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今週のコラム 301回目 覗き込み⇒直視へ

自分ご褒美

日曜日は、ここ江戸川土手も台風通過の影響で荒れ模様。

そんな中、走っているとつらくなります。

足元にはzoomx 「よし、頑張り切ったら自分ご褒美に(楽天市場で)zoomxをポチッとしよう!」

みるみる力が沸いてきまたとさ。(まぁ、こんなのアリですよね?)

 
【このコラムでは、患部の写真が表示されます。】

 

今回は「覗き込む視野」⇒「直視下の視野」をお伝えしたいと思います。

通常の(予防的な)鎖骨下郭清では、「覗き込み」でも対応できますが、「腋窩再発」もしくは「鎖骨下リンパ節(レベルⅢ)そのものに大きな転移があった場合」となると、『直視下でないと、とても対応できない』状況となるのです。

★ただ、これは言葉では説明不足に感じるので(私の稚拙な図を用いて)それに挑戦します。

 

 

まず、この図

腋窩郭清のイメージです。

通常のように「大胸筋」を引っ張り挙げての視野は、こんな感じです。

 

 

 

実際には、この上に

小胸筋と「その膜」が被さっています。

 

 

 

 

小胸筋の裏側にレベルⅡ

その膜の裏にレベルⅢがあります。

 

 

「腋窩郭清」

 

小胸筋に鉱をかけ

 

 

 

 

 

引っ張り挙げて、裏返すと「レベルⅡ」が現れます。

この視野で「Ⅰ及びⅡ」を郭清するのが「腋窩郭清」です。

 

 

「鎖骨下郭清」

ここで小胸筋をもとに戻します。

 

 

 

 

 

小胸筋を元に戻した状態

 

 

 

 

 

小胸筋にペアンを通し…

 

 

 

 

 

小胸筋にテープをかけます。

 

 

 

 

 

この小胸筋を手前に引っ張ることで、その奥にレベルⅢが現れます。

結構「奥」にあるので郭清には慎重な操作が必要となります。

★遠くの方に見えていますね。やり難そうな感じが伝わりますか?

 

 

 

ここまでが通常の腋窩郭清+「鎖骨下郭清」となります。

「覗き込む視野」では、この操作が「奥であり、視野が悪い」ことが解りますね。

 

それでは視点を変えて、なぜ「覗き込まなくてはならないのか?」

その原因は「大胸筋」です。これを切除してしまえば(切除していた時代もありました)視野が開けますが、実際には大胸筋を切除するのは「胸壁保護の観点」から行われることは無くなりました。

この(邪魔な)大胸筋を引っ張り挙げて「その奥を覗き込む」ことになるわけです。

 

★ 「覗き込み」から「直視」へ

 

レベルⅢは腋窩からは「かなり」奥にあります。

 

 

 

 

 

 

それなのに、大胸筋をめくって見ようとするから…

 

 

 

 

「覗き込み」となってしまうのです。

 

 

 

 

 

 

 

これを「正面から」みるには、

「大胸筋を割る」ことです。