こんにちは。田澤です。
思い切って、今年から土日のランニング量を増やす事にしました。
例外が嫌いな私にとっては、(決めたことに縛られてしまうので)そう簡単な決断ではなかったですが、年齢に逆らうにはコレでしょう。
最近よく『いつまでも現役でいてください。』にあと押しされました。
ところで、最近患者さんに『最近「医者もの」のドラマが多いよね。今回、腫瘍内科医に光をあてたドラマがあるよ。』
と、言われました。(きっと、「アライブ」のことですよね?)
暫くドラマから遠ざかっていた私ですが、少し気になります。
何故なら、当院にもスペシャリストがいて、私はとても尊敬しているのです。
前回のグラフをもう一度、提示します。
今までは術後病理説明の際に、
『あなたはグレーゾーン(20<Ki67≦40)だからOncotypeDXを勧めます』でした。
しかし、このグラフを改めてみると実際のグレーゾーンの範囲がずれていることが解ります。(それをコラム220で指摘しました)
*今週のコラム 220回目 30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。
『31~45』が、抗がん剤が必要な割合が逆転する領域なのです。
現在は、このグラフを示して(例えばKi67=32の患者さんだと)
『あなたのKi値はココなので、抗がん剤が不要である確率が67%です。』
『ただ、実際に「あなた」がどちらなのか(必要なのか?不要なのか?)確認したいならOncotypeDXしましょう。』
と、お話しするようにしました。
Ki67が高ければ高いほど、RSが高くなる傾向は明らかですが、かといって0<Ki67≦20でも「抗がん剤をしたほうがよい(25≦RS)」人もいれば、逆(46≦Ki67でも「抗がん剤をしなくてもよい」)もあるのです。
〇実際の患者さんの分布
Ki67とRSには、ある程度の相関はありますが、そこから外れる群を検討しましょう。
オレンジの領域(Ki67が低いのに、相対的にRSが高い)
NG3, ly2, v1
NG3, ly0, v0
NG1, ly1, v0
NG3, ly0, v0
NGは、ある程度関係ありそうですね。(NGが高いわりにKi67が低い場合には注意が必要)
脈管侵襲(ly, v)は無関係と言えます。
ブルーの領域(Ki67が高いのに、相対的にRSが低い)
NG3, ly2, v0
NG2, ly1, v0
NG3, ly1, v0
NG2, ly2, v1
NG2, ly0, v0
NG3, ly0, v2
NG3, ly2, v2
NG1, ly1, v0
NG3, ly0, v1
NG3, ly0, v1
NG2, ly0, v0
NGは無関係ですね。
v0が多いような印象はあります。
Ki67が高くてもv0の場合にはRSが低い可能性はあります。
〇核グレードとRSの関係(SRLのデータ)
実際にOncotypeDXしなければ、本当に自分がどこに当てはまるのか?はKi67だけでは判断困難。
確率だけでは不安な場合には、やはりOncotypeDXをお勧めします。