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今週のコラム 241回目 この主治医(乳腺外科医)は「乳頭腫=乳頭に腫瘍がある」と思っている??(まさかね。乳腺外科医だろ??)

music time line 本日は「1991年」でした。

ドラマ主題歌全盛期!

年間1位は「ラブストーリーは突然に」

(言わずと知れた)東京ラブストーリーの主題歌でしたが、織田裕二と(湘南爆走族でコンビを組んだ)江口洋介が出ていました。

(医学部学生役の)江口洋介が『これから解剖あるんで…』みたいなシーンを覚えていますが、「解剖は(学部の)1年生で行うやろ」と突っ込んでいました。

医学部は最初の2年間が「教養」、その後の4年間が「学部」となります。

学部に上がると、最初(1年目)に「人体解剖」をして最後(3年目~4年目)には「臨床実習」として患者さんに直接接することとなります。

江口洋介は(役では)留年しているようですが、学年的には解剖は終わっている筈なのです。(医学部生でないと突っ込めない豆知識でした)

そして2位が『僕は死にましぇん』の「SAY YES」 

懐かしいですね。

 

本編

〇乳頭腫

8599 「質問2」を回答していて…

このQの中に『(質問者が5年以上前から分泌物と言っているのに)MRIを見る限り、乳頭には影がないから心配ない』という主治医のセリフ

とても、気になりました。

この主治医(乳腺外科医)は「乳頭腫=乳頭に腫瘍がある」と思っている??(まさかね。乳腺外科医だろ??)

ただ、先週の土曜日に患者さんが「関西の主治医から言われた一言」を同時に思い出しました。

その関西の主治医はこう言った(そうです)

あなたは(乳管内)乳頭腫だから、乳管腺葉区域切除したほうがいいけど、あれは乳頭を切除しなくてはいけないからね。』

 

ここで(敢えて)関西と言ったのには理由があります。

是非、『今週のコラム 109回目 これは、「どちらが正しいのか?」という問題ではなく「どちらの診療を支持するのか?」患者さん自身に(その判断を)委ねます。』を、ここでご覧ください。

最後に記載した、この文章に注目してください。

(以下、抜粋)

実際に、(その有○で診療された)患者さんが、「乳頭腫の手術では乳頭を残せない事もある」などと「馬鹿なこと」を言われて当院を受診したこともあります

 

えっ?

有○病院って、東京にある有名病院だよね?

 

 

そうなんだよ。

つまり東京でも関西でも、「乳管腺葉区域切除=乳頭を残せない=乳頭部に腫瘍がある」と『とんでもない勘違いをされている』ということなんだ。

 

なんで、そんな「おそろしいこと」が起こるの?

乳腺外科医って、乳腺の専門家だろ?(知らないで済まされるの??)

 

 

謎雄君。ここで『今週のコラム 236回目 経過観察という名の「免罪符」を振りかざすだけで、患者さんの不安を解消する努力をしない乳腺外科医、必要ですか?』を思いだしてごらん。

この8165さんの主治医のセリフだよ。

(以下、抜粋)

正直な話、癌には強いがそれ以外の乳房の病気はそこまで詳しくないので

 

はー(ため息)

乳頭腫も知らない、肉芽腫性乳腺炎も知らない。 本当に困ったことだね。

 

 

乳頭腫の「乳頭」という部分が「勘違いの素」のようです。

この場合の「乳頭」は「乳首」を指すのではなく、「乳頭状」という腫瘍の形態のことなのです。

「乳管内に発生する乳頭状病変」と定義されています。 臨床・病理 乳癌取り扱い規約17版 2012年6月

 

左が乳頭腫の病理画像

右のような構造となります。

 

 

 

解説

乳管の壁の細胞が腫瘍細胞となり、増殖して内腔へポリープ上に突出します。

これを「乳頭腫」と呼ぶのです。

乳管内の乳頭腫ということで「乳管内乳頭腫」と呼ばれます。

 

〇 乳管腺葉区域切除

 

 

このように、乳頭腫は乳管内に「乳頭状に増殖」している腫瘍です。

乳管は(乳頭の内部まで)切除しますが、乳頭は(皮膚なので)切除しません。