コラムが月曜日になるのには訳がある!
シェルターガーデン日光
前回、リクエストしたMeursaultが待っていました!
○本文
先週金曜日撮影した動画について
管理番号 11746 左胸のしこり。 より引用
ご相談させてください。
昨年9月に健康診断のマンモグラフィーで要検査となり、10月に再検査しました。
その時はエコー検査し、特に問題ない、経過観察で半年後の今月検査しました。エコーで黒い影、触診でしこりがあり、細胞診をしました。
黒い影は縦長で8㎜弱、しこりはかため。
細胞診の結果は、細胞にわずかに病変あり、生検をとのコメントがありました。
診断された先生は3ヶ月後に再度エコーをとりましょうとのおはなしです。エコーの黒い影の境界線がやや不明瞭な点があるといっていました。
このまま3ヶ月後を待ち検査で大丈夫でしょうか?
不安で仕方なく、こちらのサイトを拝見しました。
○論点
経過観察で半年後の今月検査しました。エコーで黒い影、触診でしこりがあり、細胞診をしました。
黒い影は縦長で8㎜弱、しこりはかため。
細胞診の結果は、細胞にわずかに病変あり、生検をとのコメント
⇒まず、この部分ですね。
1.マンモでチェックされ、エコーで所見無⇒半年後8mmの縦長の「硬い」しこり
(癌だと仮定しても)「半年前に所見無」は、どうかな?
特に(エコーで見えるばかりか)「触診でしこりがあり」となると(しかも硬め)…
エコーを(その医師自身が行ったのか?検査技師なのか?にもよりますが)検査技師の場合、「はっきりした所見しか指摘しない」可能性はあります。
それに対し(マンモの所見がどの程度なのか?不明ですが)マンモから位置をある程度推測しながら、医師自身が「この辺にあるかも?」と思いながら、其のあたりを重点的?に病変探しをすると(凄くはっきりしているわけではないけど)「病変かもしれない」という所見に気付く可能性はあります。
実際には(記載が無いので不明ですが)どちら(技師or医師)だったのでしょうか?
2.触診で(硬く)触知する縦長の8mm
⇒この記載を見ただけで、(我々乳腺外科医は)ほぼ乳癌なのでは?と考えます。
(半年前に全く所見が無かったのか?は置いておくとしても)半年で「硬く触知し、(しかも)エコー像が怪しい」所見となると、その医師も当然癌を疑った筈です。♯1
3.細胞診の結果は、細胞にわずかに病変あり、生検をとのコメント
⇒まずは…
その医師は「癌を疑った筈上記♯1(当然、癌を疑うべき)」 なのに何故細胞診?
もしも、その医師の細胞診が上手であっても(実際は下手だったわけですが)クラス5となり、確定診断のために結局次には「組織診」をしなくてはならない。
なんという「二度手間」!
♯しかし、実際には下手だったので(「僅かに病変」という記載は細胞量が少ないことを表しています)
たとえ5mmであっても(エコーで見えるかぎり)100%採取できなくてはならないのに、8mmでこれ(検体不良)では、何とももはや…
★上記結果で明らかなように、(細胞診で外したからには)無論「病理医が求めているのに」組織診するのが至極当たり前の筈なのに…
それをせずに「3か月後、経過観察」を勧めることに全く理解ができません。
何故、(無意味な)経過観察ではなく(病理医のいう事を聞いて)組織診をしないのか?
細胞診同様、組織診(針生検、吸引式針生検)に自信がない(馴染みがなく、避けている?)
ちょうど最近、こんな事例がありました。
15mm low echo指摘
前医細胞診結果 良性:二相性を示す少数の乳管上皮細胞集塊
↓
ここで患者さんのファインプレー このサイトの「確定診断希望メール」で申し込み
↓
市川でCELERO結果 悪性:3本いずれにおいても異型細胞が充実性に浸潤増殖しています。浸潤癌の所見で癌は脂肪組織へ浸潤しています。
こうなると、「何ともはや!」 何を信じたらいいのか?
この世の中に「絶対」はないのか?
いえ、あるんです。
某「東京の東の果て」に、それ(絶対)はあるのです。
だから(世の中から不幸を減らすために)私は毎週金曜日、動画撮影に勤しむのです。
追記
先週の金曜日は手術と(金曜日)市川外来の間のタイムスケジュールがタイトでTAKE 3での撮影終了となりました。
♯ふーちゃんさんにお話ししたように、TAKE 10位までやらないと「上手く」できないのですが…
そんな不出来の動画ですが、どうか暖かい目で見てやってください。