オリンピック
日本は快進撃が続いてますね!
4年後の東京へ向けて[強化]されている感じがヒシヒシ感じられます。
私が感動したのは、最初の金メダル「400m個人メドレー 萩野公介」
凄かった。
しかも非常な「ナイスガイ」
さわやかな笑顔ですね。
◎あの有名な「自転車転倒での骨折事件」
確かに、「1年間を無駄にした」(日本中の期待を裏切った)不注意だったけど、この1年間、「苦しんだのは本人だった筈(テレビでもルームメートがその様子を証言していました)
何も「金メダルのおめでたいインタビュー」で「1年前は泳ぐ事もできなかったわけですが…」はないだろう。(その事には、触れないでおいてあげろよ!)
「またかよ。もうその事はいいだろ。金メダルで取り返しただろ」と、普通なら「むっとする」この場面で、『あの爽やかな笑顔』
一瞬でファンになりました。 4年後も期待してます。
話はかわって、
管理番号3414『乳頭分泌、ひど過ぎる診療』で私が(いつにも増して)憤ってしまった理由があります。
それは、つい先日、市川を受診されたAさん(仮名)です。
診察予約の際にスタッフが(電話で)事前に聞いていたので、受診理由が「血性分泌」であること「乳管造影して欲しいと希望している」ことは予め知っていました。(その様な方は、結構いらっしゃるのです)
○ここからは、実際の診療風景をお見せしましょう。
私
「血性分泌があるということですが、単孔性ですか? いつからですか?」
Aさん
「ええ、そうなんです。単孔性です。もう2年位になるかしら。最近は多くて。ガーゼ当てていなくちゃ大変なんです。」
私
「2年間? 随分長いですね。どこか受診したことはなかったのですか?」
Aさん
「実は、最初から(2年前から)受診しています」
「だけど、良性だからって何もしてくれないんです。私としては分泌量も多くて不便だし、何とかして欲しくて… だからここに来たんです。乳管造影お願いします。」
私
「解りました。それでは診察しましょう」
そして、いつもどおりに乳管造影をしようと診察台を振り向いた刹那、
「!!」私の体は一瞬にして凍りつきました。
そこで目にしたのは、ありえない光景でした。
乳房全体を変形させるような大きな腫瘍と、ガーゼにしみ込んだ大量の分泌物です。
『こんな良性は無いな。』(一瞬で確信しました)
良性腫瘍は、いろいろなものを経験してきましたが、あの「葉状腫瘍」でさえ、良性のものは「乳房の変形などおこさない」のです。
私(冷静さを取り戻しながら)
「いつから、こんなに大きくなったのですか?担当医は何と言っているのですか?普通はこの状態で、放ってはおかないでしょ??」
Aさん
「かかりつけのBクリニックの先生が、開業前に勤務していたC病院へ紹介してくれたのだけど、良性だから大丈夫だって、(その後、また)Bクリニックに戻されて、(Bクリニックの医師は)今でも経過観察でいいんだって言うんです。」
私(BクリニックやC病院に,心底呆れながら)
「こんなに乳房全体が変形していて、良性だからいい。は無いでしょう。Aさんにはお気のどくだけど、とてもまともな診療だとは思えない。」
内心『これは、乳管造影どころではないな』と思いながら、超音波検査を行いました。
○実際、超音波検査してみると…
一見、巨大な(超音波画面からスケールアウトしています)「嚢胞内腫瘍」ですが、壁から「明らかな浸潤」を認めます。大きな腫瘍です。
腋窩を診ると「明らかな転移性リンパ節」
私
「残念ながら、これは癌です。実際にこの状態で癌を疑わない医師が存在している事自体、信じられません。」
「リンパ節転移も明らかですが、これをBクリニックの医師は何と言っているのですか?」
Aさん(信じられない様子で)
「えっ、癌? リンパ節の黒さは嚢胞だから心配ないっていっていましたけど…」
明らかな転移性リンパ節のエコー像も判断できないなんて…(絶句)
○Aさんが「2年間も良性と言われ続けて、癌であることを受け止められない」様子。
私(超音波像を示しながら)
「一見、嚢胞内腫瘍に見えますが、この部分が浸潤しています。明らかに浸潤癌です」
「是非、マンモトーム生検しましょう」
「(バネ式)針生検でもいいけど、(長い経過を考えると)マンモトームでより確実に診断しましょう。」
Aさん(どうしても、癌とは信じられない。もしくは信じたくない様子)
「でも、ずーと良性って言われていました。」
私(Aさんが、ショックのあまりマンモトーム生検を受け入れられない様子を見て)
「解りました。それではリンパ節の細胞診だけでもさせてください。」
「リンパ節転移が確認できれば、癌である事に納得してください。」
◎そして1週間後、細胞診は(当然ながら)クラス5(癌の転移)でした。
これで、Aさんは「良性だからと、言われて2年」通院していたのに「乳房全摘+腋窩郭清」を受けなくてはならなくなったのです。
(参考に)前医での2年前のエコー写真(Aさんが自分用に前医から渡されていたもの)
この時には腫瘍径は19.8mmとなっています。(これが2年後には20cmまで増大!)
◎前医ではこの時点で(バネ式)針生検を施行し「乳頭腫(良性)」となった事が、その後の判断の誤りを招いたようです。
♯20cmにも増大しているのに(最初の結果にしがみつくとは…)常識を疑いますが…
皆さん。
どう思いますか?
作り話ではないのです。本当に起こった話なのです。
2年間も自覚症状があったのに、「良性だから大丈夫。分泌液くらい我慢しろ(ちょっと表現が違うかもしれませんが…)」と言われ続けた『挙句の果てがコレ』です。
◎もちろん、3414の質問者が、必ずそうなると断言している訳ではありません。
良性である可能性も勿論あります。(ただし、私が再三、「QandA」や「今週のコラム」でコメントしているように、同じ乳管内には同時性もしくは異時性に癌が発生する可能性があることは良く知られています)
『BクリニックやC病院の医師達に感じた憤り』を、3414の「癌センターの医師」に重ね合わせたのです。
医師として(人の命を預かっている)以上、「これはおかしいだろ」というような『常識人としてのセンス』は当然必要だし、そもそも「分泌で困っている」のだから(分泌ぐらい我慢しろ!ではなく)「適切な診療を提供すべき」でしょう。
「良性だから大丈夫??」
本当に良性と言い切れるのか?
3414の質問者にだけ、呼びかけているのではありません。
「今そこにある危機」他人ごとではないのです。
皆さんに、呼びかけているのです。