「7447 単孔で透明に白色が混ざった分泌液」を回答していて、「あるあるQ]に掲載することにしました。
「分泌=怖い」と頭がパニックになる人は、まず頭を冷やしてから以下をお読みください。(この時期、きっと気持ちいいことでしょう)
1.分泌は何故でるのか?
最も基本的なことですが、最も重要な観点でもあります。
「ミルクの場合」 液が白色混じりの場合、それはミルクの分泌です。
ミルクは何故、分泌されるのか?
→それは「脳からの命令で、(正常)乳腺が、その機能(乳汁分泌)を発揮している」にすぎません。
ミルクは正常乳腺から出ます。
癌がミルクを分泌することは絶対にありません。
「緑色、オレンジ色の場合」 これは分泌液が溜まって変性した色です。
緑、オレンジは何故出るのか?
→広範囲の分泌液が乳管内に貯留され、それが変性してそのような色になります。
緑やオレンジなどのカラフルなものは典型的な「乳腺症に伴う」分泌です。
乳腺症は乳腺の広範囲に起こるため大量の分泌液の貯留→変性となるからです。
この色の分泌の「原因が癌だった」というのは皆無です。
「白色混じり」「緑、オレンジなど多彩な色」の場合には、乳管内病変ではありません。安心してください。
2.腫瘍(乳管内病変)があった場合、どのような分泌になる?
腫瘍(乳管内病変)は崩れやすいので出血しやすい。
出血に関係する色は「赤、茶、黒」となります。また(腫瘍は)出血しなくても脆いので液が漏れます。その液漏れが「黄色」となります。
それでは「出血(赤、茶、黒)=腫瘍」なの?
違います。
多いのはむしろ、月経周期に同調した出血です。
月経前に増生した乳管が破綻する際に起こるため「月経周期に同調」することがあります。
また、「一過性におこり、継続しない」出血は、やはり(正常)乳管の(一次的な)破綻が原因であることが多い。
それでは、「いよいよ」乳管内病変を想像する分泌はどういうものなのよ?
下記の条件を満たす場合です。
・色:出血(茶、赤、黒)もしくは色漏れ(黄色)であること
・単孔性(腫瘍は1つの乳管から発生するから)であること
・継続性(腫瘍はホルモンの影響を受けないし、治らないため「基本的に、止まらない」のです)
まずは分泌の理由を考えましょう。(「ミルク」はホルモンによる命令であり、「緑」「オレンジ」は広範な乳腺症変化に伴う変性なので癌とは無関係なのです。)
そして「単一の乳管内にできた腫瘍から、永続的に出血している様子」を思い浮かべてみましょう。