58%
low riskの割合が(思っていたより)高いことが解りますね。
- Oncotype DXの使用率の増加
A. 全体で2015では34%まで増加
B.ステージⅢでも2015には6%まで増加
C. pN+も増加し2015には20%まで増加
D. 年齢別にみると、やはり45-60歳が一貫して多い。
2. 化学療法の減少
A. Oncotype DX使用者で顕著に減少(水色△)
Oncotype DX非使用者では増加(赤△)
全体として減少(黒△)
B. Oncotype DXではlow riskの割合が増加(51%⇒61%)に対しintermedeate risk(39⇒33), high risk(9.6⇒6.4)の割合は低下している。
C. low riskで化学療法を行う割合はどんどん減少し、逆にhigh riskでは増加している。
D. HER2+とHER2-で分けたもの ♯無論HER2+ではOncotype DXの適応はありません。
3. Oncotype DX使用による生存率の上昇
HRの有意な改善があります。
A. Univariate(水色)を患者の病期、リンパ節の状態、年齢などで調整したものが(赤)となりますが、(調整後でも)「Oncotype DXを行うことで」有意に改善していることが解ります。
B. これはhigh stageでもlow stageでも同様であり、
C. HER2+(水色)でもその傾向はあります。
D. リンパ節転移陽性でも同様に「Oncotype DXを行うことで」有意に改善しています。
♯ 時々QAの中で主治医が「リンパ節転移陽性ではOncotypeDXは信用できない」などとコメントしている記載がありますが… それは誤りだということが解りますね。
4. BCSSとOSをlow, intermediate, highに分けて検討
♯BCSS: Breast cancer-specific survival, OS: overall survival
BCSSで見ても(A, B), OSで見てもhigh riskとlow riskとの差が明確です。
更にグラフは無いですが論文中には表があり、
highでは化学療法を受けることで、(受けていない者に対して)死亡リスクが40%低下しているのに対し、lowで化学療法を受けても生存率を改善しないことが明らかとなっています。
つまり、上記3(Oncotype DX使用による生存率の上昇)は、本来「化学療法をすべき患者」を見つけ出し、化学療法(highだと40%低下させる)を行うことによる結果と言えます。
更に、「化学療法をすべきでない」患者を見つけ出し無駄な化学療法を回避していることも(lowでは化学療法を受けても生存率は改善しない)示しています。
『リンパ節転移があるから抗癌剤しよう』などという医師とOncotype DX あなたなら、どちらを選びますか?