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今週のコラム 448回目 fundamental 3 マンモグラフィ vs 超音波

気持ちいい午後3時、乾いた喉にギガレモン

 

ギガレモンばかりで恐縮です。

カプリチョーザのニンニクトマトパスタ

ほうれん草と何故か(色が似ているから?)エビチリが載ってます。

オクラ納豆にはセブンイレブンのカルビも

 

○ 本文

マンモグラフィ vs 超音波

どちらの勝利か? は、この乳がんプラザを見ている人たちには明白でしょう。

 

1.コントラスト

マンモグラフィーでは正常乳腺が「白く」写る中に「腫瘤も白く」写るので「白の中の白」となるのです。

だから、ある程度以上大きくならない限り解りません。

♯1.例外として、高齢で乳腺が退縮して脂肪に変性(脂肪は黒なので「腫瘤は黒の中の白」としてよくわかります)している場合には見やすくなります。

♯2.若いうちは、乳腺が多いので「全体が真っ白」となり白兎の中の白髪?のごとく全く見えません。

高濃度乳腺という診断は(無論、病名ではなく)「マンモでは検診不可能だからエコーにしましょう」という診断名なのです。

 

エコーは乳腺は「(マンモ同様に)白」ですが、「腫瘤は黒」となります。

白の中の黒! かなり目立ちます。

以下の3症例は何ら特別なケースではなく、全くの日常診療です。

無論エコーは3mm以上でもわかります。

 

症例1

 

 

マンモでは「勿論」不明

カテゴリー1

 

 

 

 エコーでは不整形 カテゴリーⅣ(Ⅴ)

手術病理は15mm 浸潤癌

 

症例2

 

マンモグラフィー 不明

カテゴリー1

 

 

 

 エコーではカテゴリー4

手術病理は 9mm 非浸潤癌

 

2.質的診断

 上の方(CC viewなので実際は外側に丸い影が…

マンモでは「何かがある。」しか解りません。

この丸いものは実際は「嚢胞」かもしれないし、「線維腺腫」かもしれない。無論「癌」かもしれませんが、それを判断することはまず不可能です。

♯例外としてよっぽど「典型的な毛羽立ちのある不整形」の場合は癌と判断できますが、あくまでも「例外」です。

実際にマンモグラフィー検診でチェックされても、エコーしない限り「それが何を疑う所見なのか?」は不明なのです。

 

 同症例のエコー像 不整形カテゴリーⅣ

 

エコーでは、かなりの程度まで「質的診断」ができます。

つまり、マンモでは「何かある」⇒エコーで「乳癌を疑う」となるのです。

実際にこの症例は15mmの浸潤癌でした。

 

3.例外的に石灰化はマンモの大勝利!

 

石灰化は超音波検診でチェックすることは不可能

と、いうか…

超音波検診で石灰化をチェックした場合には、それは単純に(線維腺腫や嚢胞に伴う)「粗大石灰化」であり、全く無意味(要精査としてはいけない)な所見となります。

上の症例では、(実際には)癌を疑う所見なのにST-MMTの予約が先となるため

マンモグラフィーでの石灰化の位置を参考として(計測して)「それらしい所見」を見つけたうえで「自分自身、これは石灰化だよな」と納得させたうえで超音波ガイド下マンモトーム生検(MMTE)で診断しました。(非浸潤癌)

 

 

これが手術して摘出した実際の標本写真

赤丸の部分が石灰化

右上が乳頭方向(乳頭の真裏を超えている)

左下が末梢方向(完全に端まで)

側方は(石灰化から)3cm

 

手術はこのように「乳頭から末梢へ広がる乳管の走行」をイメージして切除します。

★ 石灰化は、あくまでも病変の一部に起こっているので「その部分だけに病変があるわけではない」

皆さん、イメージできましたか?