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今週のコラム 494回目 負けざる者へ トリプルネガティブ編

昨日は暑かった!

 

屋上を満喫

カレーは北海道「ほっき貝」のカレー

ほうれん草とオクラを敷き詰めています。

セブンの「たまごコッペ」は鉄板

 

○ 本文

game changerとして、luminal typeには(cCR後の長期維持に)CDK 4/6 inhibitorあり、HER2 typeにはTrastuzumab-deruxtecaneを紹介してきました。

それではtripple negativeは?

皆さんご存知のように、TNは(ER, PgR, HER2が陰性なだけの)「雑多な集団」なわけです。

つまりTN(全体に)「満遍なく」効く薬剤…

という発想自体が(luminalやHER2とは異なり)誤りとも言えます。

そこで(TNの中でも)PD-L1抗体が陽性のものには免疫チェックポイント阻害剤(pembrolizumab/atezolizumab)のように、今後TNの中でも「○○が陽性」のように細分化されることに期待がかかります。

 

game changerと呼べるものが無い場合には、局所治療を駆使してcCRをとにかく狙う。

それには、「負けざる者」でありたいという強い意志も必要となってきます。

 

トリプルネガティブ乳癌

 

術後にPSには照射

その後全身療法

anthracyclen followed by taxane

 

 

○縦隔リンパ節転移

縦隔リンパ節転移に対して、まずは照射です。

TNでの再発なのでPD-L1抗体を検査、抗体は両方とも陽性

ここで(atezolizumabではなく)pembrolizumabを使ったのにはやはりcombinationとして用いる抗癌剤としてcarboplatineが使えるということがあります。

 

照射⇒pembrolizumab後、cCR !

 

 

 

しかし、その後のfollow up PETで…

先ほどの縦隔よりも「上」の位置にある

「上縦隔」リンパ節転移です。

照射後、bevacizumab/paclitaxelです。

当院の放射線科医は、とても積極的で臨機応変に対応。大変頼もしい。

 

診察エコーでSC転移を確認

無論、ここは迷わず

手術し、その後(予防照射として)

SCの上の頸部に照射です。

 

 

  再度 cCR !

 

pembrolizumab/atezolizumabはある種の症例ではgame changerになりうる存在かもしれませんが、「TNの大部分に効く」という薬剤を求めることは困難。

その中で、不屈の闘志で手術、放射線などの局所療法を駆使する。

それこそが「cCRへの扉」なのです。

 

 

TNでcCR 長期維持の症例 (肩甲骨及び肋骨転移)

この方もTNです。

照射後に、PD-L1 potiveであり、

atezolizumab/pembrolizumab両方使っています。