春到来!
ここ東京は遂に20度越え(3/12)
そんな春に、私はスパイスに嵌っています。
クミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパー
そしてグラムマサラ
春の食欲?をそそります。
今日も気温が上がりそうだから屋上でカレーのつもり
チキンが王道ですが、今日はビーフのスパイスカレーに挑戦です!
これが(ビーフ)スパイスカレー
写真にすると「彩り」が…
ほうれん草とか、トッピングしたほうが栄養的にもいいかも?
屋上は、すっかり春でした。
これからも毎週晴れるといいなぁ。
(前回の続き)
私は、「かなりの」良性所見でも組織診しているので(正直)「こんな所見が癌?」という症例にでくわします。
皆さん、(術後に)再発することは無いでしょう。
次回に、そんな症例を供覧しましょう。
症例1(エコー画像①)
乳腺の(比較的)深層にある「しこり」
癌を疑う所見ではなく、検診で見つかった場合には(下手すると)「要精査にもならず」
検診結果:線維腺腫疑い、1年後経過観察となるケースもありそうです。
(症例1の)別角度のUS(エコー画像②)です。
この画像では「乳腺症かな?」という程度の所見とも言えます。
症例1について
この方は、(検診で「良性所見、経過観察」とはならずに)「要精査」となり当院を受診されました。
私の画像診断では「線維腺腫もしくは乳腺症の可能性が高い」が、境界が一部不明瞭な部分があり(画像だけでは)良性とは断定できない。組織診をして「良性なら良性」「癌なら癌」と確定診断を勧める。となります。
実際に、緊急では無いので「翌月あたりのCELERO]となり、病理診断はDCISとなりました。
この患者さんは江戸川に最初から受診したから、早期発見となったわけだよね?
もし、この方が(江戸川ではなく)他の病院を受診していたら?
どうなったのかな?
容易に想像できることとして…
そもそも、この程度の所見だと『線維腺腫かな? まぁ半年後経過観察にしましょう』というパターンが多いだろうね。
なるほどー。
一度「良性、経過観察」となってしまうと「コラム330回目の患者さん」のように、2年以上経過を見られてしまう(実際には「癌を放置」されてしまう)のだよね?_
どこかの大統領のように、とても恐ろしい話だね!
もうひとつ「ありそう」なパターンとしては…
(比較的心配性な患者さんから)「本当に大丈夫ですか? 細胞を取らなくてもいいのですか?」と詰め寄られて、(針生検までするこたぁーないか?と)「細胞診を選択」する医師もいます。
何故、細胞診なの?
(ここで)針生検を選択しない理由は?
これは「慣れ」なんだよね。
日頃から積極的に針生検をしていれば、(針生検自体に)負担を感じないのだけど、
「経過観察ばかりしている」医師は、当然(手技的に)慣れていない。
そうなると、針が太いことに「出血するのでは?」とか「万が一肺を刺したら?」などと針生検に対するハードルが高くなるのです。
★実際に「肺を刺す」などということは、あり得ないし「出血」はきちんと圧迫すれば何ら問題は無いのですが…
それに比べ(細い針である)細胞診は、(それらの医師にとっては)ハードルがずいぶん低くなるのです。
なるほどね。
(そもそも、慣れていない分「下手」なくせに)「針生検よりも、よっぽど主義的に難易度が高い細胞診を選択」するから、(細胞が上手く採れない)「検体不良が巷にあふれてしまう」悪循環が生まれるのか?
そうなんだよ。
更に、細胞診を(手技的に難しくする)悪条件としては
悪条件1.(腫瘍の周囲の)正常乳腺が硬い事
悪条件2.(皮膚表面から針を刺入して)そのターゲットまで距離が長い(つまり乳腺の深い部位にある)事
この2点となります。
もう一度、今回のエコー像を確認すると
細胞診にとって悪条件だと理解できます。
悪条件1 病変周囲の正常乳腺(イエローの部分)が線維化が強い硬い乳腺である。
★ エコー像は所謂「豹門様(白い乳腺内に黒い線維化の画像)」であり乳腺症と表現される典型的な「硬い」乳腺の像
悪条件2 病変(オレンジの部分)が(その硬い乳腺の中の)奥にある。(つまり表面から距離が長い)
自分が、この症例で細胞診をするところを想像してみましょう。
注射器につけた「細い」針を皮膚から刺します。
皮下脂肪を通っている間はいいのですが、乳腺(イエローの部分)に差し掛かると…
『硬くて、針が進まない!!』 『しかもターゲットまで遠い!!』
想像してください。
絶望感に包まれませんか?(もしも日曜大工の経験があれば、硬い木材に細い釘を打ち込んでも刺さらずに釘が曲がった経験がありませんか?)
まさに、それです。 細い針はいとも簡単に「曲がります」
しかも深い部位に病変があるので、角度をつけると(その奥の肺を刺してしまうから)、思いっきり角度を「寝かせる必要」があります。
そうすると、(想像してください)皮膚から病変までの距離は絶望的になるのです!
この絶望的に長い距離は「そもそも」細胞診の針では届きません。 針生検の「太くて長い針」が必要なことが想像できますね?