★ 昨日「公開」し忘れて1日遅れになったことをお詫びします。
みなさん、こんにちは。
梅雨明けと同時に真夏のような暑さ、夏バテにご用心!
動画第2弾 概ね好評?に感じていますが「総論」としてはそれでいいですよね??
ただ、スレッドは読んでいますので、そこから皆さんのご意見を「input」しつつ第3弾へ「どこまでoutputできるのか?」
私の真価も問われることでしょう(まだ初心者だから、ある程度「ご勘弁を」
そんな動画第3弾、収録(予定)も近づくなか、乳癌学会関東地方会2021の演題募集も始まりpalbociclib症例の纏めに追われていました。
本来なら動画(第3弾)の先行のような形で、今回のコラムにしようと思ったのですが、(上記のような事情もあり)palbociclibを取りあげます。
palbociclib
CDK4/6 inhibitorとしてはabemaciclibもありますが、忍容性の点(abemaciclibの下痢)から、やはり第1選択はこちらでしょう。
当院は東京で第7位(卸ベース)を誇り、其のすべてを私一人で診療しているので個人的な「使用経験数」には自信をもってます。
適応 再発症例(決して術前術後の補助療法で使用してはいけません。←適応外診療もあるのだろうか??)
当院では2018年1月が最初の症例なので一番長い方で3年7か月となります。
始める際には、患者さんから『どの位の期間予定しているのですか?』と聞かれますが、実際に始まってしまうと『そろそろ辞めたい』みたいな声は殆どありません。
これが何を意味しているのか?
ズバリ、その「忍容性の高さ」(副作用が軽いため「辞めたい」と感じない)です。
もう一つの特徴は(治療)「効果の継続性の長さ」と言えるでしょう。
当院では56症例を超えましたが、「2年超え」「3年超え」も続出! 患者さん自身が「辞めたがらない」こともあり、私の外来は「palbociclib」患者さんで溢れんばかりとなっています。
そんな中、関東地方会2021で抄録を書きながら気づいたのが、私自身の「この薬剤の使い方の変化」です。
これが顕著に表れているデータを以下に示します。
導入時の再発治療「line」
左が「前半」、右が「後半」です。
1st lineとしての導入が飛躍的に上昇(27%⇒58%)となっています。
それは何故?
一言で言えば「使用経験に基づく、効果と信頼性」なんだ。
もう少し解りやすく、「私の頭の中」を文字にしてみるね。
〇 私の頭の中
最初の投与時 「鳴り物入りで登場」したとはいえ、あくまでも「サブ」としての位置づけかな?
first lineとしては「とにかく抗がん剤」
抗癌剤投与で劇的な改善(可能ならCR!)した後の「維持」として使おう
↓
やがて、その治療効果が「維持」だけではなく、積極的「改善させるだけのパワー」がありそうだな。
↓
内臓転移(特に肝転移や中程度以上の肺転移)の場合以外はfirstでも十分いけるな!
↓
現在の治療法 骨転移 radiation⇒palbociclib
局所など手術でCR⇒(抗がん剤を挟まずに)palbociclib
この辺りの変化は以下のデータでも確認できます。
前期 後期
「抗がん剤歴」有が62%⇒42%に減っています。
なるほど!
明らかに「使い方」が変化しているね!
基本的に「plabociclibに対する信頼感が増した」を反映しているとは思うけど、
治療効果は大丈夫?
前期 後期
上記グラフを見てごらん!
治療効果は(first lineとして積極的に使用してきた)後半でも遜色ないよ!
我々が最も重視するCBR clinical benefit ratioは85%⇒89%に寧ろ上昇してるんだ。