皆さん、こんにちは。
記念すべき300回。「思えば遠くへ来たもんだ」
金曜日、3回目の「動画撮影」してきました。
編集してからの公開となりますが、それと関連したコラムとなります。
【このコラムでは、患部の写真が表示されます。】
まずは、このスライドから…
全ては、ここから始まりました。
問題の根源がココにある
どういうこと??
レベルⅢ郭清(鎖骨下郭清)をせずに抗がん剤で誤魔化す。
それが正当化されている現状。
抗癌剤で「幸運にも」消えてくれればいいけど…
必ず効くわけではないんだよね??
そこなんだよ。
手術で確実に取り去るのとは異なり、
抗癌剤が効かなければ「術後リンパ節再発」となります。
手術で取り去っていれば済んだ話なのです。
別の症例なんだけど…
もう一つの証言
主治医に『鎖骨下の奥にまでリンパ節転移している。大変な状態だ。術前抗がん剤するしかない。』って、ネガティブなことしか言われなくて、すごく心配。
それでいてエコーは技師任せで、自分で見てくれないの。とにかく不安。
手術するのであれば、術者は自分でエコーするのは最低限必要です。
それではエコーしますね。
まず、これがレベルⅠ
そして、これがレベルⅢです。
(予想に反して)全く大したことない!
この程度で手術できないようでは、大変困ったものだ!
そのレベルでは、腋窩再発の手術はできないよな。
「再発」の手術って、難しいの?
「初発」と何が違うの?
ずばり、「手術瘢痕」だよ。
それと、再発の場合には往々にしてリンパ節が節外浸潤を起こして鎖骨下静脈にがっちり貼りついているケースもある。
腋窩郭清の視野
2枚の筋肉(大胸筋と小胸筋)を引っ張り挙げているだけなので、
レベルⅢは(小胸筋の更に奥なので)当然見えません。
腋窩再発の場合には、(レベルⅡの再発のケースでも)ここにあるⅡが小胸筋と腋窩静脈に癒着していると、手が出せません。
何故かというと、(見えない視野で)腋窩静脈を破るリスクがあるからです。
この状態を、それらの医師は往々にして『血管から外せないので取りきれなかった(もしくは)取り残しているかもしれない』と称して「撤退」するのです。
無論、レベルⅢ再発の場合には手も足も出ないことになります。
★しかし、日ごろから鎖骨下郭清に習熟していると…
このように(腋窩郭清の視野ではブラインドとなっていた)癒着部を直視できます。
この視野であれば「外しやすい」部位から少しずつアプローチすれば、必ず外せるのです。
拡大すると
★腋窩郭清の視野
小胸筋が邪魔で(その奥にある)瘢痕が見えない!
ブラインドで腋窩(鎖骨下)静脈に刺してしまったら「万事休す」です。
★鎖骨下郭清の視野
瘢痕部を直視
腋窩郭清後の再発の場合、(当然ながら)直接操作した手前側に強い癒着が起こります。
つまり奥側(レベルⅢ側)からだと案外外しやすい。
手順
このようになっています。
まず、癒着の軽い奥(Ⅲ)側から
外していきます。
このように「一点」だけになってしまえば、もうこっちのもの!
「面」と「点」では全然違うのです(勝利の瞬間!)
さて、今回は「腋窩再発への挑戦 前編」の補足をしました。
実際には、実例を紹介する「後編」の一部が入っています。
動画「後編」の予習にもなりますね。