仙台、行ってきました。(それで、このコラムも遅れてしましました。)
朝一番の新幹線に乗って、免許センター入り。
講習は僅か30min. 講師も早口で「時間が無いから」と。(それなら講習自体、不要では? なんたって「優良運転手」ですから 笑)
早めに帰って、仕事がしたかったので、☆ヤマ珈琲にも行けず(残念)東京へ「とんぼ返り」
仙台も暑かったけど、昨日は東京もいい天気でしたね。
日曜日はいつもなら早朝のランニングなので、(普通の)人達はいないのですが、
昨日のように、(朝、走れなかったぶん)日曜日夕方のランニング(阿部礼二を聴きながら)、陽も高くなり河原には人が多かったですね。
「牙を抜かれた狼」のように、ドライバーとしては大人しくなった私ですが、
ターサージール6を履いたランナーとしての私は、まだまだ「現役」です。(私の中では)
前方を走っている人を見つけては「テンションが上がり、追いかけけたくなる。」(闘争本能は,まだまだ健在なのです)
術後創処置について
1.前置き(少し長くなりますが…)
前回のコラムで(抜糸が必要であった時代からの流れで)「(1週間目の抜糸はなくても)1週間目に消毒などの処置をする」という習慣が、我々外科医にはあることをお話ししました。
私もそうですが、(我々の年代以上では)「最初から乳腺外科医」はいないのです。
もともとは「一般外科医」として手術をしてきました。(そして「乳がんの増加」という社会的要求により「より専門化」がすすみ、「乳腺外科医」となったのです)
一般外科の手術(特に消化器の手術)は術後感染することも多く(もともと、消化管の中は細菌の巣窟なのです)、退院後も「創部が感染していないか?」一般外科医は心配なのです。
☆(本来、感染する筈の無い)乳癌の手術を行っている我々乳腺外科医にも、その習慣が残っているのです。
それで、『術後1週間目には消毒したり処置しなくてはならない(または「創部を観察しなくてはならない」)』という呪縛が存在しているのです。
2.本題
さて、なぜ我々乳腺外科医が(本来、消毒する必要のない)乳癌の手術で術後1週間目に消毒をしているのかについて、(長々と)「前置き」で説明しました。
それでは、ここからが本題です。
江戸川に赴任した4年前、(4月、5月は手術自体なく)6月からの手術スタートでしたが、当然ながら「術後1週目」に外来受診(創部確認や消毒)としていました。
「防水テープ」を貼ったまま退院し、術後1週目に外来受診。(その際に、テープを剥がして、創部を確認)
「それでは、次は3週間後に病理の結果が出るので、来てください。」
このようにしていました。(術後、当然のように2回受診する事に何の疑問ももっていなかったのです)
ただ契機は訪れます。
海外在住で(日本人)、乳がんプラザ経由で「当院で手術」された方から
「すぐに帰国(海外)するので、1週間後に来れない。(4週間後である)病理結果には何とかするから、1週間後はどうしても来なくちゃ駄目なの?」
ここで
「はて?」と考えました。
(今まで、外科医の習性として)「術後1週間目には来院してもらってたけど、それって本当に必要だろうか?(自分自身への問いかけです)」
「無くてもいいのでは?」
★ここから、「術後1週目での処置はしない」ことになりました。
そのような(処置外来なしを)「海外の方や遠方(九州や北海道)限定」としなかったことは、ひとえに「例外が嫌い」な私の性格に起因しています。
最初の頃は…
「少し滲みた」や、「腫れぼったい」けど大丈夫?みたいな懸念をよせる患者さんも居ましたが、そこは経験。
『どこを、どのように丁寧に手術すれば、(患者さんに)不安を与えなくて済みのか。』
執刀の数だけ学びもあるのです。
その辺のところは、
2017年1月の『今週のコラム64回目 そして到達したのが「創処置なし」です。』
2017年5月の『今週のコラム 80回目 僅か20分、されど20分『神は細部に宿る』まさに、そういうことなのです。』
これらを読むとイメージが沸くことと思います。
こうして退院後は「病理の結果(Ki67の結果を含めると、4週間目の水曜日)まで外来受診は不要」となり、現在に至っています。