オマール海老香るトマトクリームソース
ふるさと納税のステーキ肉とホウレンソウ添え
絶品です。
今日は連日で「ガーリック&トマト」かな?
○ 本文
この動画(今週中にでも配信されるでしょう)は恒例通り金曜日に撮影しましたが…
その翌日、ある患者さんと話していました。(ちょうどタイムリーなので紹介します)
患者さん
『超音波の検診で「線維腺腫 12か月経過観察」という結果だったんです。だけど、(12か月経過する前の)9か月の時点でしこりを自覚して… その「線維腺腫」が実は乳癌だったのですか?』
私
『そうとしか考えられない。実際に線維腺腫が(その癌とは別に)存在していれば、その癌は(9か月間で)新たにできたということになりますが、あなたの画像には(MRIでもUSでも)他に所見は無いのです。』
不整形で(dopplerで)血流も豊富
これが、9か月前にはどういう画像だったのか?
♯その検診施設から「お取り寄せ」を試みます。
良性に見えて、実は(結局)癌だった。
このようなケースを紹介することが「良性と見えるからといって経過観察ではなく、生検で白黒つけるべき」という思いを(動画で)多くの方に伝えることが使命なのです。
と、いうことで「お取り寄せ」次第、そこにピンポイントに絞った動画を生検2として配信しようと考えたところです。
○ 典型的な癌
○ 典型的な「粘液癌」
これは「動画配信」では(時間的制約で)出さなかったのですが、典型的な「粘液癌」です。
♯形状が比較的「整」なので精密医療機関で画像診断で「線維腺腫」と言われ、後々トラブルになるころも多いと(ものの本には)記載がありました。
○ 典型的な「線維腺腫」
これなら、検診で「線維腺腫疑い 12か月後」も許容されます。
○ 比較的おとなしい画像の癌
DCIS
この画像だと「線維腺腫かな?」と思う乳腺外科医が大部分です。
私も画像所見では「線維腺腫を疑う」けれど…
(それらの医師と決定的に異なるのは)乳癌の可能性がある以上「生検を勧める」ことです。
♯実際に、この方も当院を受診したからこの段階(小さなDCIS)で発見されて手術
1000%根治となるでしょう。
しかし他院受診していたら…
殆どのクリニックでは「経過観察」となり… あぁこれ以上は考えたくもない。
一見碁石状? いえいえ(よーく見ると)左端が「極一部」不整なのです。
○ 不整形なFA
(経過観察好きの)乳腺外科医でも生検を勧めることと思いますが…
実際は「old FA」でした。
陳旧性線維腺腫は(ホルモンが減ってくると)線維腺腫の張りがなくなり(萎む過程で)粗大石灰化を起こしたり、形状が歪となったりするのです。
♯「陳旧性」などというと高齢者を想像されるかもしれませんが(この方は)47歳、閉経前です。
これなんかも「縦長」で一部境界不明瞭にも見えるので「癌疑い」と画像診断となりますが…
やはり「線維腺腫」でした。
「良性に見える癌」に比べれば、これら「癌に見える良性」の方が(最終的に)生検をされて診断されるという意味では罪がないとも言えます。
やはり問題なのは「良性に見える癌」となります。
「経過観察」とは都合のいい言葉であり、(その医師が良性と思っていたけど)実は癌だったという場合に「良性だから大丈夫といったわけじゃーない。(だから誤診ではない)ちゃんと経過観察と言ったではないか!」という言い逃れと(私は)いつも感じます。
患者さん自身が(生検を嫌がり)経過観察を望むのであれば別ですが、基本的には「生検すべき」
それが私の診療です。
其のあたりが時々患者さんに誤解を与えるようです。
上記のように私は(画像上良性を疑っても)生検を勧めるので、患者さんによっては『生検を勧められたってことは、私は癌に違いない』と思い込んでいる人も結構多いのです。
そのような方に病理結果説明(市川で行うことが多いですが)をすると、『癌じゃないのですか? 本当ですか?』と、言われます。(時には涙を浮かべて)
『本当ですよ。そもそも画像上癌を疑う所見ではなかった。癌でないことを100%保証することも私の使命なのです。』と(市川では)よくいうセリフとなっています。
最期に…
○ 小さな癌
これは前医で「小さいから刺せないかもしれない」と言われ当院で診断
これは前医で「果敢にも挑戦したが」MMTEでもCNBでも良性
↓
不安となり当院でIDCの診断
○私の思い
「小さいから刺せない」とか(実際に、やってはみたものの)「病変に当てられない」何故なんだ?
患者さんが可哀想だろ!
私を変えた原点が(もう20年以上も前となってしまいましたが)東○公○病院での最初の外来体験だったのです。
(それまでに勤務していた)東○大学病院では、(今思えば)癌を疑わない限り、(更に言えば)自分が自信を持って刺せると思わない限り生検(その当時は細胞診の時代でしたが)は行わず(何の疑問も抱かずに)「また半年ね」
それが東○公○病院で外来初日に「何で、お前それ刺さないんだ! 小さいけど癌でないって言いきれないのか!」
その診療に対するレベルの違いがあったからこそ、今の私があります。
残念なことに(そのような経験のないまま)経験を積んでしまった多くの乳腺外科医に、もはや「それ」を期待できない。
それが解っているからこそ、私の啓蒙は続くのです。