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今週のコラム 344回目 再発2.(手術ではないが)局所療法を考慮すべき(主として)「リンパ節再発」

この土日、ここ東京は天気がよくて梅雨入り前の屋上生活を満喫しています。

昨日はネット環境が、ここ医局で悪く繋がらなかったためこのコラムが月曜日となったことをお詫びします。

★最近、繋がらない頻度が増えています。管理者さん、何か原因ありますか?

 

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土曜日は、またまたラーメン!

マルエツで売っているご当地ラーメン(愛知県)に、少々嵌り過ぎています。

 

 

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と、いうことで日曜日は意を決して? 久しぶりのスパイスカレー登場

久しぶりに近所のパン屋のパン(食パンも、柔らかい!)も添えて。

 

 

 

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ヒレ肉に野菜はアスパラとニンニクの芽で色合いを演出?

画的には雑然としてますが… 歯ごたえがいいですね。

 

〇本文

先週、金曜日に撮影した(配信は2w後位?)の補足となってます。

まずは、かつて「掲示板にコメント」した予告文から (一部修正)

 

再発がテーマとなりますが、私の中では再発は(大きく分けて)3つに分類されます。

1.(手術を考慮すべき)「局所再発」

2.(手術ではないが)局所療法を考慮すべき(主として)「リンパ節再発」

3.(あくまでも)全身療法を優先すべき「血行性(転移)再発」

 

上記1を取り挙げたのが、「今週のコラム 342回目」となります。

そして、今回は上記2となります。

 

Q&A 10286 乳がん再発転移』を回答していて…

Qの内容から推測するに、「胸骨傍及び鎖骨(上、または下)リンパ節再発」のようです。
文面からは所謂血行性転移(骨や肺、肝など)は無いと理解されます。

『主治医の先生は手術をしてもまた、でてくるのでということで、こ今週より、抗がん剤治療に入ります。やはりこの方法がベストでしょうか。延命しかないのですか。』
⇒この文章から私が読み取ったのは…

主治医は
・局所治療の重要性に気が付いていない
・血行性転移と同様に「全身療法しかない」と考えている
・リンパ節再発に対する成功体験(根治したのでは?)が(おそらく)無い

★規約上、リンパ節転移(再発)は「腋窩、鎖骨下、鎖骨上、胸骨傍」はN3として(それ以外)「縦隔など」はM1として区別されています。
つまり(文面から判断すると)質問者はN3であってM1ではないようです。
しかし、主治医は(N3もM1も)区別なく「全身療法で延命を図るしかありませんよ」と質問者に説明しているようです。(無論、正確な説明内容は不明ですが)

私が江戸川に来て4月で丸八年経ちました。
症例数以上に、このQAのお陰?で(例外的な症例を、通常の乳腺外科医の10倍以上~100倍?)高頻度に治療することとなりました。

それがもたらした経験は、
実に数多くの「成功体験」をもたらしたのです。

その一つが今週のコラム 342回目」で記載したように『これって、手術できるんだ!!』(冒頭の1に相当)であり、もう一つが今回の『リンパ節再発が(根治を保証することは無論できないが)根治の可能性を十分に秘めている』(冒頭の2に相当)という成功体験なのです。

このQAの主治医の経験数がどの程度かは無論知りませんが、私のような経験は(当たり前ですが)期待しようがありません。
この患者さんが(このまま)局所治療せずに「全身治療」だけ行い(抗がん剤は副作用があるので無論「永遠」にはできないので)そのうちに「局所のリンパ節が再増大、節外浸潤」などとなる可能性はあります。(其れこそ主治医の言う「根治ではなく延命という所以」です)

もしくは、きちんとした局所治療(内容はQA参照)をすることで(保証は無論できませんが)「根治の可能性を勝ち取る」選択もあるわけです。

★後者の存在を知らない(少なくとも経験的に実感していない)主治医が(それを)提案しないのは無理のないことでしょう。

つまり、(1~3の区別はせずに)「再発治療は3の一択」となるわけです。

 

 

それでは 「今週のコラム 342回目の続編」としての

2.(手術ではないが)局所療法を考慮すべき(主として)「リンパ節再発」を始めるとしましょう。

 

まず、管理番号10286のケースでは…

「胸骨傍及び鎖骨(上、または下)リンパ節再発」をどうする(どう考えるか)?となります。

(その主治医の言うように)全身療法(抗がん剤やホルモン療法などの薬物療法)一択なのか?

 

★局所療法(この場合は放射線)で叩いたことで「良好な予後(根治の可能性も含む)」を得ている(現在進行形)症例をいくつか提示します。

 

 

症例1.縦隔リンパ節再発及びSC再発

 

術後4年で縦隔リンパ節再発、担当医から『全身治療(薬物療法)しかない』

と、言われたが納得できずに当院を受診しました。

まずはradiation(当院の場合には全例tomotherapy)施行しました。

 

 

 

 

これも縦隔リンパ節ですが、上図より尾側(足側)の位置です。

こちらも(上図同様に)照射後消失しています。

 

 

 

 

さて、照射も終了したし(できるだけの治療を希望されたので)次なる治療として「抗がん剤をしようか」というタイミングで、エコーでSC再発を確認しました。

これは(手術希望が強かったので)手術し摘出しました。

 

 

治療の流れ

縦隔リンパ節のradiation ⇒ SCの手術 ⇒抗がん剤(3か月間)

ここでホルモン療法へ移行する前にPETを撮影、「再発無」を確認し、ホルモン療法を開始しました。

 

 

 

現在もホルモン療法継続中なの?

 

 

 

 

再発から7年!

ホルモン療法継続中。

(今更デスガ) 前医のまま局所治療していなかったら…

 

 

症例2.術後4年でSC再発 手術⇒ radiation⇒抗がん剤(3か月)⇒ホルモン療法(継続中)

 

 

現在もホルモン療法中なんだね。

再発から何年?

 

 

再発から6年。

全く再発兆候ありません。

 

〇 次回予告

冒頭に、3.(あくまでも)全身療法を優先すべき「血行性(転移)再発」と記載しました。

遠隔転移(血行性転移)と言うと、一般論として上記のように「全身療法を優先すべき」となります。

 

 

それは(基本的に)間違いではないのではないのですが…

 

 

 

 

「ですが…」って、何か「歯に物が挟まっている」ような言い方だね。

例外があるってことかな?

 

 

 

相変わらず謎雄君、勘がいいね!

次回は遠隔転移の中でも「骨転移」の症例について提示しよう。

 

骨転移といっても、以下の2つがあります。

1.最初から骨転移がある場合(所謂 M1症例)

2.術後、骨転移が出現した場合(骨転移再発)