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今週のコラム 333回目 良性の可能性が高くても生検すべきvol. 2 3か月後というのは、(その時点の)診断に「(其の医師自身が)自信を持っていない」ことの「裏返し」

今日が祝日だったので本日公開「333」見事な3並びです!

昨日は「α(アルファ)海の直売所」で干物三昧。

「俄か」とは言え、千葉県民としては外房は興味あるところ。 天気も良く気持ちいいドライブとなりました。

キンメとか鯛カマなど、いろいろ買いましたが一番は「干し鯖」 脂ものって絶品でした。

そんな魚には、やっぱり「白」(お前は何でも白じゃねーか?)久しぶりのMeursault でした。 文句なし!

(勢いにのって)今日はMontrachetで(連休を)締めくくるのも、またおかし。

記憶ではPuligny Montrachetがあったような(曖昧)

 

今週は「スパイス」はお預けとなり(お客さんがいたので)しゃぶしゃぶ

毎月お届けの「乙女鯛」に「蟹」、そして(やっぱり本道?である)「牛」 それぞれの個性を味わいます!

 

〇本文

前回に引き続いて「こんな所見が癌?」シリーズ 症例2です。

 

 

まずは、石灰化

一つ一つの石灰化に「角」や「多型性」は無いので(私の診断では)「Ⅳ」まではいきませんが…(石灰化講習会的には「Ⅳ」も正解となりそうですが)

「大小不同」があるので(Ⅳに近い)Ⅲという診断

当然ST-MMTの適応となります。

 

しかし、前医では(1年前より明らかに増加なのに)Ⅲとして「3か月後MMGで経過観察]の判断となってます。

 

「3か月後、再度マンモグラフィー」って…

(3か月後にマンモ撮影するくらいなら)「ST-MMT]すればいいのでは?

 

 

その通り!

(QAでも)再三登場してくる「3か月後」っていうのは「一番の問題点」だと思う。

★経過観察でもOKというのであれば「半年」が常識的。

3か月後というのは、(その時点の)診断に「(其の医師自身が)自信を持っていない」ことの「裏返し」とも言える。

実際、不安になった患者さん自身が(ST-MMTを希望して)当院へ転院したわけです。

ST-MMTの病理結果はDCIS(後の手術病理で、最終診断DCIS確定)

 

ふー。危ないとこだったね。

(たとえ、癌でも)「3か月程度」では石灰化に変化ないだとうし、

そうすると、「今度は半年後」となり…

というように、どんどん遅くなっちゃいそうだよね。

とにかく、よかった!

 

ただ、それだけでは無かったんだ。

実はこの患者さんは「対側」のエコーでも(左石灰化に併せて)「3か月後経過観察」となっていたんだ。

 

 

 

 

右(対側)エコー①

6mm 境界明瞭

 

 

 

 

 

右(対側)エコー②

これは上記①の末梢(つまり同一乳管内の病変を想像させる)

 

 

 

 

位置関係は、こうなっています。

画像所見とも併せ、良性所見(乳管内乳頭腫)が想定されます。

 

 

 

 

なるほど!

前医では(こちらは)細胞診もしていなかったんだね?

 

そうなんだ。

(前医からの紹介状は無いので)患者さん本人からの情報だけどね。

ただ、どちらも「小」病変で「境界明瞭」だから、(左の石灰化をST-MMTしない位だから)こちらの所見は単なる「おまけ」程度の評価だっただろうね。

今回(左で乳癌の診断となり、左の手術を予定する以上)右も決着をつけておきましょう。となり、

CELERO施行したところ…

 

 

どうだったんだい?

 

 

驚くことなかれ!

こちらも「DCIS]だったんだ!

両側とも「DCIS]の診断となり手術。

 

 

左の石灰化があったから(QAを利用して)当院のST-MMTに辿りつき、両側の早期発見となったんだね。

もしも左の石灰化が無かったら「右」は相当、前医で(無駄な)経過観察となったんだろうね?

 

おそらくね。

この患者さんにとっては、本当に良かったと思う。

左右とも再発しないと(経験上)断言できる程度の所見。

★腋窩鎖骨下再発の手術のような「手に汗握る?」達成感とは違うけど、究極の早期発見は「地味に?」患者さんの運命を変えていきます。

「こんな所見で癌?」というのは(裏を返せば)、究極の『再発無き、癌治療』なのです。

 

番外編

「癌を疑ったが、良性」所見シリーズ

 

「歪な」乳頭腫

 

 

 

 

「強烈な所見の」乳腺症