Site Overlay

今週のコラム 449回目 動画配信 fundamental 4 MMG 石灰化補足

DSC_1177

 

素晴らしい土曜日

トマトガーリックパスタにはほうれん草

オクラ納豆卵に(最近お気に入りの)キムチ入れるの忘れた!

 

○ 本文

今回はマンモグラフィー検診の結果で「石灰化 要精査」と書いてあった方に寄り添った内容となります。

1.石灰化とは?

「良性」の石灰化、「悪性」の石灰化という言い方をする方がいますが誤りです。

石灰化自体はただの「カルシウム」にすぎません。

カルシウムという無機質に良性も悪性もないことは自明のことですね。

 

2.石灰化の種類

石灰化は「正常」乳腺や「癌」にある種の変化が起きた時に偶然できる産物である。

2-1.正常乳腺に起こる石灰化

2-1①乳腺症に伴う石灰化

正常乳腺に「たまたま」起こる石灰化の代表であり、全石灰化の実に95%以上(推計)を占めるという。

乳腺症とは?

30歳代後半~50歳代にかけて(閉経へ向けて)卵巣が不安定となり、結果として(正常)乳腺が刺激されて「張ったり」「痛く」なったりするわけだが、この際に乳管が増生したり線維化が起きたりして乳管が詰まりやすくなりカルシウムが沈着し石灰化となる。

乳腺症に伴う石灰化は以下の3つに分けることができる。

1.検診でチェックされない石灰化

「まばら(集簇性がない)」「広範囲」の場合にはカテゴリー1(2)

 

 

乳腺全体にまばらに石灰化があります。

検診結果では「良性石灰化 カテゴリー2」と記載されることがおおいですが、(さすがに要精査にされることはありません)心配症の方には、この記載さえも心配して病院受診されることがあるので、

私が読影する際には、これは寧ろ「正常 カテゴリー1」と敢えて記載します。(そうすると、被験者が余計な心配をしなくてすむからです)

 

2.検診でチェックされるかもしれない石灰化 カテゴリー2(3)

一部集簇しているように見えるが、(よく見ると)結構「まばらで広範囲」

♯読影医の熟練度により「チェックされる」ケースと「されない」ケースがある。

3.検診で必ずチェックされる石灰化 カテゴリー3

明らかに「集簇」している

 

2-1②線維腺腫(陳旧性)に伴う石灰化

線維腺腫が退縮する過程(エストロゲンが減少していくため)に起こる石灰化

 

粗大石灰化

一つ一つが微細ではない(粗大)

右はST-MMTでのspecimen mammography

 

 

 

2.2 癌に伴う石灰化

重ねて言いますが、石灰化は無機質であり癌そのものではありません。

この場合には癌が乳管内に発生し増殖する過程で癌が壊死を起こし、そこにカルシウムが沈着して起こる石灰化なのです。(壊死型石灰化)

 

 動脈硬化に伴う「血管」の石灰化の隣に

微細分岐状石灰化(癌に伴う石灰化=壊死型石灰化)があります。

 

 微細線状、分枝状石灰化

 

3.診療

「経過観察(通常、半年後マンモ)」とST-MMTの2択となります。

3-1.ST-MMT

この様に…

マンモグラフィー装置に乳房を挟み、ここに固定されているマンモトーム装置(吸引式針生検)で石灰化の部分を採取します。

 

 

 

3-2.どういう場合にST-MMTの対象となるのか?

①癌を疑う場合

②患者さん自身が経過観察が不安で「確定診断」を強く希望する場合

 

3-3.どういう場合に「経過観察」となるのか?

③癌を疑わない場合

④その施設にST-MMTの設備が無い場合

問題なのは、(癌を疑っても)その施設にST-MMTが無いと『もう少しいいだろ?』と、なかなかST-MMTのある施設へ紹介したがらない。

その要因の一つに、(その医師自身にST-MMT経験がないと)『この石灰化って、ST-MMTで採れるのかなぁ? 紹介しても「こんな程度で紹介しやがって!」って怒られないかなぁ。』と、紹介に踏み切れないケースが多いのです。

そうなると、(怪しくても)紹介せずに「延々と」経過観察をして「超音波で見えるようになるまで育てて!!」(超音波ガイドで)針生検で診断する輩もいるのです。

⑤その施設にST-MMTがあっても、実際の症例経験が無い場合

これがまた困ったものなのです。

患者さんに「こんなに小さいとST-MMTで採れないと思うよ」と言われて当院へ転院して来る患者さんも多いですが、全く普通に取れます。

 

実際の難関症例

 難関症例

検診マンモ結果で「右下外側」石灰化と記載あり

(マンモ持参なかったので)当院で撮影したが石灰化が入っていた無かった(初回撮影)

それで、「下の外側を思いっきり引っ張りだして」という指示を出し再撮影したところ、ギリギリ引っ張りだせました。

ST-MMTでは装置の関係上、通常にマンモグラフィーで引っ張り出すより「更に」引っ張り出しにくいため(♯1)に、こういうケースが一番厄介です。

このケースでは、(患者さんの我慢強い協力のもと)相当な長時間(想像にお任せします)かけて採取しました。

通常であれば15分程度で検査は終了できます。

♯1 そうはいっても、マンモグラフィーで写っている以上、「取れない石灰化はない」というのが私の長年にわたるST-MMTmer(マンモトーマー?)の結論です。

♯2 難関症例の条件

①胸壁に近い 引っ張り出しにくいため

特に(この症例のように)下部や(逆に)極端に上部にあると更に難関となります。

②乳腺が薄い 針を入れても(乳腺内で)針の吸引部に誘導できないため

これは生食で(一時的に)膨らませたり、「上げ底」したりして対処できます。

③石灰化自体が淡い

大きさではありません。幾ら小さくても「くっきり、はっきり」していれば全く関係ありません。

「淡い」と、検査中局所麻酔などで「見えなくなり見失ってしまう」こともあります。

ただし、このケースでは時間を空けて(5分程度)再撮影すると「局麻が吸収されて」再度見えてくることが殆どです。

★結局は経験が物をいいますが、相当な経験のある私でさえ①のケースでは苦労するのです。