みなさん、こんにちは。
この乳がんプラザもリニューアルしました。
心新たに頑張ります。
昨日は(東京)凄く寒かった!
土曜日、市川帰りは江戸川病院まで遠回りして(河原を)ランニングして帰るのですが、ビックリ仰天。
「ココ、本当に東京?」
(雪は降ってなかったけど)その北風のピューピューの凄さ! しかも冷たい雨!
土曜日3時過ぎの江戸川河原の普段の賑やかさはどこへやら。人っ子一人いない!(猫はいました)
今日は、そんな「遭難の危機」から生還?して、このコラムを書いてます。
OncotypeDX
当院でのオーダーはここ数年間「年間35件前後」で推移しています。
この数字は、当院の乳癌手術症例数の10%程度となります。
対象
Luminal typeでHER2 negative 注 1 )
80歳以下 注 2 )
浸潤径5mm以上 注 3 )
注 1 ) そもそもtriple negativeでは抗がん剤、HER2陽性なら抗HER2療法が必須となります。
luminal(HER2 陰性)だけが、(ホルモン療法に加えて)抗がん剤すべきか?が何時の時代も焦点であり、それを解決するためのtoolなのです。
注 2 )80歳以上で(ホルモン療法が効くタイプなのに)抗がん剤を再発予防として用いることは(常識的に)ありません。
注 3 )浸潤径5mm以下なら(そもそも)抗がん剤の適応が無いからです。
上記を満たす「対象者」は「(手術患者の)半数程度」にはなりますが…
更にKi67の値で絞り込まれ、(グレーゾーン付近がより「推奨」されます)
最終的に(保険適応でないため)『45万円の費用負担』)の壁を乗り越えての数字となります。
2019年までに100症例を超えたので、紹介します。
「グラフ①」
実際にやっているヒトは「20<Ki67≦40」が多いですね。
これはKi67の値を[0-14], [15-20], [21-25], [25-30], [31-35], [36-40], [41-45], [46- ]
で分けて、「low risk(RS 0-18)」「intermediate risk(RS 19-30)」「high risk(RS 31- )」の数を比べたものです。
これを見やすいように「数」でなく「割合」でグラフにすると
「グラフ②」
このようになります。
このグラフでまず気付くのが[0-14]と[15-20]でlow riskの割合が逆転していることです。
つまり、(歴史的にluminalA/Bの境界として14が使われてきましたが)
その境界は無意味であることがわかります。そこで[0-20]として括ると、
「グラフ③」
こちらの方が、(グラフが)綺麗ですね?
やはり(luminalA/Bの)境界は14ではなく20となるでしょう。
[21-35]と[36以上]にも境界がありそうですね?
現在は「低―中―高」のリスク分類の意味は疑問視され、「RS=25」で分ける考え方
(RS≦25は抗がん剤不要)が優勢となっています。
なので、RS≦25 26≦RSでグラフを書き直すと
「グラフ④」
30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。
更にいうと、46以上でも20%以上あるので「Ki67が46以上だからOncotypeDXしても仕方がない」は誤りともいえるでしょう。